Blackmagic Designの発表によると、Roker Labsのライブストリーミングのワークフローに、Web Presenter、HyperDeck Studio Mini、ATEM Television Studio HDが使用されているという。Web PresenterはRoker Labs Live、およびデジタルライフスタイル・エキスパートのマリオ・アームストロングの「Never Settle」ショーなどに使用された。

Roker Labsは、メディアとイノベーションに焦点を絞り、ストリーミング技術のテスト、新しいストリーミングフォーマットの開発、様々な主要プラットフォームで次世代的のインタラクティブな体験を可能とするコンテンツを制作。同社は、料理、エンターテインメント、テクノロジー、科学番組などのライブストリーミングを多数行っている。

Roker Labsのライブストリーミング技術監督であるベン・ラトナー氏は、同社のメインの技術者兼デザイナーを務めている。Rokerの番組は、それぞれ極めて異なる技術を使用しており、Roker Labsで撮影/ストリーミングされている番組もあれば、ニューヨーク市周辺の様々なロケ地からの番組もある。多くの場合、ラトナー氏が単独で撮影/ストリーミングを行っているので、機材は小型で持ち運びやすく、使用方法も簡単であることが欠かせないという。

Roker Labs Liveはライブストリーミング業界における最新情報を配信する番組。毎回、エキスパートやセレブのインタビューを放送しており、「American Ninja Warrior」のホストであるマット・アイズマンや、ストリーミング、メディア、テクノロジーの分野における重要人物と様々な会話を繰り広げている。Web Presenterは各エピソードで、番組のゲスト用のリターンフィードの管理、およびプロデューサーがリモートでスタジオでの制作の状況確認を行う際に使用されている。

ラトナー氏:Web PresenterはRoker Labs Liveのストリーミングにおいて欠かせない要素です。スタジオに行かなくても、世界各地からリアルタイムの入力を確認できるのでプロデューサーからとても好評を得ています。例えば、最近サタデー・ナイト・ライブのサシーア・ザメイタのインタビューをニューヨークで撮影したのですが、ロサンゼルスのプロデューサーはWeb Presenterのフィードを使うことで、この重要なインタビューをリアルタイムでモニタリングできました。

マリオ・アームストロングの「Never Settle」ショーでは、SkypeでのライブストリーミングにWeb Presenterを使用した。「Never Settle」はニューヨーク市のスタジオで公開生放送されているトーク番組で、観客だけでなく、オンラインの視聴者も参加できるスタイルを取っている。番組開始前の構想段階で、アームストロング氏は制作会議に様々な視聴者を呼び、番組の形式を決めるためのアイデアをクラウドソーシングした。Web Presenterは、これらのクラウドソーシング会議で多様な機器からのフッテージを720pビデオに変換するために使用され、会議の意見を反映した最終的な番組はHyperDeck Studio Miniで収録された。

ラトナー氏:Skypeでの「Never Settle」は、ストリーミングを行う上で普段からどのような準備を行っているかを示す良い例です。セットアップは極めてシンプルで、ラップトップにWeb Presenterを接続し、様々なソースからのビデオを720pに変換しました。今までで最も簡単に、コンピューターに高品質のビデオを送信できました。初めて使った時から、毎回完璧に機能しています。

HyperDeck Studio Miniを使用することで、イベント終了直後にクライアントにSDカードで収録データを手渡せた点も良かったですね。通常は数時間かけてインターネットにアップロードするのですが、SDカードを手渡すだけなので作業が楽になりました。クライアントも心から満足していました。

フリーランスのストリーミング監督でもあるラトナー氏は、Roker Labsの仕事以外にもWeb Presenter、HyperDeck Studio Mini、ATEM Television Studio HDを使用している。先日、天体物理学者のニール・ドグラース・タイソン博士の番組制作に、ラトナー氏はATEM Television Studio HDを使用した。タイソン博士のポッドキャスト「StarTalk Radio」では、世界各国の科学教育者とのコラボレーションを行っている。

ラトナー氏は単独でこの撮影を行い、ストリーミング用のラインカットのために、3台のカメラをATEM Television Studio HDに接続し、ラップトップで追加的にプログラムフィードを収録した。また、同時に3台の各カメラにより独立した収録も行われた。

ラトナー氏:この撮影は、一人で全てを取り仕切る必要がありました。また、この時初めてATEMを使ったので、3台のカメラの撮影に加えて、全く新しい機材の操作というチャレンジがありました。ATEMは必要なものが、すべて手元にあるので本当に助けられました。フロントパネルですべてのスイッチ機能を操作できる点が、新しいモデルの最も気に入っているところです。この撮影は一人で行ったので、ATEMに搭載されているマルチビューには本当に救われました。

撮影における、これら3つのBlackmagic Design製品の登場回数は日に日に増えていて、私たちが行っているような短いストリーミングに最適の万能選手だと思っています。