[RED flow Now]07: RED誕生にこの人あり。Jim Jannardの野望!
2009年06月17日 掲載
創設者Jim Jannardのクリエイティブ精神が裏付けるREDの魅力
|
|
| 2007年には、実機がお目見え。2006年時とは打って変わって、アップルとのアライアンスも発表され、ブースを見るために2時間待ちという長蛇の列。 |
|
|
| DSMC(Digitla Stills and Motion Camera)コンセプト。ユニットの組み合わせ方によってはまさに一眼カメラにも...。 |
映像制作業界全体に大きな波紋を投げかけているRED Digital Cinema(以下RED)。この魅力あるクリエイティブ・アイコンの登場は、これまでの業務用、放送用、そして映画用の=プロ仕様=というあまり飾り気のない、機能&スペック重視の...悪く言えば野暮ったいものだった映像制作ツールのイメージを塗り替えた。
目覚ましいスピードで進化を遂げるRED。RED ONEの次にラインナップされるEPICやSCARLETは、ビデオカメラではないという。提案するのが、DSMC(=Digital Stills and Motion Camera)だ。近頃のデジタル一眼で動画も撮れるようになってきたが、そんな自由なアプローチが今映像業界を席捲している。それは、2007年の市場参入以来変わらない時代を変える赤い衝撃にほかならない。
我々の前に初めて姿を現したREDは、その思想だけで、カタチも何もない状態でブースのみNAB2006に出展したのが始まりだ。そのブースでは、1万ドルの予約金を支払うことだけだった。「限りなく商品化は眉唾ものだ!」と多くの映像関係者は思っていた...。
あれから3年。映像カメラの存在だけではなく、その在り方まで変えてしまったREDに我々は魅せられている。何かドキドさせてくれる期待感とともに、新しいデザインスタンダードをもたらした。それは黎明期から拡大期にかけてのApple Macintoshを彷彿させる。すでに世界各国に多くのREDファンを生み出し、魅了し続けているその要因とは一体何なのか?
そこには創業者であるジム・ジャナード(本名:James Henry Jannard)氏が自身の残りの半生を掛けているという、このカメラプロジェクトへの思いと、彼がこれまで追い続けてきた、大いなるクリエイティブ・マインドに由来するようだ。なぜRED ONEのようなカメラが生まれたのか? その辺をジム・ジャナードのマインドを探りながら考えてみたい。
$300で起業したOAKLEY
|
|
|
イチローをはじめ著名人も数多く使用する Oakleyのサングラス ©2009 Oakley, Inc. All Rights Reserved |
|
|
|
デザインとは別に、センサーと光学技術部分を検証中の RED ONE初号機。 |
1999年に設立された、RED Digital Cinema社の創設者であるジム・ジャナード氏は、サングラスやスポーツギアの世界的トップブランド『OAKLEY(オークリー)』の創業者であることは有名だ。マッドサイエンティストの異名を持つジム・ジャナード氏は、1949年6月8日、ロサンゼルス生まれというから、今年6月で61歳になる。
このオークリー社の成功までの道のりは実に興味深い。1975年にわずか300ドルを元手に、水分を吸収することでさらにグリップ力が増すUnobtainium®(アンオブタニウム)という素材でモトクロス用のハンドグリップを開発した。これはライダーがハンドルを握った時の手にぴったりフィットする独特なトレッド(溝形)がついたプロダクトで、特許を取得し、絶大な支持を受ける。また、会社名は、愛犬の名前"Oakley"が由来だ。
その後、モトクロス用ゴーグル開発を経て、80年代にサングラスを主としたアイウェア業界に本格参入する。高い機能性を備えたレンズと斬新で近未来的なデザインによりスポーツサングラスのトップメーカーとしての不動の地位を築いて来た。90年代にはアパレル、フットウェア、リストウォッチ市場へも進出。機能とデザインの双方を融合させたプロダクツは高い評価を受け、米軍特殊部隊のSEALsや、デルタフォースでも正式採用、ブランドアップに更なるパワーを加えた。ここで軍との大きなパイプが出来たことで、実はRED ONEも多く米軍に納入されていると聞く。
しかしオークリーは、単なるファッショングラスブランドではなかった。高度な技術に裏付けされた確かな製品とそれを包み込む、人をワクワクさせるような機能とデザインの融合という、オークリー社で培われてきたメインコンセプトは、そのままREDにも受け継がれている事は言うまでもない。
REDデザインのリソースがここに!
