[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.06 池上通信機テープレスカメラHDS-V10
2010-02-24 掲載
今回の特集は、前半戦として、ファイルベース収録カメラの基礎をお伝えしてきたが、これから4回にわたって、実際にカメラを取り上げながら、ファイルベース収録について考えてみたい(稲田 出)。
池上通信機テープレスカメラHDS-V10
機能・特徴
同社はビデオカメラの老舗メーカーとして、箱型のスタジオカメラを始めとして局用のビデオカメラを数多く手がけており、業界では定評のあるメーカーである。GFCAM HDS-V10はこうした同社のカメラ技術と東芝のNAND型フラッシュメモリー技術のコラボレーションによるMXFに対応したファイルベース収録可能なビデオカメラだ。
記録フォーマットは、MPEG-2 422@HLで、1920×1080iに対応している。なお、オプションで1280×720pにも対応可能だが、1080iと720pでは異なるCCDを搭載するようになっており、工場出荷時指定である。記録媒体はGFシリーズ専用のフラッシュメモリーパックで16GB、32GB、64GBの3種類が用意されており、MPEG-2 422@HL/I frame only 100Mbpsで最大120分の記録が可能となっている(64GBパック使用時)。また、オプションのコンパクトフラッシュアダプターGFPAK CF ADAPTORにより、一般に普及しているCFメモリーカードを使用することができる。ただし、転送レートの問題もありこの場合の記録フォーマットはMPEG-2 HD LONG GOP 50Mbpsとなり、MPEG-2 422@HL/I frame only 100Mbpsでの記録はできない。
2006年に発売されたEditcam HD(HDN-X10)は、Avid DNxHDの8bit・145Mbitをサポートしているほか、1080i/59.94だけでなく1080i/50、1080/24p、720/60p、720/50pなど全てのHDフォーマットに対応している。このあたりがGFCAMとEditcamのすみわけとなりそうだ。
| 記録媒体はGFシリーズ専用のフラッシュメモリーパックを採用 | コンパクトフラッシュアダプターGFPAK CF ADAPTORにより、CFメモリーカードを使用す可能 |
外観・操作性
外観デザインはEditcam HDを踏襲しており、入出力や操作スイッチなどは機能的な違いから異なる部分はあるがほぼ同様なデザインだ。ホワイト/ブラックバランスやゲインアップ、カラーバー/カメラ、色温度のプリセット、電源といったよく使う基本的なスイッチ類はこのクラスのENGカメラでは標準的な配置で、他のカメラからこのカメラに乗り換えても操作に戸惑うことはないだろう。
また、後部には3.5型のLCDモニターが装備されており、記録モードやメモリーの残量、電源、音声レベル、タイムコード情報などが表示され、これを見れば一目でカメラの設定状態が把握できるようになっている。この表示部は記録されたクリップの再生画像確認やサムネイル表示などが行えるので、収録クリップの簡単な整理にも使えるようになっている。
LCDモニターが装備されており、これを見れば一目でカメラの設定状態が把握できる
このあたりの作り込みは、テープベースのカメラからファイルベースのカメラへの移行がスムーズに行える配慮であろうか。テープベースのカメラと簡易再生プレーヤーが一体となったイメージで、メニューも含めテープベースでの運用になれたカメラマンでも違和感なく操作できるようになっている。
GFCAMは主に報道としての用途として設計されているようで、電源を入れてから3秒以内に収録することができるクイックレコーディング機能やRECボタンを押した時点からさかのぼって最大25秒前の映像を記録することができるレトロループレコーディング機能などを備えており、撮り逃しがなく確実な撮影が行えるようになっている。
また、カメラの各種セッティングのメモリーや頻繁に使用するスイッチ機能をカメラ側面のP.FUNCスイッチに割り当てることが可能など、迅速なセッティングや誤操作を防ぐ機能も備えている。 オプションのコンパクトフラッシュアダプターGFPAK CF ADAPTORなども、取材先での記録メディアの確保を考慮してのことであろう。
カメラ内部にキャッシュメモリーをもっており、25秒以内であればメモリーパックを交換しても連続した記録ができるパックレスレコーディング機能をもっているので、テープチェンジのタイミングなどを見計らう必要はなく長時間の撮影が可能だ。また、パックも使いきってから交換できるので、利用効率は高い。
