pronews

HOME  >  SPECIAL  > [Stereoscopic 3D]00: 今度は波に乗れるか? ステレオスコピック3D

Special

[Stereoscopic 3D]00: 今度は波に乗れるか? ステレオスコピック3D

2010年02月23日 更新 (2009年07月08日 掲載)

 はてなブックマークに追加 |  Yahoo!ブックマークに追加 |  googleブックマークに追加 |  livedoorクリップに追加 |  Buzzurlに追加 |  del.icio.usに追加 |  gooに追加 |  twitterにつぶやく

[Stereoscopic 3D]00: 今度は波に乗れるか? ステレオスコピック3D

ステレオスコピック3D(Stereoscopic 3D)」「ステレオスコピー(Stereoscopy)」「ステレオ3D」などさまざまな用語が使われているが、立体視可能な映像のことである。最近では、裸眼立体ディスプレイなども出てきているが、多くは赤青レンズや、偏光レンズ、シャッターを用いた専用のメガネを使用して左右の目で別々の映像を見られるようにすることで、あたかも映像が立体的に、奥行き感を持って見えてくるという仕組みだ。

そんなステレオスコピック3D制作が、また脚光を浴び始めている。これは、いったい何度目の波だろうか。立体写真の歴史すら含めれば、すでに数10年が経過しているかもしれない。立体映像だけでも、10年に1度くらいのペースで、既存の表現を拡張する映像表現として注目が集まっては、いつのまにか消えて行くことを何度も繰り返してきた。クオリティであったり、制作費であったり、上映環境であったりと、その都度さまざまな理由があるにせよ、一時的に盛り上がっては、「時期尚早」という烙印を押されることが続いてきたわけだ。

RED_stereo.JPG
6月に行われたIMC Tokyoの西華産業ブースに展示されたRED ONE利用のステレオスコピック収録環境

今回の波は、以前に比べても、しっかりとした波のように見える。過去のステレオスコピック制作ブームと大きく異なるのは、収録から編集・制作、上映まで、それぞれの工程がファイルベースへと移行していく段階であることだ。特に、上映環境の問題は大きい。5月の特集「4K Ready!」でも触れたが、映画業界も、デジタルシネマ移行と同時にステレオスコピック3Dという付加価値によって集客しようという動きが出始めている。今年から数年間は、映画館のデジタルシネマ機器移行が進んでいく段階にある。4Kプロジェクターを導入するのか、2K/HDプロジェクターを導入するのかは、そのシネマ館の判断にも左右されるだろうが、デジタル上映の1つの可能性としてステレオスコピック3Dをどうするかも考慮されることになるだろう。

TOHOシネマズでは、2012年春までにほぼ全スクリーンで、ステレオスコピック3D対応のデジタルシネマ機器を導入する予定だ。これは、ハリウッド映画を中心にステレオスコピック3Dコンテンツが増えてきていることへの対応でもある。このように、機材更新により上映環境が増えるということは、制作しても特別な環境を用意する必要がなくなるということでもある。これは、コンテンツ制作に踏み切る良いきっかけにもなりそうだ。

BS11.jpg
BS11デジタルは3D立体放送に取り組んでいる

ステレオスコピック3Dの取り組みで、映画以外のコンテンツには、日本BS放送が2007年12月の開局以来、BS11デジタルで実施している3D立体放送がある。サイド バイ サイド方式で放送されている番組を、3D立体放送に対応したデジタルハイビジョンテレビで受信することでステレオスコピック3Dコンテンツとして視聴するものだ。家電量販店などで体感コーナーが設けられているが、コンテンツを観るために対応テレビを購入しなければならないというのは敷居が高い。確かに、地上デジタル放送への移行期で、視聴者のデジタルハイビジョンテレビ購入が見込まれる時期ではあったのだが、3D立体放送はキラーコンテンツにはなれなかった。対応テレビは限られ視聴環境が整わず、コンテンツも爆発的には増えない。コンテンツが少ないから、対応機器も増えない。......と、かなり苦戦していたことは否めない。

