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SIGGRAPH2006 現地レポート

2009年10月14日 更新 (2006年07月30日 掲載)

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SIGGRAPH2006 現地レポート

33回目の世界最大級のコンピュータ・グラフィックスの祭典、「SIGGRAPH」(シーグラフ)が7月30 日から8月3 日まで、米国マサチューセッツ州ボストンで開催された。SIGGRAPHは、1947年に創立された全米コンピュータ機器協会(ACM)の分科(Special Interexted Group)組織の一つ。もともとは学会発表の場であったが、現在は、コースセッションのほか、さまざまなテーマの展示会場も設けられ、3DCGソフトを中心に、映像編集やアニメーション作成/編集ソフト、映像編集機器といった、専門的・技術的な関連ハードの展示も行なわれる。 また展示会場はリクルートの場として、 Pixar、ILM、WaltDisney、PDI/Dreamworks、 Sony Pictures や Rhythm and Huesといった、大手CGプロダクションもブースを設け、作品を通して次なるプロジェクトのスタッフを募集する。

SIGGRAPHは、30年以上の長い歴史を持つ、コンピュータ・グラフィックス市場の一大イベントとして認知されてきたが、2000年代になってから、この規模は縮小の傾向にある。今年は初めてのボストン会場にて、入場者はロスアンジェルスで開催された最高ピーク(1999年 42,690人)に比べ19,764人と、半分以下の規模になった。 3DCGに関したものならば何でも会場に並んでいた黎明期からはとんと落ち着き、過去大きなブースを構えていたハード・ソフトメーカは共々飽和点に達してしまった。

以前はメイン・エントランスをくぐると、目の前に壮大なスケールで展開を見せていたワークステーションの老舗、米SGI(シリコングラフィックス)社や米サン・マイクロシステムは、既に姿を消している。また、エイリアスはオートディスクに吸収されてしまった。数年前のSIGGRAPHのテーマだった「Convergence」の通り、収束しつつある。市場の動向により様変わりしたSIGGRAPH。市場の傾向を追いつつ、今年のイベントをレポートする。

Reported by ザッカメッカ・山下香欧

BlueArc Corporation

ハイエンド用ネットワーク・ストレージを開発、販売している、米BlueArc Corporationでは、Titanネットワークストレージシリーズを展示している。TitanファミリはBlueArc唯一の製品で、リズム&ヒューズをはじめ、BBC、E!エンターテインメント、ターナースタジオ、The Millなど、20箇所以上の規模の大きいCGプロダクションの導入実績を持っている 。またSiggraph開催期間には、夏公開映画ほとんどのタイトルのSFXを受注したCIS Hollywood からもTitan 2000を採用する決定のプレス発表がなされた。夏の映画エフェクト制作の受注を一挙に受けたCIS Hollywoodでは、緊急にスタッフ増員をしたこともあってレンダーファームが300ノードにも増え、一日辺りの平均増量データが、既存の倍の1テラにまで増えたという。

Titanファミリの主力、Titan2000は、「Titan 2100 Storage System」と「Titan 2200 Storage System」』あり、毎秒10万オペレーションの最大処理速度が可能であるという。4Uのシャーシに、必要な4つのモジュール(各1Uサイズ)を搭載するモジュラー形式になっている。Titan 2100ではスループットが5Gbps で、最大256テラバイトまで拡張可能、またTitan 2200 の方はスループットが10Gbps で、単一のファイルシステムを最大512テラバイトまで拡張でき、ファイル共有プロトコル(CIFS/NFS)により、複数のホストからのファイル共有を実現する。Titan2000ファミリは、ギガビットイーサネットポートを6ポートと、4ギガビットの Fibre Channel ポートを4ポートまで装備している。また、Titan システム間のクラスタ・インターフェースとして10ギガビットのイーサネットを備えている。ストレージはRAID0で、各ドライブはホットスワップ対応の73GB、146G、または300GBを搭載することができる。また、独自のData Migratorは、コンテンツをスケジューリングして他の階層のストレージシステムへ転送することができるアプリケーションである。場所が離れているシステム同士でも実行することができるため、冗長性を高めることができる。

