英大手電気通信事業者BTの光4K TVサービスでは、2015年夏に開局したBT Sport Ultra HDチャンネルにて、UEFAチャンピオンズリーグ、FAカップ、Avivaプレミアシップ・ラグビー、NBAなどの中継をライブで提供している。

BT同社のOTTサービスは、消費者動向の変化にともない急速に広がりを見せているという。昨年においては5チャンネルを追加し、また「Entertainment Max」といった、新しいサービスパッケージも追加した。モバイルデバイスから視聴できるBT Sportアプリは現在、数百万人の利用者があるという。

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BTが提供するセットトップボックス

同社の拡張し続けるOTTや4Kサービスの映像処理を担っているのは、エレメンタルテクノロジーズ社の技術である。BTはこのエレメンタル社と共に、UEFAチャンピオンズリーグのセミファイナル戦(マンチェスター・シティ対レアル・マドリード)を4Kライブストリーミングで披露する記者会見を行った。BTを代表して記者会見に立ち会った、テレビ技術マネージングディレクターであるグレッグ・マッコール氏は、BTのサービスを柔軟に拡張していくには、ソフトウェアベースのソリューションが必須だという。

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ガートナーが最近発表した調査報告の中でも、エレメンタルが謳う、スケーラブルなSDVソリューション(ソフトウェア定義によるビデオソリューション)について市場調査したものがあり、Emerging Technology Analysis: Cloud-Based Solutions Change Video Delivery for CSPs and MSOs Globallyという報告書では、2018年までにSVDが関連するCSP(クラウドサービスプロバイダやMSOをホストするCDNサービス)の収入規模は、100億ドル超えになると伝えている。

BTでは現在、エレメンタルの提案する統合ヘッドエンドでOTTサービス、BT Sportアプリ、BT Ultra HDサービスを展開している。

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OTTサービスのインフラストラクチャでは、既存のIPTVのリニアチャンネル向けと、マルチスクリーン用のヘッドエンドを統一させた構築へと移行し、live to VOD配信を可能にした。このフローにより、BTは従来のチャンネル数90から250チャンネルへと拡張し、ライブ、オンデマンド、そしてキャッチアップTV、リスタートTVといったタイムシフトサービスや、n-PVRを提供できるようにした。BT Sportアプリでは、UEFAチャンピオンシップリーグの見逃し視聴(スタートオーバー)といった機能もあり、ゴールや反則といったハイライトシーンに戻って再度観ることができるようになっている。

エレメンタル社は2016年5月19日から2日間、東京・秋葉原UDXで開催されるAfter NAB Showに出展し、NAB2016で紹介した各映像ソリューションを紹介する。また19日、20日両日において、セッションにも参加する。同イベントおよびセッションの詳細、参加申し込みは、公式Webサイトから。

(山下香欧)