NewTekは、シリーズ初4K60となる対応のSDI/IPビデオ制作システム「TriCaster TC1」を発表した。4K UHDスイッチング、ライブストリーミング、レコーディング、データドリブン・グラフィックス、バーチャルセット、ソーシャルメディアパブリッシングなど、ビデオ制作フローで必要な機能をすべて網羅したオールインワンシステム。

TriCaster TC1は、システム全体の機能に影響することなく、最大4K UHD 60pを含む16外部入力に対応可能。IPベースワークフローを構成するNewTekのNDITMテクノロジーにより、複数の放送スタジオ向けビデオ通話サービス「Skype TX」チャンネルを、遠隔スタジオとメインスタジオとつなげるように生番組に組み込むことができる。TriCaster TC1の詳細は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

IPが、4Kを実現

NewTekが提唱するソフトウェア主導によるIPネイティブ対応環境により、ベースバンドビデオとの変換の必要なく、かつリソースの数を制限することなく、ビデオ編集からストリーミングまで含むすべての統合された機能を4K対応にすることができます。TriCaster TC1は、ビデオ解像度に依存なく、16入力を利用できます。さらにNewTekのトップラインのIPシリーズも操作性や機能面を損なうことなく、4K UHDの44外部入力に対応します。

「IPビデオは、あたかも未来のシステムで作業をしているように思えます。しかし、一度体験してしまうと、元の作業環境に戻りたくなくなるでしょう。」と、NewTekの社長兼CTO(最高技術責任者)のアンドリュー・クロス博士は説明しています。「従来は組み込めなかった新しい作業方法が実現し、インフラを大幅に簡素化します。放送とインターネット配信のビデオ制作フローを融合し、あらゆる視聴環境へコンテンツを提供することができるのです。」

ライブストリーミングとオンデマンド用コンテンツの公開

オンラインおよびモバイルビデオの急激な増加に伴い、制作側ではビデオをライブストリーミングし、素早く簡単にソーシャルメディアに配信する手段が求められています。TriCaster TC1は、ニュース速報をライブ配信し、オンデマンドで視聴できるビデオクリップを投稿する処理もすべて同時に行えます。TriCaster TC1は、Facebook Live、YouTube Live、Microsoft Azure、Periscope、Twitchといったソーシャルメディアへ直接、ライブ配信できるインターフェイスを持っています。またオンデマンド用のビデオクリップも同じく、TriCaster TC1インターフェイスから直接、ソーシャルメディアサイトへ配信できます。

コンプリートなソリューション

TriCaster TC1は、ビデオサーバを搭載し、自動化マクロ機能、クロマキー、ISOレコーディング、リプレイなど、全てライブビデオ制作に必要な機能を1つのシステムに備えたオールインワンのプロダクションシステムです。TriCasterTC1は単一のシステムで、放送局、スポーツ、e-Sports、教育機関、企業からイベントプロデューサー、デジタルビデオチームといった、高品質の制作とコンテンツ配信を求める環境に応えられるコンプリート・ソリューションです。

Skype TXとインテグレーション

TriCaster TC1とIPシリーズに、新機能としてマルチチャンネルのSkype TXを組み込みました。TriCaster TC1の持つ16外部入力のいずれかを、ライブ放送品質のSkypeビデオ通話用に設定することで、Skypeビデオをライブソースとして扱うことができます。Skype TX側の設定や制御、監視については、Skype TXコントローラーを搭載した外部PCやワークステーションを使って行えるため、TriCaster TC1のオペレーターの作業フローを阻害しません。またSkypeビデオシステム「NewTek TalkShow®」からのSkypeビデオも同じコントローラーで制御することで、一括管理が行えます。

コネクティビティで広がる制作の可能性

TriCaster TC1は、NDIテクノロジーとネイティブに対応し、数百ものメーカーや開発者の互換性のある製品とシームレスにネットワーク接続して、IPベースのエコシステムを実現することができます。TriCasterTC1にIP接続されたサードパーティ製品は、ネットワーク内の全てのNewTekプロダクションシステムともつながり、更なるIPプロダクションの可能性を広げます。

NewTek Connectライン

TriCaster TC1の本体オンボードSDI入出力に加え、NewTek Connectラインと組み合わせることで、必要に応じて物理的なSDI接続を設定することができます。NewTek Connectラインは、SDIからIPビデオ変換およびI/Oチャネル拡張、4K UHD接続、IP相互運用性、ビデオ録画、モニタリング、スコープなど多彩な機能を備えており、4系統のSDI入力を持つ「NC1 IN」モジュール、および8系統のSDI入出力を持つ「NC1 I/O」モジュールが揃っています。NC1 I/Oは、クワッドリンク3G-SDI接続することで、2チャンネルの4K UHDビデオ出力ができます。

冗長電源&制御パネル(オプション)

TriCaster TC1システムは、標準モデル(2RUユニット、単一電源)、および冗長電源を備えた3RUユニットの2モデルが揃っています。また用途に合わせて、2モデルのコントロールパネルが揃っています(オプション)。

■TriCaster TC1の主な機能

  • 4K UHD(ビデオフォーマット最大2160p60)のスイッチング、ストリーミング、レコーディングをサポート
  • 16外部入力(SDI、NDI、IP、またはSkype TXの組み合わせ)
  • 4 M/E(ミックス、キーレイヤー、バーチャルセット、コンポジットなどをサポート)
  • マルチチャネルISOレコーディング(ポスト用にフル解像度QuickTime®およびH.264ファイルに変換)
  • Facebook Live、Microsoft®Azure®、Twitch、YouTubeTMLiveなどへのデュアルチャンネルライブストリーミング
  • Facebook、Imgur、LinkedIn、Twitter、Vimeo、YouTubeなどのソーシャルメディアへリアルタイムエクスポート
  • 再生、リプレイ、ライブ編集が可能なビデオサーバを搭載
  • パワフルな制作オートメーション機能(カスタムマクロコマンド、フルモーション合成、柔軟なコントロールオプション)
  • カスタムマクロコマンド、洗練されたフルモーション合成、柔軟な制御オプション
  • マルチソース対応オーディオミクシング、プロフェッショナルDSP、4x4x4チャンネルルーティング
  • マルチバスミックスエフェクト、アニメーションタイトルとトランジション、高度なクロマキー、ライブバーチャルセットなど、優れたクリエイティブ機能を搭載
  • PTZカメラコントロール、4x4x4オーディオマトリックスルータとミキサー、DANTE/AES 67、アニメーションバッファなど、ビデオ制作効率を最大限に高める100以上のオペレーション機能

なお、TriCaster TC1は、2017年4月22日から27日(米国時間)の期間中に米国ラスベガスで開催されるNAB2017の同社ブースに展示予定(サウスホール/SL5016)。