Blackmagic Designの発表によると、Goldcrest Postがフィルムの修復プロジェクトでBlackmagic Cintel Film Scannerを使用し、Goldcrest Filmsの作品をUltra HD 4Kでスキャンし、2Kでリマスタリングを行ったという。

「ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー(1985年)」、「ビギナーズ(1986年)」、「白い炎の女(1987年)」などを含む、Goldcrest Filmsの16作品のリマスタリングの指揮をとったGoldcrestの最高技術責任者ローレント・トレハーン氏は次のようにコメントしている。

トレハーン氏:OTTサービスが増加する中で、高品質のフィルムからのコンテンツに対する需要も高まっています。

4Kでのコンテンツを希望するクライアントの要望を満たすだけでなく、Blackmagic Cintel Film Scannerを使用することで、Goldcrestグループ内での修復ワークフローの維持も可能になったという。

トレハーン氏:修復作業では常に何らかの問題が起こるものですが、今回のプロジェクトでも多くの困難が伴うことを事前に予期していました。これには適切なソースの特定、ダメージの修復、カラーグレーディングや色反転用の参照画像の特定、今の時代に見合ったフォーマットへのオーディオファイルの変換などがありました。Blackmagic Designの製品は多才でスピーディなので、これらの問題に対処する上で助かりました。

Blackmagic Cintel Film Scanner専用のDaVinci Resolveワークステーションが設けられ、この単一のワークステーションによる独立したパイプラインを使用することで、Goldcrestのデジタルインターミディエイト作業に影響を与えずに作業が行えた。フィルムの検査およびクリーニングはラボで行われ、その後各リールは専用の高速ストレージボリュームに4Kでスキャンされ、最終的に2Kにするためにコンフォームとフレーミングの再調整が行われた。

ダストやノイズ除去の後、取り込んだファイルはDaVinci Resolve Studioでグレーディングされ、その後アーカイブ用にDSM、納品用にHDでレンダリングされた。

トレハーン氏:フィルムコレクションの配給条件がHD ProRes HQ 42なので、納品にはこのフォーマットを使用しました。しかし多くのクライアントがUltra HD 4Kを検討し始めているので、将来的なセールスを考慮に入れると必要不可欠な要件です。

同氏によると、Blackmagic Cintel Film Scannerの性能はプロジェクトの開始当初から、その実力を大いに発揮し、特にネガフィルムのスキャンが優れていたという。

トレハーン氏:最も感動したのはネガフィルムのスキャン時のパフォーマンスの優秀さです。他のスキャナーならフィルムが蛇行してしまうような場合でも、Blackmagic Cintel Film Scannerは問題なくスムーズにフィルムが流れていきます。おかげで多くの時間と費用が節約できました。通常のワークフローでは問題を修正するために、ショットのスタビライズを数多く行う必要があります。

Goldcrest Postのパトリック・マローン社長は次のようにコメントしている。

マローン社長:Blackmagic Designの製品を使ったスキャン、コンフォーム、グレーディングは非常に明快で柔軟性に富み、低コストでリマスタリングが行えます。1台のBlackmagic Cintel Film Scannerを使ったシンプルな作業でも、別のスキャナーと共に使用しても円滑に作業できます。一部の35mmフィルムはスキャンする上で問題が生じるだろうと思っていたのですが、結果として得られたディテールの素晴らしさに感動しました。またネガとプリントフィルムのいずれでも、Ultra HDでのスキャンの速度と品質はとても優れていますね。