しかし、映画館でステレオスコピック3Dコンテンツを普通に楽しめるようになってくると、2次利用コンテンツでも3Dコンテンツ化してくる可能性が増える。今後は、3Dコンテンツ対応のデジタルハイビジョンテレビも増えていきそうだ。ようやく、視聴環境が普及し始める段階に入ってきたと言えるだろう。ステレオスコピック制作の波は、「また今度〜」というような「立ち消え」にはならずに済みそうな状況が整いつつある。

今月の特集では、現在のステレオスコピック3D制作のワークフローと課題を整理してみよう。今週は制作環境面、来週はポストプロ/上映に焦点を当てて紹介する。




[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2009年07月08日 ]
[ TAG : Stereoscopic 3D ]

この記事に関連する記事一覧

[映像新時代2010]03: 普及フェーズに入ったステレオスコピック3D

[映像新時代2010]03: 普及フェーズに入ったステレオスコピック3D

またやってきたステレオスコピック3D 2009年春、映像業界関係者は「またステレオかよ」と思ったに違いない。10年に1度くらい、何度も繰り返されてきた3D立体視ブーム。「またかよ」 .... 続きを読む

[PRONEWS AWARD 2009]Vol.00 2009年を振り返る

[PRONEWS AWARD 2009]Vol.00 2009年を振り返る

発表!PRONEWS AWARD 2009 2009年も早いものでもう後わずかである。映像業界もいろいろな商品やサービスのリリースやトレンドが見られた。PRONEWSでも日夜取材や .... 続きを読む

[VFX 2009]01:映画/フィルムワークフローを変えずにデジタル化

[VFX 2009]01:映画/フィルムワークフローを変えずにデジタル化

『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー/侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』絶賛公開中 ©石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 ©2009 テレビ .... 続きを読む

[SIGGRAPH2009]Vol.03 立体視がクロースアップされた映像作品の数々

[SIGGRAPH2009]Vol.03 立体視がクロースアップされた映像作品の数々

SIGGRAPH 2009が8月3〜7日の5日間、米ニューオリンズで開催された。SIGGRAPHでは展示会も行われているが、本分はコンピュータグラフィックス(CG)の学会である。グ .... 続きを読む

特集記事

ファイルベース収録カメラ最新案内
ファイルベース収録カメラを選択するための基準や基礎知識等を、レビューを交えて考察する。
Transcode
ファイルベース・ワークフローの普及と共によく目にするようになったトランスコードについて整理する。
映像新時代2010
2010年の映像制作の潮流を様々な方面から予想していく。
稲田出のトレンド100選
InterBEE2009で見た2010年注目100アイテムを紹介。
PRONEWS AWARD 2009
2009年を振り返りつつ、2010年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。
Inter BEE 2009スペシャルレポート
千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2009のレポート記事やブース動画を掲載。
Inter BEE 2009の歩き方
目的に合わせたInterBEE2009の歩き方を紹介する。
最新映像制作ワークフロー VFX 2009
最新映像制作ワークフローの中から、制作効率を改善していくヒントを探す。
オンボードライト特集 Light House
新時代を予感させるLEDを中心にオンボードライトを解剖する。
立体視映像特集 Stereoscopic 3D
再び脚光を浴び始めているステレオスコピック3D制作に焦点を当てる。
REDワークフロー特集 RED flow Now
RED ONEの最新ワークフローを考える。
4Kデジタルシネマ特集 4K Ready!
RED ONEの登場で一気に注目されつつある4K映像とは?
デジタルサイネージ特集 デジタルサイネージ2009
急速な広がりを見せるサイネージメディアを紹介する。
ワークフローの鍵を握るMXF
MXFファイルを活用する現場を取材し、制作ワークフロー全体に広がるMXFを紹介する。
フルデジタル制作移行、その課題と展望
フルデジタル制作環境に向けて乗り越えなければならない課題と、その先の可能性を紹介する。
2008年総括:これからの映像業界
2008年の売れ筋を見ながら、人気機材の動向を振り返ってみる。
次世代収録環境へのアプローチ
2008年のカメラ環境を踏まえ、次世代環境に必要なものを考える。

HOME  >  SPECIAL  >  [Stereoscopic 3D]00: 今度は波に乗れるか? ステレオスコピック3D