Blackmagic Designの発表によると、株式会社NHKメディアテクノロジーが、4台のBlackmagic HyperDeck Studio 12Gを使って8K60P映像の再生プレイヤー「Hyper CUBE MHP-8000」を開発したことを発表した。

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株式会社NHKメディアテクノロジーは日本放送協会(NHK)の関連会社で、放送番組の技術業務、それに関わる技術開発、製作および販売などを行っており、放送技術以外の分野でも開発、設計および運用を行っている。同社放送技術本部、ビジネス開発部副部長の内藤一輝氏は次のようにコメントしている。

内藤氏:弊社はもともと同期をとる技術はずっと研究しています。その技術を生かして市販の4K再生機を組み合わせた8K30Pまで再生可能なものができました。そこで次のステップとして60P対応の8Kプレイヤーの研究開発をしよう、というときにBlackmagic HyperDeck Studio 12Gがリリースされたんです。

さらに、ビジネス開発部のエンジニア伊能英男氏は次のようにコメントしている。

伊能氏:もともと4K60Pが再生できるものが市場で少なかったのですが、今回の製品開発コンセプトは、8Kの再生を可能なかぎり低価格で実現させることでしたので、ひとつのハードウェアが数百万円するものでは意味がなくなってしまいます。外部制御ができるものでないといけなかったのですが、そういった製品がほとんどありませんでした。

Blackmagic HyperDeck Studio 12Gはそれらをすべて満たしていて、カスタマイズ性が高い。よく考えて作られているなと思いました。同じ頃にちょうどシャープからHDMI4系統入力の8Kテレビがリリースされたのも、幸運でした。このテレビを使えば、別途コンバーターなどをつける必要がないので、製品価格をさらに抑えることができたんです。

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Hyper CUBEの仕組みは、NHKメディアテクノロジーが開発した「同期コントローラー」により4台のBlackmagic HyperDeck Studio 12Gのフレーム同期制御を行い、4台それぞれ8K画面の1/4画面分の4K映像を8Kモニターに出力することで8K再生を実現する。操作も全自動再生が可能。

伊能氏:接続に関しては、同期コントローラーとそれぞれのBlackmagic HyperDeckをRS-422で繋いで制御しているだけなので、とてもシンプルです。展示映像の目的で使うような場所では、技術スタッフがいないことが多いため、誰でも使えるようにすることが必要でした。そのため電源ボタンさえもつけずに、SSDを挿して電源ケーブルを入れたら、自動で再生できるような設計にしました。