[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.02 押さえておくべきレンズ基礎知識とは?
2010-02-17 掲載
押さえておくべき基礎知識
■フランジバック調節
▴フランジバック調節はF.Bという表示が付いているリングを回して行う
ビデオ用のレンズは、一眼レフカメラの交換レンズのように特定のカメラメーカー用のレンズではなく、現在では一部を除き、汎用性のあるマウントになっている。購入時に装着されている、または標準付属されているレンズを除き、フランジバックの調節が必要になる。この調節を行っておかないと、ズームしたときにピントがずれてしまったり、無限遠でピントが合わないといったことになる。
調節の方法は、レンズのアイリス調節をマニュアルにして絞りを開放にする。ズームを最望遠にしてピントを調節。ズームを最広角にしてレンズのマウント部分にあるフランジバック(F.Bという表示が通常付いているリングで、これを回すにはロックをはずす)のリングを回してピントが合うように調節する。ズーム全域でピントが合うように一連の操作を繰り返し追い込んでいく。詳細はカメラや交換レンズの説明書にもあるので参照されたい。
また、ピント合わせ用の専用チャート(ジーメンスチャート)が付属している場合はこれを使うと便利だ。ピントを合わせる被写体(この場合チャート)はなるべく遠くに(レンズによりけりだが、5~10mくらいの距離はほしい)おいておく。ピントの確認は、ビューファインダーではなく、できればフルハイビジョンのモニターで行うようにしたい。フランジバック調節は結構面倒な作業だが、これをちゃんとしておかないと、望遠側でピント合わせを行うようなことはできないし、ズーミングでピントがズレてしまう。なお、カメラが変われば、同じ型番のカメラでもフランジバックの調節は必要となる。レンタルでレンズを借りる場合など、装着するカメラを持ち込んで調節してもらえることもあるが、通常有料である。
■アイリスのF
▴レンズの絞りは√2倍のステップになっている
レンズの明るさを表す単位としてビデオではFという単位が使われているが、実際の明るさを表していない。ビデオ用のズームレンズのように何十枚もレンズを使っていると光量が多少落ちる。 特に高倍率のズームレンズでは、1絞り以上暗くなるのが一般的だ。映画などで使われるレンズでは、絞りの単位はFではなく実際の明るさを表すTという単位が使われている。これは、映画用のフィルムカメラにはオートアイリスや露出計が装備されておらず、単体の露出計で明るさを測って運用するため、実際の明るさが重要になってくるからだ。
Fは、レンズの焦点距離をそのレンズの前玉の直径(有効口径)で割った数値なので、望遠側では、Fドロップといって開放F値が暗くなるのが普通だ。 計算上では、広角から望遠にいくに従いリニアに開放F値が暗くなるはずだが、実際は広角から望遠側近郊まで一定でそこから最望遠に行くに従い暗くなっていくようになっている。
Fドロップがどこから始まるかはレンズによって異なり、スペックにも明記されている。スペック表では、最大口径比1:1.8 ( 7.6 ~102mm )、1:2.3 ( 130 mm )といった表記が一般的だが、7.6 ~102mmの範囲がF1.8で102mmから徐々に暗くなり130mmでF2.3になるということである。130mmでいきなりF2.3になるということではない。
Fドロップは、一般的なビデオ撮影で問題になることはないと思うが、高倍率のズームレンズをマニュアルアイリスで使うような場合は注意したほうがよいだろう。なお、カメラにFドロップを自動的に補正する機能を搭載したものもある。 ちなみに、レンズにはF1.4、 2、 2.8、 4、 5.6、 8、 11、 16、 22、 32といった数値になっており、1絞りは√2倍のステップになっている。
[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2010-02-17 ]
[ TAG : ファイルベース収録カメラ最新案内 ]
この記事に関連する記事一覧
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.09 ビクター:GY-HM700機能・特徴 ビクターといえば、蓄音機に耳を傾けるニッパー君が有名だが、細長いボディの GY-HM700はフォックステリアではなく、ダックスフントといったイメージである。昨年の6月 .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.08 パナソニック:AG-HPX305機能・特徴 P2シリーズのラインアップのうち、肩のせタイプのエントリーモデルであるAG-HPX305は、昨年発表になったばかりの新製品だが、発表時意外だったのは撮像素子にCMOSを .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.07 ソニーPMW-350ソニーPMW-350 機能・特徴 PMW-350は、先に発売されたPMW-EX1RやEX3の流れを汲むExmor CMOSを採用したカメラだが、撮像素子のサイズが1/2型か .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.06 池上通信機テープレスカメラHDS-V10今回の特集は、前半戦として、ファイルベース収録カメラの基礎をお伝えしてきたが、これから4回にわたって、実際にカメラを取り上げながら、ファイルベース収録について考えてみたい(稲田 .