GFCAMは単にテープベースのカメラをファイルベースのカメラに置き換えただけでなく、ファイル記録の利便性を機能追加したようなイメージだ。記録媒体であるGFPAKのサイズも昨今の小型ビデオカメラが採用しているような切手サイズのメモリーではなく、そこそこの大きさをもっており、コートのポケットなどに無造作に突っ込んでも後で探しまわるようなことのない程よいサイズだ。GFPAKにはテープのようにある程度書き込みができるスペースがあり、メモリーの使用量も液晶のバーグラフで常時表示されるようになっており、汎用のメモリーでは絶対に真似のできない専用パックならではの利便性で好感がもてる部分だ。
| カメラ後部のコネクター部分にはビデオ、オーディオなどほとんどのコネクターが集中配置されている | ハンドル下にはメモリーパックのエジェクトボタンやテープデッキを思わせるトランスポート系のスイッチが並んでいる |
| メモリーパックはテープと同様な感覚でカメラに装填する | メモリーの使用量も液晶のバーグラフで常時表示される |
[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2010-02-24 ]
[ TAG : HDS-V10 Ikegami ファイルベース収録カメラ最新案内 ]
この記事に関連する記事一覧
|
|
[InterBEE2011]池上通信機株式会社ブースレポート池上通信機は、Gateway to the FileBaseをテーマに16-bit 3G対応フルデジタルHDTVカメラシステム HDK-97A/APやフルデジタルマルチパーパスHD .... 続きを読む |
|
|
[NAB2011:Ikegami]「Sophisticated Products for Demanding Professionals」をテーマにファイルベースシステムGFなどを展示池上通信機は、「Sophisticated Products for Demanding Professionals」をテーマにファイルベースシステムGF seriesのほか、デジ .... 続きを読む |
|
|
[InterBEE2010]池上通信機株式会社ブースレポートiSTEP+(アイステッププラス)他多くの製品を展示 Seamless File Base Workflowをテーマに独自のアセットマネージメント技術を投入したトータルファイルベー .... 続きを読む |
|
|
[NAB2010:IKEGAMI]池上通信機~組み合わせたシステムの出展に注目池上通信機といえばビデオカメラだが、今回のNABではGFCAM HDS-V10のほか、3Dアプリケーションとして既存のカメラなどを組み合わせたシステムを出品した。また、新製品として .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.09 ビクター:GY-HM700機能・特徴 ビクターといえば、蓄音機に耳を傾けるニッパー君が有名だが、細長いボディの GY-HM700はフォックステリアではなく、ダックスフントといったイメージである。昨年の6月 .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.08 パナソニック:AG-HPX305機能・特徴 P2シリーズのラインアップのうち、肩のせタイプのエントリーモデルであるAG-HPX305は、昨年発表になったばかりの新製品だが、発表時意外だったのは撮像素子にCMOSを .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.07 ソニーPMW-350ソニーPMW-350 機能・特徴 PMW-350は、先に発売されたPMW-EX1RやEX3の流れを汲むExmor CMOSを採用したカメラだが、撮像素子のサイズが1/2型か .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.05 ファイルフォーマットとワークフロービデオカメラの収録フォーマットは概ねMPEG-2かMPEG-4 AVC/H.264系の2種類となっている。MPEG-2は比較的長く映像制作で使われてきたフォーマットで、いわば枯れ .... 続きを読む |
|
|
[ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.04 カメラの光学系基礎知識カメラの光学系基礎知識 例外的にRED ONEのようなカメラもあるが、業務用カメラの光学系は殆どが3板式となっている。撮像素子を1枚しか使わないビデオカメラは感度や画質の面で不利な .... 続きを読む |
- [ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.03 撮像素子(センサー)を考える! (2010-02-17)
- [ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.02 押さえておくべきレンズ基礎知識とは? (2010-02-17)