|
|
| オークリー社のヘッドクォーター『One Icon』 |
デザイン面では、オークリー社のヘッドクォーター『One Icon』のデザインは、まさに映画「ターミネーター」に出て来そうな、メタルゴシック風で、まさにREDカメラの母体となったデザインだと納得できる。ちなみにデザインはオークリー社長でデザイン部門統括のコリン・バーデン氏。REDのデザインにもおそらく彼が関与していることを容易に想像させる。
オークリー社のサイトによれば「Technology Wrapped in Art」(アートによってラッピングされた技術)というメインコンセプトは、まさにREDにも共通する。単なるカッコ良さだけでない、裏付けされた優れた技術がそこにある。
例えば、サングラスにおいて「あらゆる有害要因から眼をプロダクトすること」をテーマに技術開発を続け、全世界で575を超えるパテントを取得している。またこれを実現化するためにひとつの目安を設定している。それは、米国規格協会ANSIが提唱するアイウェアの工業規格ANSI Z87,1であり、高圧衝撃、高速衝撃、光拡散力、不均衡分光、屈折力、非点収差、解像パターン、UVプロテクションテストの、8つの部門によるテストをクリアにする必要がある。
オークリーの製品は、このテストでその基準を倍近く上回る結果を出している。たとえば高速衝撃テストの場合、レンズに向かって直径64mmの鉄球を時速160kmで撃ったとき、鉄球が貫通したりレンズがフレームから外れたりしないことが求められるという。そして何よりも驚かされるのは、オークリーのアイウェアが上記8部門のテストをすべてクリアしているということ。一つのモデルで8部門すべてクリアしているのは、オークリー製品だけだという。
これらの事実から察するに、今後のREDの製品群に装備される品質やその方向性は計り知れないものがある。
いよいよ世界を変える気のJim Jannard!
ジム・ジャナード氏は、2007年11月にレイバンなどを傘下に抱える世界最大の眼鏡メーカーLuxottica Group(ルクソティカ・グループ)に21億ドルでオークリー社を売却している。ジャナード本人は「余生はデジタルカメラビジネスに集中する」と発言している。これまでサイドビジネスだったREDの研究開発とビジネスに集中すると公言しているわけだ。技術とデザイン、その双方を高い次元で集約したオークリーで培ってきた精神や考え方が、RED Digital Cinemaへそのまま受け継がれて行くことは明白で、これからもユーザーに高次元での期待感を与えてくれるに違いないのだ。
[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2009年06月17日 ]
[ TAG : RED DIGITAL CINEMA RED flow Now ]
この記事に関連する記事一覧
|
|
[PRONEWS AWARD 2009]Vol.00 2009年を振り返る発表!PRONEWS AWARD 2009 2009年も早いものでもう後わずかである。映像業界もいろいろな商品やサービスのリリースやトレンドが見られた。PRONEWSでも日夜取材や .... 続きを読む |
|
|
[PRONEWS AWARD 2009]Vol.01 画作りを変えたカメラの登場?カメラ編2009年のカメラのトレンドは? 2009年のカメラのトレンドはなんだったのか?PRONEWSでもそのトレンドを追ってお伝えしてきた。では2009年を振り返ってみよう。 昨年からの .... 続きを読む |
|
|
[InterBEE2009]西華産業株式会社ブースレポート西華産業 RED社以外にも多数のカメラを出展 西華産業は、4KデジタルシネマカメラRED ONEとRED Prime LensシリーズなどRED Digital Cinema製品 .... 続きを読む |
|
|
[RED flow Now]10: 4K映像編集自由自在!Vegas Pro 9米国ではAdobe Premiere Pro、Apple Final Cut Proに次いで第3位のシェアを誇るSONY Creative SoftwareのVegas Pro 9 .... 続きを読む |
- [RED flow Now]09: RED対応を果たしたCS4 Production Premium (2009年06月17日)
- [RED flow Now]08: AvidがREDワークフローを確立 (2009年06月17日)
- [RED flow Now]06: 『築城せよ!』全編でRED ONEを活用 (2009年06月17日)
- [RED flow Now]05: DigitalTANK!がAutodeskでフロー構築 (2009年06月17日)
- [RED flow Now]04: Tedが語るRED Digital Cinema新時代とは? (2009年06月17日)
- [RED flow Now]03: 西華産業がテクニカルサポート契約 (2009年06月17日)
