Digital Bolex(デジタル・ボレックス)が先月末、製品開発および販売を終了することを明らかにした。デジタル・ボレックスは、同ニュースサイトでも紹介したことが何度かあるが、4年前にキックスターターから始まった、Bolex H16の次世代機という異名を持つデジタルシネマカメラを開発・販売している。フラッグシップモデルの「Digital Bolex D16」は、スーパー16mmサイズのCCDセンサーで12-bit RAW(Cinema DNG)を生成する。

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デジタル・ボレックスの代表、エル・シュナイダー氏は6月28日、公式ブログにて今回の決断までの経緯について投稿している。また現地時間6月30日には、最後のハングアウトをUstreamで行った。

デジタル・ボレックスのD16は、ショートフィルムを含めインディーズ作品や、ちょっとしたフィルムの有機的な表現を加えたいといったテレビ番組、テレビCMなどでよく起用されたカメラだったが、反面そういった小規模ビジネスに対応していくための体力がなくなったとみられる。個人事業者や中小プロジェクトの要望を満たすために最大限の努力を費やしてきたが、少量規模のロットで製造ラインを動かすための資金繰り、そして競合製品の登場による不動在庫への不安等が色々と上がってくる。それら不安材料がいつかは現実となることを恐れ、市場撤退のタイミングを見極めたとみられる。

急な市場撤退の告知は、ファンや既存ユーザー達にかなりの衝撃を与えた。当初、販売は6月30日までと告知されていたが、オンラインへの追い込み購入が殺到。トラフィック障害が発生して購入サイトがダウンしてしまったため、7月4日まで販売を延長している。ボレックスカメラの開発・販売に終止符が打たれたが、同社はデジタル・ボレックスのコミュニティサイトおよび既存ユーザーへのサポート体制は続投するとしている。

(山下香欧)