SIGGRAPH2006 現地レポート(2/3)

HOME  >  SPECIAL  > SIGGRAPH2006 現地レポート(2/3)

Special

SIGGRAPH2006 現地レポート(2/3)

2006-07-30 掲載


Nextengine

米Nextengine社では、独自MultiStripe Laser Triangulation (MLT)技術を起用した、3Dスキャナ(モデル2020i)を展示会で初めて公開している 。2個の3.0メガピクセルの CMOS RGBイメージセンサーが搭載された3Dスキャナーは百科事典サイズのコンパクトなデスクトップ型で、USBでPCと接続され、オブジェクトをキャプチャする「AutoPosioner」と「PartGripper」を組み合わせた台にターゲットのオブジェクトを設置し、0.005インチの誤差でデータを取得する 。1つのオブジェクトのスキャンは、50000プロセスポイント/秒スループットで、約2分程度で行える、という。データのサーフェイスは、高精度なジオメトリのRGBカラーテクスチャで反映され、またビルトインされたライティングアレイにより、イルミネーションは自動に取り除くことができる。

解像度は、最高400DPIまで、OBJ,VRML,STLやU3Dファイルとして出力できる。各ファイルサイズは、約30MBくらいで収まるという。これだけのハイスペックを提供する3Dスキャナーだが、価格は、US2495ドル 。既に米国内では、発売を開始している。

MOVA LLC

米MOVA LLC社では、次世代型のフェイスモーションキャプチャの「Contour」を展示している。通常、精密なフェイスモーションデータを取得するためには、マーカーをつけるが、このContourでは、特別なメーキャップパウダーをモデルの顔につけて行う 。マーカーだけだと、そのつけたポイントからのデータしか取得できないが、顔のメーキャップするようにつけたパウダーならば顔サーフェイス全体を取得することができ、しかも解像度200,000 ピクセルでキャプチャするため、モーションだけでなくそのモデルの特徴(表情)までも取得できる 。よって、ダブリングを生成するのと同じ役目を果たす。ただし、眉毛や髭などもキャプチャできるが余り自由度がない。また、目玉や口の中のようにパウダーをつけることができない部分はキャプチャできない 。現在、MOVA社では、歯にもパウダーをつけられるようにプラスティックの歯型をつくる予定もある。キャプチャしたデータは、Viconのほか、市場に認知されている3Dソフトウェアに対応している 。出荷は今年末を予定している。映画監督のデビッド・フィッシャー氏は、Contourを高く評価し、氏の次作品「The Curious Case of Benjamin Button」(ブラッド・ピット主演)に起用する予定と聞いている。MOVA社はカリフォルニア・サンフランシスコのチャイナ地区に4000スクエアサイズのモーションキャプチャスタジオを持っている。

Point Grey Reseach

デジタルカメラ技術を開発、販売している加Point Grey Reseach社では、昨年のSIGGRAPHで展示した天体イメージカメラシステムに引き続き、近日ローンチした、「Flea2」と「Scorpion」を出展、デモンストレーションしている 。「Flea2」はSONYのCCD(1/3インチサイズ)を起用した、超コンパクトなイメージトランスミッションで、IEEE1394b経由で800Mb/sの帯域でフルフレームの高解像度なXVGAイメージを30FPSでキャプチャ、転送することができる 。データは24ビットまで対応。「Scorpion」は、SONYのCCD(ハーフインチサイズ)を起用したIEEE1394 bに対応したカメラプラットフォーム。12ビットまで対応 。トリガーやストロボやI/OはSDKでプログラマブルに搭載することができる。

デジタルビデオシステム

独デジタルビデオシステム社(DVS)では、DIソリューションのCLIPSTERを2セット用意してデモンストレーションを行っている。CLIPSTERは、インターメディエイト・ソリューションに位置づけられた、非圧縮のSD/HD/2K/4Kフォーマットをコンフォーミング、カラーリングするDIワークステーション編集システム 。カラーグレーディングをはじめ、編集、クロップ、ズーム、パンなどがリアルタイムで可能で、フォーマットの混合も1つのタイムライン上で対応できる。標準の HD-SDI デュアルリンクのインターフェイスが搭載されており、テレシネなどの2k解像度のビデオは、HSDL経由でキャプチャすることができる 。また、DVSでは独自のRAID5のSANストレージ(DVS-SAN)を持ち合わせており、DVS-SAN は、CLIPSTER、または当社のディスクレコーダPronto2K.2/ProntoHDとのオプチマイズ化がされているので、これら製品と、他の編集システムやニアラインストレージと一緒にセントラルサーバとしての位置づけで構築することができる。