- [ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.01 レンズとセンサーサイズを考える! (2010-02-17)
- [ファイルベース収録カメラ最新案内]Vol.00 今選ぶべきカメラとは? (2010-02-17)
- [InterBEE2009]池上通信機株式会社ブースレポート (2009-11-19)
USTREAM生放送番組
|
PRONEWS Lounge テーマに沿ったゲストを招き、対談・ディスカッションなどを特設会場より生放送。過去放送分も視聴できます。 |
特集記事
|
CES 2012レポート 世界最大級の家電見本市CES2012の現場から、PRONEWSならではの切り口でレポートをお届け。 |
|
|
PRONEWS AWARD 2011 2011年を振り返りつつ、2012年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。 |
|
|
Inter BEE 2011スペシャルレポート 千葉幕張メッセにて開催されるInterBEE2011。PRONEWSでは今年もInterBEEのオフィシャルメディアパートナーとして、様々なコンテンツをお届け! |
|
|
Inter BEE 2011の歩き方 最小限の力で最大の効果が得られるInterBEE2011のおすすめの歩き方を、目的に合わせたコースごとに紹介する。 |
|
|
CEATEC JAPAN 2011 10月4日(火)から10月8日(土)まで幕張メッセにて開催される最先端IT・エレクトロニクス総合展 "CEATEC JAPAN 2011"をプロの視点からレポートする。 |
|
|
Movie Maker's GIG in Europe オランダ・アムステルダムで開催されたIBC2011レポートを中心に、新たに湧き起こって来た映像技術における次世代の新テーマなど、現場から伝わって来たその温度感をレポートする。 |
|
|
PRONEWS課題図書 2011年の夏の終わりに、あらためて「映像」に関わるものとして「映像」について考え、新解釈を探る事にした。 |
|
|
SIGGRAPH2011 CGの祭典「SIGGRAPH」が8月7日から11日の5日間、カナダ・バンクーバーで開催された。受賞作品を映像と共に紹介する。 |
|
|
Stereoscopic 3D 第4章 1年ぶりの3D特集。この間に3Dを取り巻く状況はどのように変化しただろうか?押さえておくべき3Dの基礎を考えつつ、2011年の3Dを再考してみる。 |
|
|
Movie Maker's GIG in Hollywood セッション(GIG)感覚で映画が創れる時代の潮流をハリウッドではどう捉えているのか?CineGearExpoの情報もお伝えしつつ、次世代のプロ映像制作者像を追い求める。 |
|
|
Master Mind Camera 2011 今必要な理想のカメラを追求しつつ、カメラを使う人と機能から紐解いていく。 |
|
|
NAB2011 スペシャルレポート 4月11日から米ラスベガスにて開催された世界最大の放送機器展「2011 NAB Show(NAB2011)」。毎年恒例のレポート特集を現地よりお届け。 |
|
|
USTREAM最終案内+ 奇しくも、今回の震災でのライブメディアが活躍する事になった。3.11以後USTREAMをはじめとするライブメディア/ソーシャルメディアのあり方を今一度取り上げてみたい。 |
|
|
ファイルベース新時代 ファイルベースの進化は、VTRの進歩とともに現在に繋がってくる。1950年代に開発されたVTRを起点にその流れを簡単にさかのぼってみよう。 |
|
|
Into the Lens 『CP+』における取材を通じて、2011年のプロ映像界におけるレンズの世界最新事情や表現者たちの最新機材での挑戦を追う。 |
|
|
CES 2011レポート 世界最大級の家電見本市CES2011の現場から、PRONEWSならではの切り口でレポートをお届け。 |
|
PRONEWS AWARD 2010 2010年を振り返りつつ、2011年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。 |
|
|
Inter BEE 2010スペシャルレポート 千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2010のレポート記事や動画を掲載。 |
|
|
Inter BEE 2010の歩き方 目的に合わせたInterBEE2010の歩き方を紹介する。 |
|
|
映像品質検証 -VQC- デジタル映像全盛の今、問われる映像品質検証の現状とは? |
|
|
DSMC/DSLR 2010 #2 現場感覚におけるDSLRの現状の捉えられ方を取材してみた。 |
|
|
