いよいよ開催まで一か月を切った50回目のスーパーボウルは、CBSが中継を担当する。CBSではこれを機にCBS Sportsのロゴを刷新し、革新的な放送技術を揃えて挑むという。360°ビューワーとして、リアルタイムグラフィックスを組み込んだリプレイシステムの「EyeVision」を利用し、会場となるリーバイススタジアムの上階デッキに36台の5Kカメラを設置する。36台でライブフィードをしながら定点で瞬間フリーズし、ぐるりと一回転した後でライブに戻るといった、映画「マトリックス」のようなマシンガン撮影技をこなす。

最初にCBSがEyeVisionシステムを導入したのは今から15年前のスーパーボウルだ。当時はリアルタイム3Dリプレイシステムで、金出武雄博士が共同開発を行った

さらにESPNが大学フットボールで起用したパイロンカムをカスタマイズし、2基のカメラを1台に組み込んだシステムを8台、ゴールラインとサイドラインに設置する。今回のパイロンカムシステムでは、音声も取り込めるようにしている。これらは判定カメラとしても利用するという。

160118_old_1981 160118_cbs_sports_logo_old_new 左:1981年にデビューした現在までのロゴ
右:35年ぶりに新しくなるロゴ。オンエアグラフィックスとして当日の中継でデビューする

さらにNFLにおける次世代統計技術も組み込む。フィールドで戦う選手たちを追従し統計データを中継中リアルタイムに生成していく。攻撃と守備との選手間の距離といったマッチアップベースの解析や、選手の走る速度、走った距離などのデータを蓄積していき、スーパーボウル放送で活用していくという。

CBSがスーパーボールの中継を担当するのは今回で19回目だ。放送権を持ち回りしている4大キー局の間では最多となる。その間、技術革新を伝統的に踏まえ、インスタントリプレイに始まり、テレストレーター(ビデオマーカー)、アクショントラックシステム、チョークボードやリアルタイム字幕を取り入れてきた。それにNFL試合を初めてHDで放送したのもCBSである。PGAツアー中継でも、プロトレーサーや超スローモーションカメラなどを起用し、当時の最新技術を駆使している。

6000fpsで撮れるコニカミノルタ製SwingVisionカメラをゴルフ中継で初めて起用した

(山下香欧)