データダイレクトネットワーク社

大容量シリコンストレージ・アプライアンスを開発、販売をワールドワイドで展開している米データダイレクトネットワーク社では、InfiniBand、FC-4Gbpsの複数ホストポートを持つ超高速RAID装置「S2A9500」と、4Uサイズで48台のディスクを搭載可能なディスク筐体SAFシリーズを展示している(ただし筐体のみで、起動はしていない)。S2A9500とSAFシリーズディスク筐体を組み合わせることにより、1ラックで240TBの容量の超高速ストレージシステムを構築することが可能である。S2A9500は最大1120台のディスクをサポートでき、S-ATA500GBディスクを使用した場合、最大物理容量448TB、FC300GBディスクを使用した場合は、最大物理容量269TBのストレージ容量を一つのコントローラで管理できるという。S2A9500の一つのコントローラからファイバーチャンネル4Gbpsのホストポート(標準2ポート/最大8ポート、1.6GB/秒)、ディスクポートが10本(2GB/秒)サポートされ、コントローラをデュアルにした場合、ホストポート帯域は3.2GB/秒、ディスクポート帯域は4.0GB/秒にまで拡張できる。S2A9500は昨年の10月にリリースされアメリカでは既に180システム以上、そしてワールドワイドでは1万台以上の販売実績がある。日本市場へは2002年から投入、2社の代理店を持っているほか、OEMも展開しており、数多くのキー局、プロダクションや技術研究所へ納入実績を持っている。

AJA Video Systems

プロフェッショナル用のデジタルビデオシステムのソリューションを提供している米AJA Video Systems 社のブースでは(ブース番号#1031)、MAC OSX環境でSDからHD、DUAL LINK HD、そして2KまでサポートするキャプチャーカードのKONAシリーズの紹介のほか、Windows環境に対応するI/OカードのXENA(ジーナ)をhpワークステーションでインテグレーションしたシステムで展示している。XENAシリーズも最高峰は2Kの解像度まで対応、動画ファイル、静止画連番ファイルにかかわらず、映像をそのままDPXやTGAなどの静止画連番ファイルを直接収録し再生することができる。Adobe社、Autodesk社、 Eyeon 社のほか、多数のカラーコレクション、エフェクト、コンポジティング、CGアニメーションのアプリケーションをサポートし、QuickTimeやAVIのほかDPX、Cineon、TIFF, TGA やBMPの静止画連番ファイルに直接キャプチャすることができる。

アイシロン・システムズ

高速クラスタ・ストレージの開発、販売を行っている米アイシロン・システムズでは、OneFS分散ファイルシステムを起用している高性能クラスタストレージシステム、「Isilon IQ」シリーズを出展している。Isilon IQ は、単一ファイルシステムで 528 TBまでの容量拡張と、7GB /秒までのスループット拡張に対応するクラスタストレージシステム。また、ノード間の接続はGigabit Eathernetだけでなく、低レイテンシ・高帯域幅のノード間通信用として高性能な InfiniBand に対応している。サードパーティにアプリケーションは依存しておらず(つまり、SDKキットの提供がない)、全て当社でまかなっている。 アイシロンの OneFS 分散ファイルシステムは、データをクラスタ内のノードにインテリジェントに分散し、単一の共有ストレージプールが用意される。このストレージプールは、ファイルベースデータの制作、分析、配信、アーカイビングといった、様々な用途に利用することが可能。 日本では、TBS社やコニカミノルタ社などがアイシロン・システムズを既に施設へ導入しており、ソニーブロードバンドソリューション株式会社が一次販売店として契約、7月から本格的に販売を開始している。

