[特集:フルデジタル制作移行、その課題と展望 03]制作ワークフロー全体を統合管理するMediaConcierge
2009-01-07 掲載
近年、MXFフォーマットに準拠したファイルフォーマットを各社が利用するようになったことにより、映像制作のワークフローは大きな転換期を迎えています。素材流通はテープメディアからファイルへと変化しており、取材からアーカイブまでの全てがMXFを基本とする流れが始まっています。ファイルベースへと移行し、取材や編集、局内回線、伝送をはじめとする総合システムや運営面に活用することで、飛躍的に制作効率を上げることが可能となります。
朋栄のMediaConciergeは、映像、音声、メタデータなど、さまざまなファイルを一元管理し、必要なときに必要な形式へ変換、出力可能な統合管理システムです(上図)。既存のテープメディアはもちろん、多種多様なMXFファイルを取扱い可能で、しかも各フォーマットの違いを気にすることなく自由に変換して取り出すことができます。
MediaConciergeの柱となるポイントは次の3点です。(1)素材管理システムMCS-100MC、(2)ファイルフォーマット変換MCS-100M、(3)ファイルとベースバンドの変換MBP-100WS/100PD/100SX。これらのポイントを順に見ていくことにします。
素材管理だけでなくオプションでBlu-rayアーカイブにも対応
| 画面1 |
| 画面2 |
| 画面3 |
素材管理システムMCS-100MCは、別名メディアコンシェルジュ・センターと呼ぶ、さまざまなフォーマットのファイルが管理可能なソフトウェアです(画面1)。MCS-100MCでは、P2やXDCAMなどさまざまなMXFファイルフォーマットを混在した状態で管理することが可能です。検索キーワードにより数多くの素材から必要な素材を選択したり、プロキシ(低解像度の動画)で映像の内容を確認することが可能です(画面2)。検索キーワードとして利用可能なメタデータの確認や、追記・修正をすることもできます(画面3)。
MCS-100MCのユニークな機能として、添付ファイル機能があります。WORDで作成した原稿やEXCELなどの表計算データ、PDFファイルなど、素材に関連した各種ファイルを添付という形で紐付けしてファイリングすることができます。各ファイルのために別データベースを構築して管理する必要はなく、素材として必要な各種ファイルを一緒に管理できます。
追加オプションとして提供するアーカイブ・ソフトウェアMCS-10ACを使用することで、MCS-100MCが管理する全てをIT系の機器へアーカイブでき、アーカイブされたファイルをオリジナルのファイル・サーバへリトリーブすることができます。現在は、Blu-rayカート(株式会社アサカ製TeraCart)または単体のBlu-rayドライブをサポートしており、カートを用いれば人手を介すことなく大容量のメディアをアーカイブすることが可能です。
互換性を持たない各社のMXFファイルを相互変換
ファイル化されるフォーマットが1つしかないのであれば、システム構築時の悩みはなくなります。しかし、現実には多くのファイルフォーマットが存在し、同一機材であってもビットレートやコーデックが異なるファイルが存在します。さらに、各社のMXFファイルフォーマットは、オペレーショナル・パターンやコーデックの違いにより互換性を持っていない現状もあります。
| 画面4 |
このような状況において、それぞれのファイルを補完する役目を担うのがMXFファイルコンバートソフトウェアMCS-100Mです(画面4)。MCS-100Mは各社のさまざまなファイルフォーマットをサポートしており、プルダウンメニューから変換したいフォーマットを選択するだけで簡単にファイル変換を行えます。各種フォーマットを相互変換するだけでなく、変換時に各種プロセス処理が可能なソフトウェアを搭載しているので、SDのファイルをHDにアップコンバートしたり、オーディオレベル補正やチャンネルスワップをしたり、映像中にロゴを挿入したりすることが可能です。
これらの機能により、従来はベースバンド信号でしか行えなかったプロセス処理を、ソフトウェアによるファイル処理で全て実現できます。多少のプロセス処理をするためだけにベースバンドに戻す必要はありません。ビデオフォーマット変換機能として、現在、1080iと720pとのクロスコンバータ機能プラグインを用意していますが、将来的にはフレームレートコンバータ機能をプラグインとしてリリースする予定です。
ビデオ送出に必要なベースバンドとMXFの相互変換
| MBP-100SX |
素材がファイル化されても、スタジオ設備などで映像を利用する際にはベースバンドにする必要があります。また、回線やテープ素材を収録しファイル化する必要も出てくることでしょう。この際に必要になるのが、ファイルとベースバンド信号間の変換装置で、MBP-100WS/100PD/100SXとして提供しています。
朋栄はHD解像度のビデオ送出を容易に行うため、新たにビデオカードを開発しました。このビデオカードと先に紹介したソフトウェアMCS-100Mを組み合わせたターンキーワークステーションMBP-100WSは、さまざまなファイル形式の変換とプロセス処理を組み合わせつつ、ベースバンド送出を可能にするマルチフォーマットプレーヤーとして活用可能です。
| 画面5 |
また、MBP-100PD/100SXはP2またはXDCAMに特化した専用のハードウェア製品で、ベースバンド信号とMXFファイルの相互変換を可能としています。筐体内部にはSSD(ソリッドステートドライブ)を搭載しているため、蓄積されたMXFファイルを送出するプレイアウトサーバとしても活用できます。MBP-100PD/100SXには専用管理ソフトウェアがあり、素材サーバからのデータ登録をはじめ、送出順管理、送出制御などを容易に行えます(画面5)。スタジオのV送出、回線収録などの予約記録用途はもちろん、MAシステムでのHD/SDプレーヤーや、スタジオ/中継車/野外持出しなど、多用途で運用できるような製品にするために、随時機能を追加していく予定です。
(朋栄 営業本部)
[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2009-01-07 ]
[ TAG : FOR-A MediaConcierge MXF フルデジタル制作移行、その課題と展望 ]
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