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.05 ファイルフォーマットとワークフロービデオカメラの収録フォーマットは概ねMPEG-2かMPEG-4 AVC/H.264系の2種類となっている。MPEG-2は比較的長く映像制作で使われてきたフォーマットで、いわば枯れ .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.04 カメラの光学系基礎知識カメラの光学系基礎知識 例外的にRED ONEのようなカメラもあるが、業務用カメラの光学系は殆どが3板式となっている。撮像素子を1枚しか使わないビデオカメラは感度や画質の面で不利な .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.03 撮像素子(センサー)を考える!CCDまたはCMOSの関係に迫る! ビデオカメラの撮像素子(センサー)は、放送用はCCD、業務用はCCDまたはCMOSが採用されている。撮像素子は感度、ノイズ、ダイナミックレンジと .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.01 レンズとセンサーサイズを考える!レンズとセンサーサイズを考える! ビデオカメラの光学系は業務用の3板式ポータブルカメラの場合は1/3、1/2、2/3型の3種類となっている。2/3型は、SDの撮像管時代から使われ .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.00 今選ぶべきカメラとは?ビデオ信号の記録にはアナログ記録の時代からテープが使用されてきた。記録がデジタルになり、さらにHDになったあたりからVTRという物理的なメカニズムに依存したフォーマットから解放され .... 続きを読む |
USTREAM生放送番組
|
PRONEWS Lounge テーマに沿ったゲストを招き、対談・ディスカッションなどを特設会場より生放送。過去放送分も視聴できます。 |
特集記事
|
CES 2012レポート 世界最大級の家電見本市CES2012の現場から、PRONEWSならではの切り口でレポートをお届け。 |
|
|
PRONEWS AWARD 2011 2011年を振り返りつつ、2012年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。 |
|
|
Inter BEE 2011スペシャルレポート 千葉幕張メッセにて開催されるInterBEE2011。PRONEWSでは今年もInterBEEのオフィシャルメディアパートナーとして、様々なコンテンツをお届け! |
|
|
Inter BEE 2011の歩き方 最小限の力で最大の効果が得られるInterBEE2011のおすすめの歩き方を、目的に合わせたコースごとに紹介する。 |
|
|
CEATEC JAPAN 2011 10月4日(火)から10月8日(土)まで幕張メッセにて開催される最先端IT・エレクトロニクス総合展 "CEATEC JAPAN 2011"をプロの視点からレポートする。 |
|
|
Movie Maker's GIG in Europe オランダ・アムステルダムで開催されたIBC2011レポートを中心に、新たに湧き起こって来た映像技術における次世代の新テーマなど、現場から伝わって来たその温度感をレポートする。 |
|
|
PRONEWS課題図書 2011年の夏の終わりに、あらためて「映像」に関わるものとして「映像」について考え、新解釈を探る事にした。 |
|
|
SIGGRAPH2011 CGの祭典「SIGGRAPH」が8月7日から11日の5日間、カナダ・バンクーバーで開催された。受賞作品を映像と共に紹介する。 |
|
|
Stereoscopic 3D 第4章 1年ぶりの3D特集。この間に3Dを取り巻く状況はどのように変化しただろうか?押さえておくべき3Dの基礎を考えつつ、2011年の3Dを再考してみる。 |
|
|
Movie Maker's GIG in Hollywood セッション(GIG)感覚で映画が創れる時代の潮流をハリウッドではどう捉えているのか?CineGearExpoの情報もお伝えしつつ、次世代のプロ映像制作者像を追い求める。 |
|
|
Master Mind Camera 2011 今必要な理想のカメラを追求しつつ、カメラを使う人と機能から紐解いていく。 |
|
|
NAB2011 スペシャルレポート 4月11日から米ラスベガスにて開催された世界最大の放送機器展「2011 NAB Show(NAB2011)」。毎年恒例のレポート特集を現地よりお届け。 |
|
|
USTREAM最終案内+ 奇しくも、今回の震災でのライブメディアが活躍する事になった。3.11以後USTREAMをはじめとするライブメディア/ソーシャルメディアのあり方を今一度取り上げてみたい。 |
|
|
ファイルベース新時代 ファイルベースの進化は、VTRの進歩とともに現在に繋がってくる。1950年代に開発されたVTRを起点にその流れを簡単にさかのぼってみよう。 |
|
|
Into the Lens 『CP+』における取材を通じて、2011年のプロ映像界におけるレンズの世界最新事情や表現者たちの最新機材での挑戦を追う。 |
|
|
CES 2011レポート 世界最大級の家電見本市CES2011の現場から、PRONEWSならではの切り口でレポートをお届け。 |
|
PRONEWS AWARD 2010 2010年を振り返りつつ、2011年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。 |
