Blackmagic Designの発表によると、日本映画大学が過去の学生映画作品などのアーカイブにBlackmagic Cintel Film Scannerを使用しているという。

日本映画大学は、今村昌平監督が1975年に開校した横浜放送映画専門学院から始まった。現在でもフィルムカメラを使った実習を行う映画学校のひとつであり、40年以上に渡る歴史の中で学生たちの残したフィルム作品は300本以上にのぼる。同学の専任講師である若林大介氏は次のようにコメントしている。

日本映画大学 専任講師 若林大介氏

若林氏:以前は、年間10本から20本のフィルム作品を作っていました。現在はフィルム撮影の制作においても、ほぼ最終的にはデジタルで仕上げていますが、これまで撮りためたものをきちんと残すためにデータアーカイブの必要性を感じていました。また、これまで使っていたテレシネ機が故障して修理もできない状況でしたので、どうせならフィルムスキャンができるものがいいと考えて調べていましたが、なかなか手が出るものがありませんでした。

そんな時に、Blackmagic DesignがCintelを買収したニュースを聞き、発売してすぐ導入を決めました。あの価格でフィルムスキャナーを導入できるメリットは大きいですね。当学では、これまでにもDaVinci ResolveなどのさまざまなBlackmagic Design製品をすでに導入しています。DaVinci Resolveは、Cintelを操作する際に使うソフトウェアであるため、すでにインターフェースに慣れている点は、Cintelを導入するうえでも安心感がありました。当学では16mmフィルム素材が多いため、Blackmagic Designの16mm Gateをつけてスキャンしています。スキャンされた画質も十分なクオリティを保っていると感じます。

同学では、Cintelの他にもDeckLinkシリーズやDaVinci Resolve、Fusion、UltraScope、SmartScope Duo 4K、Audio Monitor、Teranex 3D Processorといった製品を導入している。Cintelでスキャンしているフィルム素材だけでなく、BetaCamテープ、VHS、DVDなどのビデオコンテンツも多く残っており、それらはすべてSD解像度であるため、Teranex 3D Processorを使ってアップコンしHD化してアーカイブも行っている。

若林氏:Blackmagic Design製品は、シンプルさがいいですね。当学の機材周りは選定やセッティングも含め、私が担当していますが、フィルムスキャナーのような機材を自分で設置できるというのは、以前では考えられませんでしたから。また、ソフトウェアの更新が早い点も助かっています。使っていて、ここがこういう風に変わるといいな、と考えていると、次のバージョンでそこが改良されていることがよくあります。そういったユーザーのフィードバックに対してのレンポンスの速さも魅力です。