[VFX 2009]03:PV/ポップな演出をしつつ、機能をしっかり伝える映像作り

HOME  >  SPECIAL  > [VFX 2009]03:PV/ポップな演出をしつつ、機能をしっかり伝える映像作り

Special

[VFX 2009]03:PV/ポップな演出をしつつ、機能をしっかり伝える映像作り

2009-09-30 掲載

[VFX 2009]03:PV/ポップな演出をしつつ、機能をしっかり伝える映像作り

地上デジタル移行やBlu-ray環境など、ハイビジョンの視聴環境が整いつつある。CMなどは製作費の兼ね合いもあって、まだまだ移行が進んでいない状況もあるが、視聴環境が増えるに従ってハイビジョン移行も検討しなければならない状況になってくるだろう。こうした状況のなか、ハイビジョン映像の利用分野が拡大してきているようだ。

マリモレコーズ(東京都品川区)は9月に、あるメーカーが今秋発売する無線ルータ新製品の販売促進に使用するE-Pop(店頭用製品紹介ビデオ)をハイビジョン制作した。マリモレコーズは、撮影から編集、サウンドまでをワンストップでスピーディーに制作するのを得意としているプロダクションだ。今回のE-Popでは、前半で新製品の特徴を簡潔にまとめるとともに、後半では実際のセッティング方法などを解説する映像で、8分ほどの番組になっている。

router01.jpg

HDVカムコーダーとHDMI入力ボードで効率化

「店頭販売促進用のE-Pop制作をすることが決まってから、企画から納品までは約1カ月で行わねばなりませんでした。制作にあたり、内容は製品の特徴と簡単な使い方を盛り込むことが求められました。これに加え、従来のDVD-Videoを活用するだけでなく、ワイドサイズのノートPCを活用したいので、フルHDのインタレースで制作して欲しいという要望がありました」

ハイビジョン制作指定の販促企画であったと話すのは、マリモレコーズで映像制作を統括した江夏由洋氏だ。江夏氏は、E-Popの構成を、映像の前半の新機能紹介部分は静止画を組み合わせ、後半のセッティング方法でビデオ映像を活用していくという内容を提案。短時間で収録と制作をするための制作ワークフローとして、撮影から仕上げまでファイルベースで行うことを選択したという。

撮影時間・制作時間が限られるなか、映像品質を維持しながらもローバジェットのハイビジョン制作をどう効率化していくかという点で、HDVカムコーダーHVR-Z5Jを使用してHDMI出力を活用することに決めたという。

「HVR-Z5Jオプション製品でのコンパクトフラッシュ収録やハードディスク収録を活用せずにHDMI出力を利用したのは、横幅が1440ピクセルのHDVベースではなく、なるべく高精細な映像を利用したかったんです。このHDMI出力を記録するために、スタジオに持ち込むデスクトップPCに、新たにブラックマジックデザイン製入出力カードIntensity Proを導入しました。このIntensity ProにHVR-Z5JのHDMI出力を入力することで、ハードディスクレコーディングをしました」

IntensityPro.jpg

江夏氏は、E-Pop利用で放送用クオリティが必要ではないことに注目。Intensity Proでは非圧縮またはMotion JPEGでの収録が可能だが、今回はより軽いデータで制作スピードを上げられるようにMotion JPEGでの収録を選択したという。Motion JPEGとはいえビットレートは約40Mbpsもあり、E-Pop利用であれぱ充分な品質が保てると判断した。これにより、収録用に用意するディスク環境も、高価なRAIDディスク環境ではなく、2台のドライブを使用したRAIDディスクで、実効転送スピードが120Mbps程度のもので収録が可能になったそうだ。

収録時のモニタ環境として、ソニー製のHDMI入力の付いた22型ハイビジョン液晶ディスプレイも導入。Intensity ProのHDMI出力を液晶ディプレイに入力することで、ハードディスクにMotion JPEGで記録しつつ同時にモニタ出力し、収録映像を確認できるようにしたという。Intensity Proの活用面では、新製品製品セットアップ時のPC操作画面をキャプチャすることも考慮していたと、江夏氏は話した。

「PCのRGBディスプレイ出力をスキャンコンバーターでコンポジット出力信号に変換し、その信号をIntensity Proのコンポジット入力に接続することでハードディスク収録するという方法もテストしました。SD解像度の作品であれば大丈夫だったのですが、指定されたフルHDの作品として仕上げるには問題が生じたので、今回は操作画面もHVR-Z5Jで撮影しました」


