初めて単眼レンズ3Dカメラをお披露目した「ソニー」

ceatec2009_sony.jpgのサムネール画像

今年のCEATECの映像関連機器でもっともホットな展示は、ソニーの3Dカメラ「ハイフレームレート単眼レンズ3D光学系システム」だ。従来の3Dカメラというと「ハーフミラーシステム」と呼ばれる左右の2台のレンズで撮るのが一般的だった。ソニーの単眼レンズ3D光学系システムは1つのレンズを通った光から、左右の映像を同時に分離する光学系を実現することで3D記録を実現している。レンズは1つだが、レンズ以降はカメラが2つ並んでいるようなイメージと考えると分かりやすいだろう。

これまでのハーフミラーシステムでは、対象に両眼の視線を合わすことが困難だったが、そういった問題も解決している。ブースのデモ映像では、手前に合わせたフォーカスから奥にフォーカスを動かしても映像がずれないことなどを説明していた。

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本体の重量は18kg。従来のハーフミラーシステムは右眼用と左眼用の2つのレンズを持つので非常に大掛かりなシステムになりがちだったが、単眼レンズ3D光学系システムはその外見の通り、通常のカメラに近いスタイルを実現している。また、毎秒240フレーム撮影による高画質映像で、スポーツなどの動きの激しい被写体を撮影する際も動画品質の高い3D映像を実現可能となっている。 再生された3Dの映像を見るためのアクティブシャッター方式メガネ。通常の眼鏡の上からかけることも可能
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3D対応デジタルシネマプロジェクター「SRX-R220」。RealD 3Dシステム(水平解像度2,048本、RGB4:4:4、60p上映)による高品質な3D上映に対応。デジタルシネマ規格で唯一の4K×2K画素プロジェクターで、デジタル上映に必要な機器をオールインワンパッケージで実現している。
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参考展示だが2010年には商品化の予定の3D対応液晶テレビ「ブラビア」。右目・左目用の映像を交互に表示するフレームシーケンシャル表示方式を採用。3D対応の映像をメガネなしで見るとみると左右にずれた状態に見える。

50v型プラズマテレビでフルHD3D映像を体験できる「パナソニック」

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3D映像対応機器の「フルHD・3D対応50v型PDP」と「高精度アクティブシャッター・メガネ」が展示されていた。両製品とも2010年の商品化を目指している。映画「AVATAR」をはじめとするデモ映像でフルHD 3Dの世界を体験できるコーナーには長い行列ができていた。

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「フルHD・3D対応50v型PDP」は、右眼・左眼それぞれに、1,920×1,080画素の情報量をフレームごとに時分割で再生・表示させる「フルHD×2フレームシーケンシャル方式」を採用。この方式とフルHDPDPとの組み合わせにより、高品位なフルHDの3D映像を再現している パナソニックが開発した「高精度アクティブシャッターメガネ」。PDPに表示する右眼・左眼の映像とアクティブシャッターを高精度に制御する技術を搭載している
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「フルHD・3D対応50v型PDP」は、右眼・左眼それぞれに、1,920×1,080画素の情報量をフレームごとに時分割で再生・表示させる「フルHD×2フレームシーケンシャル方式」を採用。この方式とフルHDPDPとの組み合わせにより、高品位なフルHDの3D映像を再現している

通常の2D映像をリアルタイムで3D変換の「東芝」

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東芝のブースでは3D表示が可能な「3D CELL REGZA」を参考出展した。3D表示の体験にはメガネを使う。映像エンジン「CELLプラットフォーム」を用いて、通常の2D画像から生成した3D画像のデモや、距離センサーを使った空間モーション操作と立体GUI表示による提案デモを行った


裸眼で3D表示を体験できる「エイコー」

ここまで紹介した3D対応モニタは専用のメガネを必要としていたが、「INP 3D Lens Adaptor」は裸眼で3D表示を体験できる。このシステムは、パナソニックの50インチモニタ用のレンズアダプタで、モニタにかぶせるような形で使用する。試聴位置は「テレビから4メートル離れたところ」と限定されるが、確かに裸眼のままで立体表示に見える。実は画面には9個のカメラの映像を同時に表示してるのだが、レンズアダプタを通して画面を見ると右目と左目では違う絵が見える仕組みになっている。コンテンツは同製品専用の映像に限られるが、CGベースならばエンドユーザーでもコンテンツの制作が可能とのこと。