|
|
Inter BEE 2010スペシャルレポート 千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2010のレポート記事や動画を掲載。 |
|
|
Inter BEE 2010の歩き方 目的に合わせたInterBEE2010の歩き方を紹介する。 |
|
|
映像品質検証 -VQC- デジタル映像全盛の今、問われる映像品質検証の現状とは? |
|
|
DSMC/DSLR 2010 #2 現場感覚におけるDSLRの現状の捉えられ方を取材してみた。 |
|
|
Stereoscopic 3D 第3章 ステレオスコピック3Dの具体的な制作方法を考えていく。 |
|
|
Ustream最終案内 Ustreamの世界の可能性を実際に現場で活躍する人々から探ってみた。 |
|
|
Digital Cinematography 2010 Cine Gear EXPOの様子などから、これからのハリウッド映像制作の方向性を紹介する。 |
|
|
Stereoscopic 3D 第2章 関心が高まっているステレオスコピック3Dコンテンツの制作について整理していく。 |
|
|
DSMC・DSLR 2010 CP+のレポートを中心に、2010年のDSMC/DSLRの動向について考察していく。 |
|
|
ファイルベース収録カメラ最新案内 ファイルベース収録カメラを選択するための基準や基礎知識等を、レビューを交えて考察する。 |
|
|
Transcode ファイルベース・ワークフローの普及と共によく目にするようになったトランスコードについて整理する。 |
|
|
映像新時代2010 2010年の映像制作の潮流を様々な方面から予想していく。 |
|
|
稲田出のトレンド100選 InterBEE2009で見た2010年注目100アイテムを紹介。 |
|
|
PRONEWS AWARD 2009 2009年を振り返りつつ、2010年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。 |
|
|
Inter BEE 2009スペシャルレポート 千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2009のレポート記事やブース動画を掲載。 |
|
|
Inter BEE 2009の歩き方 目的に合わせたInterBEE2009の歩き方を紹介する。 |
|
|
最新映像制作ワークフロー VFX 2009 最新映像制作ワークフローの中から、制作効率を改善していくヒントを探す。 |
|
|
オンボードライト特集 Light House 新時代を予感させるLEDを中心にオンボードライトを解剖する。 |
|
|
立体視映像特集 Stereoscopic 3D 再び脚光を浴び始めているステレオスコピック3D制作に焦点を当てる。 |
|
|
REDワークフロー特集 RED flow Now RED ONEの最新ワークフローを考える。 |
|
|
4Kデジタルシネマ特集 4K Ready! RED ONEの登場で一気に注目されつつある4K映像とは? | |
|
デジタルサイネージ特集デジタルサイネージ2009 急速な広がりを見せるサイネージメディアを紹介する。 |
|
|
ワークフローの鍵を握るMXF MXFファイルを活用する現場を取材し、制作ワークフロー全体に広がるMXFを紹介する。 |
|
|
フルデジタル制作移行、その課題と展望 フルデジタル制作環境に向けて乗り越えなければならない課題と、その先の可能性を紹介する。 |
|
|
2008年総括:これからの映像業界 2008年の売れ筋を見ながら、人気機材の動向を振り返ってみる。 |
|
|
次世代収録環境へのアプローチ 2008年のカメラ環境を踏まえ、次世代環境に必要なものを考える。 |
展示会レポート
- CES 2012
- Inter BEE 2011
- CEATEC JAPAN 2011
- IBC2011
- SIGGRAPH2011
- デジタルサイネージジャパン2011
- IMC TOKYO 2011
- Cine Gear EXPO 2011
- NAB2011
- CES 2011
- Inter BEE 2010
- CEATEC JAPAN 2010
- IBC2010
- CEDEC2010
- SIGGRAPH2010
- ケーブルテレビショー2010
- IMC TOKYO 2010
- デジタルサイネージジャパン2010
- Cine Gear EXPO 2010
- NAB2010
- Inter BEE 2009
- CEATEC JAPAN 2009
- CEDEC2009
- SIGGRAPH2009
- ケーブルテレビショー2009
- デジタルサイネージジャパン2009
- IMC TOKYO 2009
- Cine Gear EXPO 2009
- NAB2009
- Inter BEE 2008
- CEATEC JAPAN 2008
- SIGGRAPH2008
- ケーブルテレビショー2008
- IMC TOKYO 2008
- NAB2008
- PIE2008
- Inter BEE 2007
- CEATEC JAPAN 2007
- BroadcastAsia2007
- ケーブルテレビショー2007
- NAB 2007
- Inter BEE 2006
- CEATEC JAPAN 2006
- SIGGRAPH2006
- NAB2006
