米市場調査eMarketerによると、2016年はデジタルビデオ、特にオンラインTVの新たなベンチマークになる年だという。

eMarketerが発表したデジタルビデオ消費の最新の情報によれば、2016年は、米国人口の半数以上が少なくても月に1度はオンラインでテレビを視聴するという。米国人口の50.8%にあたる1億6450万人がデジタルTVを視聴する計算になり、昨年の47.8%から過半数以上になるという転換期だ。

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このデジタルTV視聴数の増加にかかわらず、従来のテレビの割合はまだ、全体を独占した形になっている。調査では、2億570万人の視聴者(成人)は、ケーブルや衛星テレビサービスから従来のテレビ番組を視聴しながらも、1億2970万人がデジタルTVも視聴する結果が出ている。そして2年後の2018年では、従来のテレビ視聴が2億210万人に対して、デジタルTVは1億3880万人と、デジタルTVの視聴者の割合が増えていく。この傾向を支えているのは、増加する視聴端末とストリーミングTVサービスから提供されるコンテンツだ。特にストリーミングTVサービスからのオリジナル番組が拡充されてきたことも大きな要因とみられる。そして今後、さらに拡大していくと見られるものはスポーツイベントのライブストリーミングであろう。

新世代と呼ばれる1981年から2000年に生まれた人たちは、特にデジタルTVを受け入れられる世代であり、新世代のインターネットユーザーのうち93.7%は現状、ストリーミングビデオを日常的に視聴している。Adobe Digital Index(ADI)が、先週開催されたスーパーボウル50に備えてオンライン広告について分析した資料では、調査対象規模は小さいが、新世代の過半数が何かしらのデバイスでスーパーボウル50を視聴すると回答がでている。ただスーパーボウルの視聴カルチャーから、やはり1人で小さなディスプレイで鑑賞するというスタイルは避けたいようで、インターネットに接続したテレビサイズのディスプレイで視聴するスタイルの方が好まれているようだ。

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スーパーボウル50の放送権を持ったCBSでは今回、視聴者枠を拡大し、非加入者でも自由に視聴できる広告挿入型のライブストリーミングを行った。スーパーボウルでの広告権争いは知られているが、その価格も毎年記録を塗り替えている。今年の30秒広告の平均価格は5百万ドル(5億円強)。CBSは初めて、オンラインへも放送と同じ広告を挿入配信するサービスとしたことで、これからの放送対オンラインの広告効果指標としても着目される。ADIに加え、Think with Googleでも、スーパーボウルのオンライン広告視聴は、スマートフォンといったモバイルデバイスが80%以上を超えると報告している。今回のスーパーボウルに限らず、国際的スポーツイベントによるオンライン視聴は急速に増加しており、夏のリオデジャネイロオリンピック時でも、記録を塗り替えるオンライン視聴者数となることが予測されている。

(山下香欧)