[デジタルサイネージ2009]00:規格に縛られないサイネージメディアの可能性は無限大
2009年03月04日 掲載
1990年代後半から大型街頭ディスプレイの設置が進み、大都市圏の駅前や交差点、大型量販店の壁面などで影像が流されることは珍しいものではなくなった。それだけでなく、この数年は、量販店やスーパーの物販コーナー、駅構内広告スペース、公共施設、電車やタクシーといった交通機関、ビルのエレベーターホールやエレベーター内など、あらゆる分野にデジタルサイネージの利用が拡大してきている。その大きさも、手のひらサイズから街頭大型ディスプレイパネルまでさまざまだ。
| IMC Tokyo 2008で提案されたデジタルサイネージの利用例。(上)パナソニック (中)エヌジーシー (下)テクノハウス |
サイネージの急速な広がりとともに、サイネージシステムもさまざまなものが提案されるようになってきた。2月末には米ラスベガスでDIGITAL SIGNAGE EXPOが開催されたほか、3月3日から東京ビッグサイトで開催されているリテールテック JAPAN 2009でもデジタルサイネージのコーナーが設けられている。毎年6月に幕張メッセで開催されているIMC Tokyoにおいても、昨年はデジタルサイネージジャパンPreviewエリアが設けられ、今年からデジタルサイネージジャパンとして独立、IMC TOKYOの併催イベントとなる。
テレビや新聞、Webといった既存メディアを使った、視聴率・バナークリックによる広告モデルは一段落し、より利用者のニーズに直結する広告制作が求められている。この傾向は、世界同時不況が進行した昨年秋以降、より加速してきているようだ。デジタルサイネージを使用したマーケティングでは、コンテンツ内容次第で売上が平均で3割、多いものでは3倍にというように、着実に売上が伸びる販促効果があると分かってきたことも、デジタルサイネージの利用に拍車をかけている。
デジタルサイネージ用のコンテンツは、見る人に分かりやすく伝えるために、テキスト・CG・映像を組み合わせたものとなっている。今後のデジタルサイネージコンテンツ制作への期待は大きい。しかし、こうした期待感とは裏腹に、サイネージの制作手法やサービスの導入についてはまだまだ知られていないことも多い。それだけ自由度が高いメディアということもできるが、制作にとりかかりにくいとも言えまいか。現在のデジタルサイネージは、ポスター広告を電子化して、さらに簡単なトランジション効果をつけたものが多いようだ。こうしたデジタルサイネージの表現手法についてデジタルサイネージコンソーシアムの江口靖二氏は、「人が見ている風景は動画として認識している。その動画に、パッと切り替わる静止画などの動画の動きとは異質なものがあると、視線が引き付けられる。動画の風景の中に、単に動画を置いただけでは目立たない可能性がある」と指摘している。
| |
| デジタルサイネージの利用例。(左)ソニー (右)Inter BEE 2008でのトムソン・カノープス |
確かに、動画のなかにある静止画には引き寄せられるものがある。しかし、サイネージ環境が進んで、静止画が溢れ返ってしまった時には、街中の看板と同じように見えてしまうのかもしれない。まだまだ動画にも可能性が残されている。各社のHDディスプレイを中心にサイネージ環境が構築されている現状では、テレビの規格に縛られるものともなりかねないが、本来のサイネージ環境はパネルの形状や面数に縛られるものでもない。むしろ、空間のなかで、どこに静止画を配置して、どこに影像を流すか──。空間設計も含めたデザインが求められていくようになりそうだ。これは空間全体がディスプレイになるという感覚だ。ディスプレイ形状が、単なる表示の部品として扱われるようになったとき、その可能性は無限に広がっていきそうだ。
デジタルサイネージソリューションを展開している会社は、ディスプレイメーカーを中心に動いている。今回の特集では、デジタルサイネージコンソーシアムの取り組みを紹介するとともに、プロ向け映像制作ソリューションを持つ、読者のみなさんには馴染み深い会社から、ディスプレイを持つメーカー、持たないメーカーを組み合わせて紹介することにした。さらに、連動コラムとして、江口靖二氏によるコラム「新・デジタルサイネージ入門」を昨日掲載した。今週末と来週には、安藤幸央氏が2009 International CESを取材した際に感じた「ラスベガスのサイネージ事情」や、江口氏が取材したDIGITAL SIGNAGE EXPOの現地レポートなども併せて掲載していく。サイネージメディアの広がりと可能性の一端を知ってもらいたい。
[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2009年03月04日 ]
[ TAG : DIGITAL SIGNAGE EXPO デジタルサイネージ ]
この記事に関連する記事一覧
|
|
[映像新時代2010]04: 活用範囲が拡大するデジタルサイネージ小規模店舗でのサイネージ活用も始まる 昨年のデジタルサイネージの動向を振り返ってみると、イオンをはじめとして流通大手での導入が相次いだのが特徴的だった。これらは、売り場に近く、購買 .... 続きを読む |
|
|
[デジタルサイネージ2009]05:SCALA Scalaインタフェースが特徴!自由度の高い表示を実現北米市場、欧州市場で磨かれたサイネージシステムInfoChannelを開発してきた米SCALA。現在、アメリカ、イギリス、ノルウェー、オランダ、フランス、カナダ、香港、インド、日本 .... 続きを読む |
|
|
