今回は、照明編である。今トレンドのLEDを中心に照明の世界を紹介したい。 LEDは、小型軽量、長寿命、省電力などの特徴を生かし、ハンディライトやカメラに取り付けて使用するオンボードライトなどで圧倒的な普及を遂げているが、今まで、大光量が必要になる分野で導入が困難であった。ただ、LED素子を多数並べることで、面光源としての利用は進んでいる。タングステンや蛍光灯、HMIの新製品は少なくなったものの、適材適所の場がまだあり、今回の機材展でもいくつか見かけることができた。

LEDは白色のほか、様々な色のものがあり、これらを組み合わせて色温度を連続的に可変できるようにしたものや照射角の異なる素子を組み合わせてフォーカス機能を備えた物も出現し、活躍の場を広げている。

アガイ商事

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写真関係の照明機材を扱っていた同社だが、大型ストロボで名のあるbroncolor社とkobold社が合弁したことからフィルムやビデオの照明機材も手がけるようになった。koboldの照明機材は小型のバッテリー型リポーターライトのほか、蛍光灯、タングステン、HMIといった様々な種類を揃えているだけでなく、リフレクターやレンズ、ソフトボックスなど周辺機器も充実している。会場で人目を引いていた大きなパラソル型のリフレクターは、コボルトパラ220FPで直径が220cmもある。

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全天候型ランプユニットDW800。シャワーで水をかけても問題ないことをデモンストレーションしていた。200W、400W、575W、800Wのバリエーションがあるほか、バラストやバーンドア、フィルターなどがセットになったキットも用意されている。

http://www.agai-jp.com/

コボルトパラ220FP。直径220cmの24面の反射面をもつ大型パラボラ型リフレクター。ランプヘッドの位置を前後に動かしてフォーカス調整できる。簡単にセットアップ可能な折りたたみ式で、専用の布製ハニカムグリットもある。

http://www.bronkobold.de/

メディアガーデン

ライトパネル社の製品のうち放送業務用のシステムはメディアガーデンが代理店となっており、オンボードライトはボーゲンイメージングが代理店となっている。メディアガーデンでは、1×1シリーズの新製品をいくつか出展した。

http://www.media-garden.co.jp/

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新製品として出展された1×1シリーズ。色温度の異なるLEDを配置することで、色温度の調整ができる Bi-Colorや照射角の異なるLEDを搭載し、照射角を調節できる電子式フォーカス機能を備えたBi-focus、LEDの角度を40°にし、狭い空間や天井への設置が容易なLow-Profileなどの新製品を出展。

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MiniPlusシリーズは、オンボードのライトだけでなく、仕込みライトとしても使用できる。取り付け用アクセサリーやフィルターなど様々なオプションが用意されている。なお、電源は専用バッテリーのほか、小型ビデオカメラ用のバッテリーマウント(ソニー、パナソニック、キヤノン)、キャノン4ピンケーブル、ACアダプターなどが用意されている。無段階の調光が可能で、ワイヤードのリモートにも対応している。

http://www.litepanels.com/

シネマックス

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CMX-LENS LITEは、装着するカメラレンズに合わせ、77から100mmまでのステップダウンリングを用意しており、ほとんどのカメラに装着可能なほか、フィルタートレーが装備されており、4×4または4×5の角型フィルターを装着することができる。高輝度の白色LEDを採用することで、色温度を変えずに5%から100%まで調光できるほか、オプションで、トップのフレンチフラッグや最大200mmの距離からリモート調光できるワイヤレス調光ユニットなどが用意されている。

http://www.cinemax.jp/

富士ライト

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セラミックメタルハライドランプUCM50W採用した高効率照明器具。フォーカス操作性を向上したトリガー型レバーを採用しているほか、アルミ素材を採用した軽量ボディとなっている。

http://www.fujilight.jp

フィッシュアイ

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水陸両用のLEDハンディライトFIX LED1000DX。ライト内部が一定温度まで上昇すると、サーモスタットが働き自動的に最低光量まで下げる機能やバッテリーが一定の残量に達すると、自動的に最低光量まで落とし10分以上の点灯時間を確保する機能などを装備している。

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光量はハロゲンライトの約3倍。消費電力は約1/3の性能を持つメタルハライド水中ライトDarkbuster 21W/24W。色温度は太陽光に近い6800Kで、高容量のバッテリーを採用することで、24Wで2時間15分、21Wで2時間40分の長時間点灯が可能。グローブをした手でも操作がしやすいON/OFFスイッチをライトの背面に配置したほか、充電用コネクターもライト背面に配置することで、フロントケースを開けることなく充電が可能。なお、よりハイパワーなDarkbuster 35W(来春発売予定)がラインナップに加わった。

http://www.fisheye-jp.com/

ケンコープロフェショナルイメージングKPI

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デドライトmini DLOB LEDライト。デドライト独自の光学系ダブルアスフェリカルレンズを採用することで、LEDでありながら4~56°まで照射角をフォーカシングすることが可能なほか、どの照射角度に設定した場合でも、明るさは均一といった特徴をもつ。フロントレンズ内には色補正フィルターを内蔵しているほか、Dタップバッテリーケーブルやソニー、パナソニックのカメラで使用しているバッテリーも使用可能。

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米国ペリカン社の防水型LEDライト。バッテリーを内蔵しており、8時間の充電で約15時間連続して使用することができる。また、IP44の防水規格適合しているので、風雨の中でも利用することができる。

http://www.kenko-pi.co.jp/

パナソニック

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LightMixer-∞は、モジュール構成で自由な構成を実現したスタジオ調光操作卓。プリレットモジュール、サブマスターモジュール、プレイバックモジュール、設定モジュールなどの機能モジュールを制作環境に合わせて構成、追加、組み換えができる。各モジュールは稼働中でも接続、切り離しが可能なプラグアンドプレイ方式を採用しており、ネットワークPCとの接続もできる。

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参考出品のLEDブロードライト。ランプ寿命約80倍で、ハロゲンブロードライトの約1.5倍の照度を実現している。左は、スタジオスポットライトNQS-25Rで、即時点灯が可能なHID250Wスポットライト。

http://denko.panasonic.biz/

VisioLight

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照明パネル面に白色LEDと暖色系のLEDを配置することで、色温度を2800から6500Kに段階的に変更することができるほか、無段階調光が可能。オンボードライトの電源は単3電池×6本とAC電源のほか、12V系の業務用ビデオカメラ電源にも対応。消費電力は7Wで、単3電池使用で約1.5時間の点灯することができる。スタンド装着タイプの大型のものもラインナップされている。国内販売はコメットが行う予定。

http://www.visiolight.com/

東芝ライテック

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AL-LED-H-W01は、バッテリーライトをLED化することで、DC24Vニッケル水素バッテリーAL-LB-24-8を使用した場合約10時間の長時間点灯を可能としたもので、色温度4200K、ビーム角85°で336lx(1m)の明るさをもつ。

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AL-LED-ML-NMは、色温度5000KのLED照明で、灯体3灯にスタンド3台、キャリングケースのセットとなっている。電源は、AC100V13.3W、筐体はアルミニウム合金と樹脂で、頑丈にできている。



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WRITER PROFILE

稲田出

稲田出

映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。