- [RED flow Now]02: 今理解しておくべきREDワークフローの基礎 (2009年06月17日)
- [RED flow Now]01: RED ONEの性能を最大限引き出そう (2009年06月17日)
- [RED flow Now]00: 各社のRED対応が進展 (2009年06月17日)
特集記事
|
DSMC/DSLR 2010 #2 現場感覚におけるDSLRの現状の捉えられ方を取材してみた。 |
|
|
Stereoscopic 3D 第3章 ステレオスコピック3Dの具体的な制作方法を考えていく。 |
|
|
Ustream最終案内 Ustreamの世界の可能性を実際に現場で活躍する人々から探ってみた。 |
|
|
Digital Cinematography 2010 Cine Gear EXPOの様子などから、これからのハリウッド映像制作の方向性を紹介する。 |
|
|
Stereoscopic 3D 第2章 関心が高まっているステレオスコピック3Dコンテンツの制作について整理していく。 |
|
|
DSMC・DSLR 2010 CP+のレポートを中心に、2010年のDSMC/DSLRの動向について考察していく。 |
|
|
ファイルベース収録カメラ最新案内 ファイルベース収録カメラを選択するための基準や基礎知識等を、レビューを交えて考察する。 |
|
|
Transcode ファイルベース・ワークフローの普及と共によく目にするようになったトランスコードについて整理する。 |
|
|
映像新時代2010 2010年の映像制作の潮流を様々な方面から予想していく。 |
|
|
稲田出のトレンド100選< /a> InterBEE2009で見た2010年注目100アイテムを紹介。 |
|
|
PRONEWS AWARD 2009 2009年を振り返りつつ、2010年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。 |
|
Inter BEE 2009スペシャルレポート 千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2009のレポート記事やブース動画を掲載。 |
|
|
Inter BEE 2009の歩き方 目的に合わせたInterBEE2009の歩き方を紹介する。 |
|
|
最新映像制作ワークフロー VFX 2009 最新映像制作ワークフローの中から、制作効率を改善していくヒントを探す。 |
|
|
オンボードライト特集 Light House 新時代を予感させるLEDを中心にオンボードライトを解剖する。 |
|
|
立体視映像特集 Stereoscopic 3D 再び脚光を浴び始めているステレオスコピック3D制作に焦点を当てる。 |
|
|
REDワークフロー特集 RED flow Now RED ONEの最新ワークフローを考える。 |
|
|
4Kデジタルシネマ特集 4K Ready! RED ONEの登場で一気に注目されつつある4K映像とは? | |
|
デジタルサイネージ特集デジタルサイネージ2009 急速な広がりを見せるサイネージメディアを紹介する。 |
|
|
ワークフローの鍵を握るMXF& amp; lt;/a> MXFファイルを活用する現場を取材し、制作ワークフロー全体に広がるMXFを紹介する。 |
|
|
フルデジタル制作移行、その課題と展望 フルデジタル制作環境に向けて乗り越えなければならない課題と、その先の可能性を紹介する。 |
|
|
2008年総括:これからの映像業界 2008年の売れ筋を見ながら、人気機材の動向を振り返ってみる。 |
|
|
次世代収録環境へのアプローチ& amp; lt;/a> 2008年のカメラ環境を踏まえ、次世代環境に必要なものを考える。 |
展示会レポート
- SIGGRAPH2010
- NAB2010
- Inter BEE 2009
- CEATEC JAPAN 2009
- SIGGRAPH2009
- ケーブルテレビショー2009
- デジタルサイネージジャパン2009
- IMC TOKYO 2009
- NAB2009
Tag
- Inter BEE
- Inter BEE 2009
- SONY
- NAB SHOW
- NAB2010
- 3D映像
- IMC TOKYO
- Panasonic
- Avid
- コロラド紀行
- Adobe
- Autodesk
- RED DIGITAL CINEMA
- 地上デジタル放送
- SIGGRAPH
- AJA
- デジタルシネマ
- Canon
- Apple
- Final Cut Pro
- ケーブルテレビショー
- AVCHD
- Point of View
- PRONEWS TV Live
- Stereoscopic 3D
- H.264
- Omneon
- トムソン・カノープス
- FOR-A
- S3D
- IBC
- Matrox
- アスク
- デジタルサイネージ
- Quantel
- Victor/JVC
- CEATEC JAPAN
- 4K
- Blu-ray
- Ki Pro