[デジタルサイネージ2009]04:トムソン・カノープスMEDIAEDGE Thomson、GrassValleyとのシステム連携で汎用性が向上トムソン・カノープスは、ネットワーク型映像配信・表示システムMEDIAEDGEとして、デジタルサイネージソリューションを展開している。MEDIAEDGEは、2000年11月のInt .... 続きを読む |
|
|
[デジタルサイネージ2009]03:パナソニックNMstage 金融システムベースで基幹系運用に強味パナソニックが提供するサイネージソリューションは、ソフトウェアベースでサイネージ表示をするNMstageだ。 「NMstageは、店頭株価情報表示システムがベースになっています。サ .... 続きを読む |
- [デジタルサイネージ2009]02:ソニーBEADS 導入から配信、監視、制作までのトータルサービス (2009年03月05日)
- [デジタルサイネージ2009]01:DSC 135社参加で作るビジネス・ガイドライン (2009年03月04日)
特集記事
|
DSMC/DSLR 2010 #2 現場感覚におけるDSLRの現状の捉えられ方を取材してみた。 |
|
|
Stereoscopic 3D 第3章 ステレオスコピック3Dの具体的な制作方法を考えていく。 |
|
|
Ustream最終案内 Ustreamの世界の可能性を実際に現場で活躍する人々から探ってみた。 |
|
|
Digital Cinematography 2010 Cine Gear EXPOの様子などから、これからのハリウッド映像制作の方向性を紹介する。 |
|
|
Stereoscopic 3D 第2章 関心が高まっているステレオスコピック3Dコンテンツの制作について整理していく。 |
|
|
DSMC・DSLR 2010 CP+のレポートを中心に、2010年のDSMC/DSLRの動向について考察していく。 |
|
|
ファイルベース収録カメラ最新案内 ファイルベース収録カメラを選択するための基準や基礎知識等を、レビューを交えて考察する。 |
|
|
Transcode ファイルベース・ワークフローの普及と共によく目にするようになったトランスコードについて整理する。 |
|
|
映像新時代2010 2010年の映像制作の潮流を様々な方面から予想していく。 |
|
|
稲田出のトレンド100選< /a> InterBEE2009で見た2010年注目100アイテムを紹介。 |
|
|
PRONEWS AWARD 2009 2009年を振り返りつつ、2010年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。 |
|
Inter BEE 2009スペシャルレポート 千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2009のレポート記事やブース動画を掲載。 |
|
|
Inter BEE 2009の歩き方 目的に合わせたInterBEE2009の歩き方を紹介する。 |
|
|
最新映像制作ワークフロー VFX 2009 最新映像制作ワークフローの中から、制作効率を改善していくヒントを探す。 |
|
|
オンボードライト特集 Light House 新時代を予感させるLEDを中心にオンボードライトを解剖する。 |
|
|
立体視映像特集 Stereoscopic 3D 再び脚光を浴び始めているステレオスコピック3D制作に焦点を当てる。 |
|
|
REDワークフロー特集 RED flow Now RED ONEの最新ワークフローを考える。 |
|
|
4Kデジタルシネマ特集 4K Ready! RED ONEの登場で一気に注目されつつある4K映像とは? | |
|
デジタルサイネージ特集デジタルサイネージ2009 急速な広がりを見せるサイネージメディアを紹介する。 |
|
|
ワークフローの鍵を握るMXF& amp; lt;/a> MXFファイルを活用する現場を取材し、制作ワークフロー全体に広がるMXFを紹介する。 |
|
|
フルデジタル制作移行、その課題と展望 フルデジタル制作環境に向けて乗り越えなければならない課題と、その先の可能性を紹介する。 |
|
|
2008年総括:これからの映像業界 2008年の売れ筋を見ながら、人気機材の動向を振り返ってみる。 |
|
|
次世代収録環境へのアプローチ& amp; lt;/a> 2008年のカメラ環境を踏まえ、次世代環境に必要なものを考える。 |
展示会レポート
- SIGGRAPH2010
- NAB2010
- Inter BEE 2009
- CEATEC JAPAN 2009
- SIGGRAPH2009
- ケーブルテレビショー2009
- デジタルサイネージジャパン2009
- IMC TOKYO 2009
- NAB2009
Tag
- Inter BEE
- Inter BEE 2009
- SONY
- NAB SHOW
- NAB2010
- 3D映像
- IMC TOKYO
- Panasonic
- Avid
- コロラド紀行
- Adobe
- Autodesk
- RED DIGITAL CINEMA
- 地上デジタル放送
- SIGGRAPH
- AJA
- デジタルシネマ
- Canon
- Apple
- Final Cut Pro
- ケーブルテレビショー
- AVCHD
- Point of View
- PRONEWS TV Live
- Stereoscopic 3D
- H.264
- Omneon
- トムソン・カノープス
- FOR-A
- S3D
- IBC
- Matrox
- アスク
- デジタルサイネージ
- Quantel
- Victor/JVC
- CEATEC JAPAN
- 4K
- Blu-ray
- Ki Pro