[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2009-09-30 ]
[ TAG : HVR-Z5J VFX 2009 ]

この記事に関連する記事一覧

[VFX 2009]02:MV/フィルム撮影、ファイルベース収録を作品で使い分ける

[VFX 2009]02:MV/フィルム撮影、ファイルベース収録を作品で使い分ける

MVやTV番組のタイトルパック、STATION IDなどを演出するディレクターの中には、自ら CGや合成、モーション・グラフィックス、編集を手がける人材が多くいる。現在活躍中の映像 .... 続きを読む

[VFX 2009]01:映画/フィルムワークフローを変えずにデジタル化

[VFX 2009]01:映画/フィルムワークフローを変えずにデジタル化

『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー/侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』絶賛公開中 ©石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 ©2009 テレビ .... 続きを読む

[VFX 2009]00:ワークフロー改善から生まれる映像品質の向上

[VFX 2009]00:ワークフロー改善から生まれる映像品質の向上

番組・CM、映画、ミュージックビデオ(MV)、プロモーションビデオ(PV)など、各種映像制作においては、CGやVFXを使用せずにただ繋ぐだけの映像は少なくなっている。もちろん分野や .... 続きを読む

[特集:次世代収録環境へのアプローチ]~ソニー編2~ 現場ワークフローへの対応を意識した製品が充実

[特集:次世代収録環境へのアプローチ]~ソニー編2~ 現場ワークフローへの対応を意識した製品が充実

ソニーは今年1年、XDCAM EXシリーズ、HDVシリーズの新製品のカムコーダーを次々に発売してきた。テープレス化・HD化だけを目的とするのではなく、現場のワークフローへの対応を意 .... 続きを読む

[特集:次世代収録環境へのアプローチ]~ソニー編1~ 怒濤の攻めに転じ、新製品を次々に投入

[特集:次世代収録環境へのアプローチ]~ソニー編1~ 怒濤の攻めに転じ、新製品を次々に投入

怒濤の攻めに転じ、新製品を次々に投入今年のSONYは一体どうしちゃったんだ?とも思える新製品の登場が目白押しだった。しかもそのどれもがユーザーベースに考えられた製品とも取れる魅力の .... 続きを読む