ARTVPS

独自チップ開発とレンダリング・ソリューションを提供している英ARTVPS社では、最新のレンダーサーバ「AR500」と、ネットワーク・レンダーシステム「RenderDrive 6400」を展示している。AR500の出展は初めての試み。モジュール形式になっており、レンダーサーバ部分はフル1Uシャーシで、AMDのデュアル・オプテロンプロセッサと250GB HDDが搭載されており、これにハーフラックサイズの「RayBox」を必要な数だけ組み合わせて1システムを構築する形式になっている。このRayBoxに組み込まれているレイトレーシング用レンダーチップが当社独自開発のサードジェネレーションの最新レイトレーシング用プロセッサAR500で、最新のレンダーサーバは、「RenderDrive」シリーズのアップグレードシステム的な位置づけになる。独自プロセッサは、RenderManシェーダ言語を直接サポートしているため、カメラやライトシェーダなど新しいマテリアルを追加することができる、という。レンダーサーバは、64bitのメンタルレイ(スタンドアローン)と3ds Max、Mayaシェーダをサポートしており、RayBox側では、RenderPipeという、3dxMax、MayaやVIZ、Dassultの全てのプラットフォームバージョンをサポートするプラグインが用意されている。これにより、フォトリアルスティックなモデルを迅速にレンダリングすることができる。RenderDrive 6400は1台のドライブユニットで最高48個の前世代のレイトレーシング・プロセッサ「AR350」を搭載することができ、これを最高8台まで接続することができる。最高出力解像度は16k x 16k。日本での発売も代理店を経由して検討中。

AMD

AMDでは、各パートナーのハードウェアベンダーの最新のシステムを展示、デモンストレーションを行っている。例えば、米IBM社では、AMD Opteron プロセッサを採用したブレードサーバを紹介、米サンマイクロシステムズでは、64ビット対応のSun UltraークステーションやAMD Opteron プロセッサを採用したSun FireX6400サーバを展示、また、米Angstrom社では、AMD Opteron プロセッサを採用したTitan64シリーズをラックに搭載したTitan64 Classicサーバを展示している 。このTitan64は、52ブレードに208 プロセッサを積んでおり、13ブレードで1つのホスティングがされて4クワドラ・システムがラックに構築されている。また、米マイクロソフトからは、XBOX360が2台、自由にゲームを楽しんでもらえるよう展示してある。

BOXX

デジタルメディア用のハードウェア構築と技術を提供している米BOXX社では、新製品64ビットワークステーションを並べ、各ソリューションをテーマにしてサポートするアプリケーションの親和性、迅速性のデモンストレーションをしている。 そして特に今回は、AMD Dual Core Opteron 800 プロセッサを4個積んだAPEXX 4、IntelR Dual Core Xeon 5100プロセッサを2個搭載した、3DBOXX 8300を前面にアピール。 APEXX 4は、プロセッサを8個、最大128GB.までメモリ拡張が可能で、まさに2K解像度のリアルタイム再生のニーズを必要としているDI環境に適応するワークステーションといえる。 グラフィックスカードは、NVIDIA社Quadro FX 5500か、ATI社の FireGL 7350から選択できる。 ストレージは7.5TB まで。 3DBOXX 8300のストレージは5TB まで対応でき、ホットスワップ式の500GBのハードディスクを搭載することができる。 グラフィックカードは、nVIDIA社QuadroR FX か ATI社 Fire GL がオプションで選択できる。 3DBOXX 8300のベース価格は、米3215ドル。 ブースでは、APEXX 4にAutodesk社のMaya 、3ds Maxやコンポジットアプリケーションを搭載、また、3DBOXX 8300にはSGI社のPixel Fusionを搭載してデモンストレーションをしている。


[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2006-07-30 ]
[ TAG : SIGGRAPH ]

この記事に関連する記事一覧

[SIGGRAPH2010]Vol.08 将来のゲームアニメーションを予見するアニメーション技術の論文発表

[SIGGRAPH2010]Vol.08 将来のゲームアニメーションを予見するアニメーション技術の論文発表

Txt:金久保哲也 Vol.02でもお伝えした通り、規模の縮小が感じられる今年のSIGGRAPHだが、技術トレンドに関していくつかの新たな傾向が見られた。そのひとつにテクニカル・ペ .... 続きを読む

[SIGGRAPH2010]Vol.07 Computer Animation Festivalから見えてくるトレンドとは?

[SIGGRAPH2010]Vol.07 Computer Animation Festivalから見えてくるトレンドとは?

