Bluetooth 4.0(Bluetooth LE、BTE)経由で、スマートフォンからキヤノンとニコンの一眼レフもしくはミラーレスカメラを制御するコンパクトなユニット「Pulse(パルス)」を紹介する。キックスターターで既にゴール資金の10倍の金額を調達し、4000個は軽くプリオーダーしたという。

PulseをカメラのUSBポートにつなぎ、最長30.5メートルの距離からスマートフォンのアプリからシャッター、録画、そしてタイムラプスなどのオペレーションができる。従来のカメラからWi-Fi経由でアプリに接続して制御するよりも、制御の範囲が広がる。

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リモートコントローラーは全く珍しいツールではないが、有線で遠隔距離から臨めなかったり、機能が限られていたりと、納得がいく製品はなかなか見られなかった。Pulseは、そんな痒いところに手が届く。アプリからは最大3台までのカメラを制御できるうえ、他のトリガーツールにはなかった、録画のオンオフも行えるようになっている。シャッタースピード、ISO、絞りに加え、ライブビューができるのも便利だ。

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ISO、絞り、シャッタースピードコントロール

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低照光の中での星空や夜景、イルミネーション撮影には、手振れの許されない完全なスチル状態で適したシャッタースピードを割り出す必要がある。長時間露光モードでは手動シャッターをロック/リリースするか、絞り優先オートのようにシャッタースピードをアプリが自動的に調整させるよう露出をタイマーにセットすることができる。

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アルペンラボでは、現行のタイムラプスをコントロールするミニデバイス「Michron」や、モーションタイムラプス・デバイス「Radian」(Syrp Genieと同様機能を持つ製品)の開発からタイムラプス機能へのノウハウは蓄積している。

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Radianの新モデル「Radian 2」

Pulseのランピング機能は、ISOとシャッタースピードを制御し、以下の作品のように終日の移り変わりのタイムラプス撮影でも簡単な設定のみリモートで行えるようになっている。カメラのバッテリー持続なども事前に計算して知らせてくれる。

今回のPulseでも精確なライムラプス撮影から作品が作れるよう、特にJPEG形式自体に保存されるEXIFデータが適切にLRTimelapseソフトウェアに対応可能な仕様に開発をしたという。

前記したが、Pulseは現在、キヤノンとニコンのカメラのみUSBを通して動作する。カメラメーカーによってさまざまなUSB互換性があるため、Pulseメーカーでは今後、対応できるカメラブランドを増やしていく意向だという。またソニーのカメラに関しては、カメラ自身がUSB経由で撮影データ(収録データ)をメモリカードに保存するプロトコルを持っていないため、Pulseを使ってもISOや絞り調整以上の機能を持てず、Pulseを使うメリットはないだろうと判断しているようだ。メーカー側がキヤノンやニコンのような標準プロトコルを追加した際は、ソニーブランドのミラーレスカメラと一緒に使えるようになる。

Pulseは、キックスターターよりプリオーダーが可能(日本へも出荷可能)。現在は本体価格が74ドル。製品は2016年4月から出荷開始予定で、希望小売価格は99ドルの予定としている。

(山下香欧)