USTREAM生放送番組

PRONEWS Lounge
テーマに沿ったゲストを招き、対談・ディスカッションなどを特設会場より生放送。過去放送分も視聴できます。

特集記事

CES 2012レポート
世界最大級の家電見本市CES2012の現場から、PRONEWSならではの切り口でレポートをお届け。
PRONEWS AWARD 2011
2011年を振り返りつつ、2012年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。
Inter BEE 2011 スペシャルレポート Inter BEE 2011スペシャルレポート
千葉幕張メッセにて開催されるInterBEE2011。PRONEWSでは今年もInterBEEのオフィシャルメディアパートナーとして、様々なコンテンツをお届け!
Inter BEE 2011の歩き方 Inter BEE 2011の歩き方
最小限の力で最大の効果が得られるInterBEE2011のおすすめの歩き方を、目的に合わせたコースごとに紹介する。
CEATEC JAPAN 2011 CEATEC JAPAN 2011
10月4日(火)から10月8日(土)まで幕張メッセにて開催される最先端IT・エレクトロニクス総合展 "CEATEC JAPAN 2011"をプロの視点からレポートする。
Movie Maker's GIG in Europe Movie Maker's GIG in Europe
オランダ・アムステルダムで開催されたIBC2011レポートを中心に、新たに湧き起こって来た映像技術における次世代の新テーマなど、現場から伝わって来たその温度感をレポートする。
PRONEWS課題図書 PRONEWS課題図書
2011年の夏の終わりに、あらためて「映像」に関わるものとして「映像」について考え、新解釈を探る事にした。
SIGGRAPH2011 SIGGRAPH2011
CGの祭典「SIGGRAPH」が8月7日から11日の5日間、カナダ・バンクーバーで開催された。受賞作品を映像と共に紹介する。
Stereoscopic 3D 第4章 Stereoscopic 3D 第4章
1年ぶりの3D特集。この間に3Dを取り巻く状況はどのように変化しただろうか?押さえておくべき3Dの基礎を考えつつ、2011年の3Dを再考してみる。
Movie Maker's GIG in Hollywood Movie Maker's GIG in Hollywood
セッション(GIG)感覚で映画が創れる時代の潮流をハリウッドではどう捉えているのか?CineGearExpoの情報もお伝えしつつ、次世代のプロ映像制作者像を追い求める。
Master Mind Camera 2011 Master Mind Camera 2011
今必要な理想のカメラを追求しつつ、カメラを使う人と機能から紐解いていく。
NAB2011 NAB2011 スペシャルレポート
4月11日から米ラスベガスにて開催された世界最大の放送機器展「2011 NAB Show(NAB2011)」。毎年恒例のレポート特集を現地よりお届け。
USTREAM最終案内+ USTREAM最終案内+
奇しくも、今回の震災でのライブメディアが活躍する事になった。3.11以後USTREAMをはじめとするライブメディア/ソーシャルメディアのあり方を今一度取り上げてみたい。
ファイルベース新時代 ファイルベース新時代
ファイルベースの進化は、VTRの進歩とともに現在に繋がってくる。1950年代に開発されたVTRを起点にその流れを簡単にさかのぼってみよう。
Into the Lens
『CP+』における取材を通じて、2011年のプロ映像界におけるレンズの世界最新事情や表現者たちの最新機材での挑戦を追う。
CES 2011レポート
世界最大級の家電見本市CES2011の現場から、PRONEWSならではの切り口でレポートをお届け。
PRONEWS AWARD 2010
2010年を振り返りつつ、2011年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。
Inter BEE 2010スペシャルレポート
千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2010のレポート記事や動画を掲載。
Inter BEE 2010の歩き方
目的に合わせたInterBEE2010の歩き方を紹介する。
映像品質検証 -VQC-
デジタル映像全盛の今、問われる映像品質検証の現状とは?
DSMC/DSLR 2010 #2
現場感覚におけるDSLRの現状の捉えられ方を取材してみた。
Stereoscopic 3D 第3章
ステレオスコピック3Dの具体的な制作方法を考えていく。
Ustream最終案内
Ustreamの世界の可能性を実際に現場で活躍する人々から探ってみた。
Digital Cinematography 2010
Cine Gear EXPOの様子などから、これからのハリウッド映像制作の方向性を紹介する。
Stereoscopic 3D 第2章
関心が高まっているステレオスコピック3Dコンテンツの制作について整理していく。
DSMC・DSLR 2010
CP+のレポートを中心に、2010年のDSMC/DSLRの動向について考察していく。
ファイルベース収録カメラ最新案内
ファイルベース収録カメラを選択するための基準や基礎知識等を、レビューを交えて考察する。
Transcode
ファイルベース・ワークフローの普及と共によく目にするようになったトランスコードについて整理する。
映像新時代2010
2010年の映像制作の潮流を様々な方面から予想していく。
稲田出のトレンド100選
InterBEE2009で見た2010年注目100アイテムを紹介。
PRONEWS AWARD 2009
2009年を振り返りつつ、2010年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。
Inter BEE 2009スペシャルレポート
千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2009のレポート記事やブース動画を掲載。
Inter BEE 2009の歩き方
目的に合わせたInterBEE2009の歩き方を紹介する。
最新映像制作ワークフロー VFX 2009
最新映像制作ワークフローの中から、制作効率を改善していくヒントを探す。
オンボードライト特集 Light House
新時代を予感させるLEDを中心にオンボードライトを解剖する。
立体視映像特集 Stereoscopic 3D
再び脚光を浴び始めているステレオスコピック3D制作に焦点を当てる。
REDワークフロー特集 RED flow Now
RED ONEの最新ワークフローを考える。
4Kデジタルシネマ特集 4K Ready!
RED ONEの登場で一気に注目されつつある4K映像とは?
デジタルサイネージ特集デジタルサイネージ2009
急速な広がりを見せるサイネージメディアを紹介する。
ワークフローの鍵を握るMXF
MXFファイルを活用する現場を取材し、制作ワークフロー全体に広がるMXFを紹介する。
フルデジタル制作移行、その課題と展望
フルデジタル制作環境に向けて乗り越えなければならない課題と、その先の可能性を紹介する。
2008年総括:これからの映像業界
2008年の売れ筋を見ながら、人気機材の動向を振り返ってみる。
次世代収録環境へのアプローチ
2008年のカメラ環境を踏まえ、次世代環境に必要なものを考える。

HOME  >  SPECIAL  >  [VFX 2009]03:PV/ポップな演出をしつつ、機能をしっかり伝える映像作り