Computer Animation Festivalの新潮流リアルタイムCG CG(コンピュータグラフィックス) とインタラクティブ技術の学会・展示会である SIGGRAPH で .... 続きを読む

[SIGGRAPH2010]Vol.06 今年で20周年を迎える3ds Max関係者に独占インタビュー

[SIGGRAPH2010]Vol.06 今年で20周年を迎える3ds Max関係者に独占インタビュー

text :PRONEWS特別取材班 今年で20周年を迎えた3ds Max。PC初の3Dアプリケーションとして産声をあげ、今日に至るまでの功績を、オートデスク メディア& .... 続きを読む

[SIGGRAPH2010]Vol.05 Exhibition展示会場を覗いてみれば...

[SIGGRAPH2010]Vol.05 Exhibition展示会場を覗いてみれば...

Txt:安藤幸央 SIGGRAPH 展示会編 SIGGRAPH は学会でありながらも、機器展示 (Exhibition) も併設されている。リーマンショック以降、ブースの規模や数は .... 続きを読む

[SIGGRAPH2010]Vol.04 今年の研究論文成果ピックアップ

[SIGGRAPH2010]Vol.04 今年の研究論文成果ピックアップ

Txt:安藤幸央 研究成果が実務に生かせるようになるまでには? コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の SIGGRAPH、本分は学会であり、華やかなイベントの中で、論 .... 続きを読む

[SIGGRAPH2010]Vol.03 本日よりExhibitionスタート!小粒でも盛り上がる会場

[SIGGRAPH2010]Vol.03 本日よりExhibitionスタート!小粒でも盛り上がる会場

Txt:金久保哲也 SIGGRAPH初日から3日目。Exhibition(展示会)も今日から始まり、これからが来場者も増えて賑やかになってゆく。そんなSIGGRAPHの会場の様子を .... 続きを読む

[SIGGRAPH2010]Vol.02 Electronic Theater開催。3Dでの上映プログラムも

[SIGGRAPH2010]Vol.02 Electronic Theater開催。3Dでの上映プログラムも

Txt:今間俊博(首都大学東京) 今年はお馴染みロサンジェルスで開催!開催時は旗などで装飾されてきた会場のLACC。今年は、そういった装飾が何も無く、外観だけではSIGGRAPHを .... 続きを読む

[SIGGRAPH2010]Vol.01 いよいよSIGGRAPH2010開催!

[SIGGRAPH2010]Vol.01 いよいよSIGGRAPH2010開催!

Txt:安藤幸央 良質の映像が勢揃い Computer Animation Festival (SIGGRAPH2010) 世界最大のコンピュータグラフィックスの学会・展示会であ .... 続きを読む

SIGGRAPH2008 現地レポート

SIGGRAPH2008 現地レポート

コンピューターグラフィックの最新技術が結集する、「SIGGRAPH(シーグラフ)」の第35回目が8月11日から15日の6日間、米カリフォルニア州のロスアンジェルスで開催された。S .... 続きを読む

SIGGRAPH2008 現地レポート(2/3)

今年は日本人のゲストスピーカーも 特別講演(Featured Speakers)は、今年は3名の方が招かれた。初日に登壇したのは、ウォルト・ディズニーとピクサー・アニメー .... 続きを読む