キャルディジット

ワールドクラスのグラフィックスソリューションの開発、提供をしている、株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP、ブース番号409)では、高性能アミューズメントシステムから低電力モバイルアプリケーションまでを幅広くサポートした、組込みシステム向けの次世代3D/2DグラフィックスIPコア、「PICA(ピカ)」のデモンストレーションを行っている。PICAは、デジタルコンシューマ市場」向けSoC (System on a Chip)アプリケーションの要求を満たすために、柔軟でスケーラブルな革新的ハードウエア・アーキテクチャを実現するIPコア。PICAは、ビルディングブロック・アーキテクチャにより、ターゲットSoCの幅広い要求に応じて、搭載モジュール、バーテックスプロセッサ数、レンダリングパイプライン数、およびメモリ構成(外部/内部)のカスタマイズが可能。また、Khronos Groupが策定する業界標準APIのOpenGL ESおよびOpenVGに準拠している。 DMPでは、OEM事業としてこのPICAを起用し、最適なグラフィックス・モジュール構成を提供するチップ開発の対応も行っている。PICAでは、当社のグラフィックス描画アルゴリズム独自技術と半導体技術を融合させた、3D拡張モジュール(MAESTRO-2G)の搭載により、多彩なハードウエアシェーディングと、その組み合わせによるリアルな3D表現を高速に再現することが可能である。

PICAのIPコアの特徴は以下のとおり:

  • PICA200
    OpenGL ES準拠の次世代組込みデバイス向け3DグラフィックスIPコア。最大4個のプログラマブル・バーテックスプロセッサ、最大4本のレンダリングパイプライン、3D拡張モジュール(MAESTRO-2G)で構成される。
  • PICA-FBM
    画像ポストプロセッシング・モジュールで、PICA200とPICA-FBMの組合せが標準的なIP提供形態となるが、2DグラフィックスIPコアとしてPICA-FBM単独でのライセンス供与も可能。
  • PICA-VG
    OpenVG準拠のベクターグラフィックス・モジュール。PICA-FBMにアドオンが可能。
NVIDIAコーポレーション

プログラム可能なグラフィックス・プロセッサ技術を開発、高度なビジュアライゼーションを提供している米NVIDIAコーポレーション社では、世界初となるビジュアル・コンピューティング・システム(VCS)、「NVIDIA Quadro Plex 1000」を発表、当社ブースでは、1ラック架に搭載したシステムを披露して注目を集めている。NVIDIA Quadro Plex 1000は、NVIDIA SLIマルチGPU技術を搭載しており、既存のGPUソリューションと比べて最大20倍の大容量密度を持ち、薄型デスクトップまたは高密度3Uラックマウント構成において、4Kビデオの同時ストリームを可能とするパワーを持つ。このパワフルなスペックで800億ピクセル/秒及び70億バーテック/秒のパフォーマンスの向上に成功したという。解像度は16の同期デジタル出力チャンネルと8つのHD SDIチャンネルにおいてに最大148メガピクセルまで拡張可能。2006年9月の出荷を予定、価格は1万7500米ドルになる予定。そのほか、NVIDIAシーングラフ・ソフトウェア開発キット(NVSG SDK)の最新バージョン3.2を発表している。NVIDIA NVSGは、3Dアプリケーションの開発を効率化、高速化するためのオブジェクト指向型(C++)プログラミング・ライブラリ。又、2月に発表した、ハンドヘルド・グラフィックス・プロセシング・ユニット(GPU)のNVIDIA GoForce 5500が搭載されたサムソン製の携帯電話(P910)も、前世代のGoForce4800を搭載したデバイスと共に出展されていた。NVIDIA GoForce 5500は、30フレーム/秒(fps)においてD1解像度までのH.264、WMV9、MPEG-4ビデオ再生が可能な業界初のハンドヘルドGPU。従来世代の3倍のパフォーマンスでゲーム機並みの3Dゲームを比類なきスピードで実現できる、という。


[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2006年07月30日 ]
[ TAG : SIGGRAPH ]

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