未来創造科学部のカバーストーリーサイトより。「2015創造経済博覧会」での体験館「仮想現実で歩く石窟庵」

韓国の国家行政機関で科学技術・ICT主管庁である未来創造科学部は、VR観光とエンターテインメント(ゲーム、映像)分野の体験施設を構築するための5つのコンソーシアムを選定し、VRコンテンツの開発を支援すると明らかにした。総事業費は約80億ウォン(政府37億8,000万ウォン、民間マッチング40億ウォン、日本円で約7億円)をかけてVRコンテンツの開発に乗り出す。

今回は、観光とエンターテインメントの分野の事業で公募があった。観光分野は国内の自然観光地、韓流コンテンツなどを介して国内外の観光客が多く訪れる場所で「バーチャルリアリティツアー体験館」を構築する事業である。この観光分野では、地区(ディストリクト)コンソーシアムとKTコンソーシアムという2つのコンソーシアムが選定された。

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地区コンソーシアムでは、済州の海・風景、ソウルの古宮・文化財など、韓国の伝統的な観光資源を素材にしたVR観光・体験コンテンツを開発して、これを済州、ソウルなど、国内外の観光客が多く集まる場所に設置して運営するとしている。VRシミュレータ、拡張現実(AR)ギャラリー、360°バーチャルリアリティツアーなど、様々な展示・体験アイテムを一つの文化・観光ストーリーとつなげ、国内外の観光客に提供することで、新しい体験を提供することができると期待される。

KTコンソーシアムは、K-POPスターをVRコンテンツで製作し、韓流コンテンツや主要な観光スポットをK-POPスターと一緒に仮想体験するコンテンツをリリースする予定だ。さまざまなシミュレーション(フライング、ライド、ウォーキング)を介して実感体験することができるVRコンテンツやシミュレータなどを開発し、東大門・光化門‧水原などで商用サービスをするという計画である。

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VRの分野で需要が最も高いと予想されるゲーム、映像などのエンターテインメント分野では、3つのコンソーシアムが選ばれた。グレープフルーツコンソーシアムは、EBS韓国教育放送の人気キャラクターである「ボンゲメン」の知的財産権を利用して、高品質のバーチャルリアリティのコンテンツを制作、アトラクションと連動して体験施設を運営する予定である。

3Dファクトリーコンソーシアムは、VR、FPSとレーシングゲームコンテンツを開発して、国内でもオーストラリアにあるゼロレイテンシー(Zero Latency)や米国のボイド(The Void)のようなVRコンテンツを楽しむことができる施設にする計画という。関連するユーティリティ+インタラクティブコンソーシアムでは、VRゲームコンテンツを全国のゲームセンターやアミューズメント施設などに設置‧拡散するという。

未来創造科学部からの発表文では、民間事業者が継続的に運営することにより、一定の収益を持続させ、また国内外の観光客が多く訪れる観光地に体験施設を構築することにより、国内観光産業の活性化にも役立つことができるとしている。

(山下香欧)