Blackmagic Designの発表によると、ITN Productionsが12G-SDIをコアネットワークとしたBlackmagic Designのソフトウェアおよび製品を導入し、ポストプロダクションのアップグレードを行ったという。

ITN Productionsのポストプロダクション設備はセントラルロンドン本社内に所在している。50以上の編集スイートを備えた施設として、ITNのクリエイティブ/CM部門のビデオのポストプロダクション作業において活躍しているという。既存のITN Productionsのポストプロダクション設備がフル稼働であったことから、設備の拡大とアップグレードが決定し、スペースの関係で地下に設置されることになった。同社ポストプロダクション部門長オリー・ストラウス氏は次のようにコメントしている。

ストラウス氏:クリエイティブな分野における需要や番組のフォーマット数が増え続ける中で、より柔軟性の高い設備が必要になったことが今回のアップグレードの主要な要因です。加えて、4KやUltra HD放送も扱えるようにする必要がありました。

解決策として、12G-SDIを基盤に、信号の管理にBlackmagic DesignのSmart Videohub 40×40ルーターを使用した設備を構築した。

ストラウス氏:SDIの代わりにIPの導入も検討したのですが、業界共通の基準について未だに流動的であることから時期尚早だと判断しました。Blackmagic Designの製品と12G-SDIを基盤とした設備を構築することで、Ultra HDに対する需要を満たすことができ、価格の面でも経営的に理にかなっていると考えました。

12の新しい編集スイートで送信(TX)信号と受信(RX)信号を扱うため、シングルリンク12G-SDIを使用することでケーブルの量を通常の1/4に抑えることができました。また、将来的なIPへの移行を踏まえ、ファイバーも同時に装備しました。

インフラではTeranexスタンダード/フレームレート・コンバーターがワークフローの一部に組み込まれ、DaVinci Resolve Studioで行われたオンライン編集やグレーディングの確認が可能となった。

ストラウス氏:Teranex Expressを2台、ルーターに接続しました。これによりポストプロダクションのあらゆる段階で、柔軟性が得られるようになりました。また、リアルタイムで処理ができる点も気に入っています。

ITNはロビーにビデオウォールも設置したため、ピクチャー・イン・ピクチャーの実行が可能なシステムが必要となった。これに対応するため、同氏はBlackmagic MultiView 4およびMultiView 16を組み込んだシステムを導入した。

ストラウス氏:マルチビューアをルーターにデイジーチェーン接続しました。これにより、4枚のスクリーンをそれぞれ16分割でき、その16分割画面にあらゆるパターンで信号を配置できます。

弊社の事業は急激に拡大しています。技術的に優れ、性能を実証済みの設備で、時代の流れに合わせ、技術的な支援が行えることは非常に重要です。12G-SDIを導入することで、近い将来扱うことになる高フレームレートのUltra HDに対応できる余裕がインフラに得られました。12G-SDI対応のBlackmagic Designの製品を使用することで、インフラの構成機器が1社に由来するので、組み合わせて使用する上で非常にスムーズに機能します。