Stereoscopic 3D 第3章 ステレオスコピック3Dの具体的な制作方法を考えていく。 |
|
|
Ustream最終案内 Ustreamの世界の可能性を実際に現場で活躍する人々から探ってみた。 |
|
|
Digital Cinematography 2010 Cine Gear EXPOの様子などから、これからのハリウッド映像制作の方向性を紹介する。 |
|
|
Stereoscopic 3D 第2章 関心が高まっているステレオスコピック3Dコンテンツの制作について整理していく。 |
|
|
DSMC・DSLR 2010 CP+のレポートを中心に、2010年のDSMC/DSLRの動向について考察していく。 |
|
|
ファイルベース収録カメラ最新案内 ファイルベース収録カメラを選択するための基準や基礎知識等を、レビューを交えて考察する。 |
|
|
Transcode ファイルベース・ワークフローの普及と共によく目にするようになったトランスコードについて整理する。 |
|
|
映像新時代2010 2010年の映像制作の潮流を様々な方面から予想していく。 |
|
|
稲田出のトレンド100選 InterBEE2009で見た2010年注目100アイテムを紹介。 |
|
|
PRONEWS AWARD 2009 2009年を振り返りつつ、2010年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。 |
|
|
Inter BEE 2009スペシャルレポート 千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2009のレポート記事やブース動画を掲載。 |
|
|
Inter BEE 2009の歩き方 目的に合わせたInterBEE2009の歩き方を紹介する。 |
|
|
最新映像制作ワークフロー VFX 2009 最新映像制作ワークフローの中から、制作効率を改善していくヒントを探す。 |
|
|
オンボードライト特集 Light House 新時代を予感させるLEDを中心にオンボードライトを解剖する。 |
|
|
立体視映像特集 Stereoscopic 3D 再び脚光を浴び始めているステレオスコピック3D制作に焦点を当てる。 |
|
|
REDワークフロー特集 RED flow Now RED ONEの最新ワークフローを考える。 |
|
|
4Kデジタルシネマ特集 4K Ready! RED ONEの登場で一気に注目されつつある4K映像とは? | |
|
デジタルサイネージ特集デジタルサイネージ2009 急速な広がりを見せるサイネージメディアを紹介する。 |
|
|
ワークフローの鍵を握るMXF MXFファイルを活用する現場を取材し、制作ワークフロー全体に広がるMXFを紹介する。 |
|
|
フルデジタル制作移行、その課題と展望 フルデジタル制作環境に向けて乗り越えなければならない課題と、その先の可能性を紹介する。 |
|
|
2008年総括:これからの映像業界 2008年の売れ筋を見ながら、人気機材の動向を振り返ってみる。 |
|
|
次世代収録環境へのアプローチ 2008年のカメラ環境を踏まえ、次世代環境に必要なものを考える。 |
展示会レポート
- CES 2012
- Inter BEE 2011
- CEATEC JAPAN 2011
- IBC2011
- SIGGRAPH2011
- デジタルサイネージジャパン2011
- IMC TOKYO 2011
- Cine Gear EXPO 2011
- NAB2011
- CES 2011
- Inter BEE 2010
- CEATEC JAPAN 2010
- IBC2010
- CEDEC2010
- SIGGRAPH2010
- ケーブルテレビショー2010
- IMC TOKYO 2010
- デジタルサイネージジャパン2010
- Cine Gear EXPO 2010
- NAB2010
- Inter BEE 2009
- CEATEC JAPAN 2009
- CEDEC2009
- SIGGRAPH2009
- ケーブルテレビショー2009
- デジタルサイネージジャパン2009
- IMC TOKYO 2009
- Cine Gear EXPO 2009
- NAB2009
- Inter BEE 2008
- CEATEC JAPAN 2008
- SIGGRAPH2008
- ケーブルテレビショー2008
- IMC TOKYO 2008
- NAB2008
- PIE2008
- Inter BEE 2007
- CEATEC JAPAN 2007
- BroadcastAsia2007
- ケーブルテレビショー2007
- NAB 2007
- Inter BEE 2006
- CEATEC JAPAN 2006
- SIGGRAPH2006
- NAB2006
