[Stereoscopic 3D 第2章]01: S3Dの基礎知識1~立体視の仕組み
2010-05-19 掲載
(1)立体視の仕組み
| 四角いキューブを手前から奥に3個並べて見ると、左目と右目では見え方が異なる |
現在制作されているステレオスコピック3D(S3D)コンテンツは、右目と左目の位置が離れていることから来る両眼視差を主に利用して制作されている。人種や個人差、年齢などにより、左右の目の距離は異なるが、おおむね65mmを基準として、この間隔にカメラを配置して記録したものを左右の目に独立して見せることで立体的に視聴できるようにするというものだ。
人が奥行きを知覚するのは2つの目からの情報によるところが大きいが、実際は見えている光景の奥行きを判断するのは、最終的に人間の脳がどう情報処理するかで決まる。両眼視差情報だけでなく、物の遠近に応じてその物と両眼との角度(輻輳角[ふくそうかく]=コンバージェンス)や動きの早いものほど近くにあるという単眼運動視差など、さまざまな要素が加わって奥行き情報を知覚していることになる。
例えば上の図で、左はスクリーン面に左右の視差なしに映された映像で立体感がない。中央はスクリーン面に左右逆の映像が映され映像が飛び出て見える。右は、その逆で奥に引っ込んで見える。スクリーン上に映された左右の映像距離はスクリーンの大きさや視距離によって調整が必要で、撮影時の調節は視聴時の状況によって適宜調節が必要となる。
ほかにも奥行きを知覚する要素として、物の大きさや高低、重なり、明暗、コントラスト、形状などがあり、これらは古くから絵画などで利用されている手法となっているほか、いわゆるだまし絵などはこうした知覚要素を逆手にとったものといえる。
S3D撮影をする場合は、目の代わりにカメラを設置する必要があり、原則として2台のカメラの間隔と輻輳角が立体感を調節する上で重要な項目になる。
(2)繰り返す立体視ブーム
左右の目に異なる情報を伝達する方法としては、右目用と左目用の独立した映像を用意して、双眼鏡のように覗いて見る方法がスチル写真が普及しだしたころからあった。1915年には赤青メガネ式のアナグリフ方式で映画が上映されており、これが最初の立体映画とされている。
その後、1950年代のテレビの普及で、客足が遠のいた映画業界が立体映画の上映を行い、これが第一次ブームになったものの、ギミックな内容に走りすぎたせいか長続きしなかった。
テレビが一般的になってカラー化されると、赤青メガネ式の立体映像の放送が可能になり、国内では日本テレビが『オズの魔法使い』の一部に立体映像を採り入れて放送したりしていた。ビデオが普及すると、フィールドごとに左右の映像を記録し、液晶シャッター方式のメガネをかけて立体映像を楽しむという方法で、1980年ごろVHSやベータ、VHDやLDなどでかなりの数のタイトルが発売された。このころは、『13日の金曜日』や『ジョーズ』など立体映画がヒットした時代でもあり、ゲームなどへも立体映像は波及していった。これが、第二次立体映像の時代である。
[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2010-05-19 ]
[ TAG : Stereoscopic 3D(3D映像) 基礎知識 ]
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