バーチャルセットカメラシステムなどで知られているNCAMは、2016年4月16日から21日(米国時間)の期間中に米国ラスベガスで開催されるNAB2016出展ブースにて、Epic GamesのUnrealエンジンと組み合わせたフォトリアリズムな拡張現実空間を紹介する。

同社では、このリアルタイムゲームエンジンで実現するリアルタイムのグラフィックスと実写の合成技術が、映画や番組プロダクションのゲームチェンジャーになるという。オンセットにて、リアルタイムでグラフィックス要素をリアルタイムで追加できることで、ポスト作業の時間と予算を大幅に削減し、生産効率を確実なものにすると期待される。映画製作では、監督や撮影監督が現場で、デジタルダブルとアクターとのやり取りがリアルタイムで確認できることで、カメラ移動やキャスト配置を現場で確実に行なえるようになる。独自の光測定技術で、バーチャル側のグラフィックスの動きを反映させ、実写側のアクターや被写体が交わる際の影などを自然になじませることができるようになっている。

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このゲームエンジンとの組み合わせによるリアルタイム拡張現実のほかに、NCAMのカメラトラッキングシステムのデータに加え、深度データを出力できるようになった。これによりスポーツハイライト番組などで複数人数の司会者やゲスト達を仮想グラフィックス内でウォークスルーさせることができるという。

(山下香欧)