USTREAM生放送番組

PRONEWS Lounge
テーマに沿ったゲストを招き、対談・ディスカッションなどを特設会場より生放送。過去放送分も視聴できます。

特集記事

CES 2012レポート
世界最大級の家電見本市CES2012の現場から、PRONEWSならではの切り口でレポートをお届け。
PRONEWS AWARD 2011
2011年を振り返りつつ、2012年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。
Inter BEE 2011 スペシャルレポート Inter BEE 2011スペシャルレポート
千葉幕張メッセにて開催されるInterBEE2011。PRONEWSでは今年もInterBEEのオフィシャルメディアパートナーとして、様々なコンテンツをお届け!
Inter BEE 2011の歩き方 Inter BEE 2011の歩き方
最小限の力で最大の効果が得られるInterBEE2011のおすすめの歩き方を、目的に合わせたコースごとに紹介する。
CEATEC JAPAN 2011 CEATEC JAPAN 2011
10月4日(火)から10月8日(土)まで幕張メッセにて開催される最先端IT・エレクトロニクス総合展 "CEATEC JAPAN 2011"をプロの視点からレポートする。
Movie Maker's GIG in Europe Movie Maker's GIG in Europe
オランダ・アムステルダムで開催されたIBC2011レポートを中心に、新たに湧き起こって来た映像技術における次世代の新テーマなど、現場から伝わって来たその温度感をレポートする。
PRONEWS課題図書 PRONEWS課題図書
2011年の夏の終わりに、あらためて「映像」に関わるものとして「映像」について考え、新解釈を探る事にした。
SIGGRAPH2011 SIGGRAPH2011
CGの祭典「SIGGRAPH」が8月7日から11日の5日間、カナダ・バンクーバーで開催された。受賞作品を映像と共に紹介する。
Stereoscopic 3D 第4章 Stereoscopic 3D 第4章
1年ぶりの3D特集。この間に3Dを取り巻く状況はどのように変化しただろうか?押さえておくべき3Dの基礎を考えつつ、2011年の3Dを再考してみる。
Movie Maker's GIG in Hollywood Movie Maker's GIG in Hollywood
セッション(GIG)感覚で映画が創れる時代の潮流をハリウッドではどう捉えているのか?CineGearExpoの情報もお伝えしつつ、次世代のプロ映像制作者像を追い求める。
Master Mind Camera 2011 Master Mind Camera 2011
今必要な理想のカメラを追求しつつ、カメラを使う人と機能から紐解いていく。
NAB2011 NAB2011 スペシャルレポート
4月11日から米ラスベガスにて開催された世界最大の放送機器展「2011 NAB Show(NAB2011)」。毎年恒例のレポート特集を現地よりお届け。
USTREAM最終案内+ USTREAM最終案内+
奇しくも、今回の震災でのライブメディアが活躍する事になった。3.11以後USTREAMをはじめとするライブメディア/ソーシャルメディアのあり方を今一度取り上げてみたい。
ファイルベース新時代 ファイルベース新時代
ファイルベースの進化は、VTRの進歩とともに現在に繋がってくる。1950年代に開発されたVTRを起点にその流れを簡単にさかのぼってみよう。
Into the Lens
『CP+』における取材を通じて、2011年のプロ映像界におけるレンズの世界最新事情や表現者たちの最新機材での挑戦を追う。
CES 2011レポート
世界最大級の家電見本市CES2011の現場から、PRONEWSならではの切り口でレポートをお届け。
PRONEWS AWARD 2010
2010年を振り返りつつ、2011年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。
Inter BEE 2010スペシャルレポート
千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2010のレポート記事や動画を掲載。
Inter BEE 2010の歩き方
目的に合わせたInterBEE2010の歩き方を紹介する。
映像品質検証 -VQC-
デジタル映像全盛の今、問われる映像品質検証の現状とは?
DSMC/DSLR 2010 #2
現場感覚におけるDSLRの現状の捉えられ方を取材してみた。
Stereoscopic 3D 第3章
ステレオスコピック3Dの具体的な制作方法を考えていく。
Ustream最終案内
Ustreamの世界の可能性を実際に現場で活躍する人々から探ってみた。
Digital Cinematography 2010
Cine Gear EXPOの様子などから、これからのハリウッド映像制作の方向性を紹介する。
Stereoscopic 3D 第2章
関心が高まっているステレオスコピック3Dコンテンツの制作について整理していく。
DSMC・DSLR 2010
CP+のレポートを中心に、2010年のDSMC/DSLRの動向について考察していく。
ファイルベース収録カメラ最新案内
ファイルベース収録カメラを選択するための基準や基礎知識等を、レビューを交えて考察する。
Transcode
ファイルベース・ワークフローの普及と共によく目にするようになったトランスコードについて整理する。
映像新時代2010
2010年の映像制作の潮流を様々な方面から予想していく。
稲田出のトレンド100選
InterBEE2009で見た2010年注目100アイテムを紹介。
PRONEWS AWARD 2009
2009年を振り返りつつ、2010年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。
Inter BEE 2009スペシャルレポート
千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2009のレポート記事やブース動画を掲載。
Inter BEE 2009の歩き方
目的に合わせたInterBEE2009の歩き方を紹介する。
最新映像制作ワークフロー VFX 2009
最新映像制作ワークフローの中から、制作効率を改善していくヒントを探す。
オンボードライト特集 Light House
新時代を予感させるLEDを中心にオンボードライトを解剖する。
立体視映像特集 Stereoscopic 3D
再び脚光を浴び始めているステレオスコピック3D制作に焦点を当てる。
REDワークフロー特集 RED flow Now
RED ONEの最新ワークフローを考える。
4Kデジタルシネマ特集 4K Ready!
RED ONEの登場で一気に注目されつつある4K映像とは?
デジタルサイネージ特集デジタルサイネージ2009
急速な広がりを見せるサイネージメディアを紹介する。
ワークフローの鍵を握るMXF
MXFファイルを活用する現場を取材し、制作ワークフロー全体に広がるMXFを紹介する。
フルデジタル制作移行、その課題と展望
フルデジタル制作環境に向けて乗り越えなければならない課題と、その先の可能性を紹介する。
2008年総括:これからの映像業界
2008年の売れ筋を見ながら、人気機材の動向を振り返ってみる。
次世代収録環境へのアプローチ
2008年のカメラ環境を踏まえ、次世代環境に必要なものを考える。

HOME  >  SPECIAL  >  SIGGRAPH2006 現地レポート(2/3)