[USTREAM最終案内]Vol.03 安定した配信に向け、ライブ機器を提案するローランドを訪ねて
2010-07-25 掲載
WebカメラとPC/Macを用意してUSTREAM Broadcasterや無償配布のUSTREAM Producerを試してみると、Webツールなのに意外に簡単に動画を流すことができることに驚くはずだ。Webカメラ代という数千円の投資だけで、画面の向こう側で自分が話しているという体験に感動する人も多いだろう。それならばもっと画面を作り込んでみようと、Producer Proにバージョンアップし、Webカメラを増やして、テロップを入れて、Desktop Presenterで資料を映してみたところで気付く。「画面が足りない!」「マシンが重い!」「配信が途切れる!」──。そして、Producer Proの表示に気付いて驚くのだ。「CPU:100%?! こんなにもマシンを酷使しているのか」。
たまたまマシンスペックに余裕があっても、「エコーみたいに音声が回り込んでる!」「画面を切り替えると音量が変わってしまう」ということが発生したりする。音量調節もProducer Proの画面設定を開いて調節しなければならなかったりする。限られた画面スペースに、多くのウィンドウを開いて、アプリケーションを切り替えて......。さらに、カメラをズームしたい、マイクを増やしたいと悩み始めるのだ。
これと似たような経験は、USTREAMを活用する人であれば誰もが1度は通る道だ。ビデオ、オーディオ、エンコード、PC/Mac......、それぞれのスキルが組み合わさり、それぞれがうまく連携して初めてUSTREAM中継が安定するが、ビジネス利用シーンで誰もが全ての知識を持っているわけではない。
モニターと中継用音声を切り分けるライブミキサー
| ライブミキシングコンソールV-Mixier M-300 |
USTREAMをよりシンプルに扱うためにはどうしたら良いのだろうか。PC/MacのCPU負荷が高まるのは、配信のためのエンコード部分とビデオエフェクトの追加部分が大きい。CPUに負荷がかかっている時は、アプリケーションの切り替えもスムースにはいかないほどなので、手っ取り早く安定させるにはPC/Macでエンコードだけを行うようなシステム構成を検討すればよい。こういう方向性でシステムを提案しているのがローランドだ。RSG営業部国内営業グループの飯田厚二氏は、製品展開のポイントについて次のように話した。
「当社の製品展開のキーワードは、ビデオもオーディオも『ライブ』です。コンサート、生中継、会議プレゼンテーションも含めて、ライブでしっかり運用できる製品を出すということです。製品展開もラインアップを網羅するようにモデルを増やすのではなく、必要としている人に必要な機材を提供するという方向で開発を進めています。ビデオ/オーディオの映像業界だけでなく、学校、官公庁、宗教法人などではビデオやオーディオの知識をあまり持たない人が操作するケースが増えて来ています。その機材を見ればなんとなく操作できる分かりやすいインタフェースを採用するのも大切なポイントです」
USTREAMが急速に普及して来た2010年前半は、ビデオ・ミキサーV-4/V-8に、ビデオ・サンプラーP-10、オーディオ・ミキサーM-16DX、USBオーディオインタフェースUA-4FXを組み合わせて小規模な機材でまず試してみたいというユーザー層が増えたという。特に、PC/Mac内蔵のマイクやビデオ会議用マイクの音質に満足できなくなった場合に、ファンタム電源に対応したXLR端子を持ち、オーディオエフェクトとしてマスタリング(音声レベルを安定させ整える)を搭載しているUA-4FXは、USTREAM基本構成の定番製品となった。
複数のマイクのレベルを合わせたいという段階になると、オーディオミキサーが必要になってしまう。UA-4FXはLINE入力を持っているので、アナログミキサーを組み合わせることも可能だが、飯田氏は業務クオリティーの配信用としてライブミキシングコンソールV-Mixer M-300の導入を提案する。M-300はラックマウントサイズのポータブルミキサーで、6月に米ラスベガスで開催された情報関連機器/音響関連機器の展示会InfoComm 2010で発表された新製品だ。
「オーディオミキサーを検討するようになると、主催者側のPC/Macの素材を流しておきたい、講演者のPC/Macの音声出力を入れたいと、12系統くらいはすぐに埋まってしまいます。さらに、会場のPAが必要になったり音声をモニターしたいということも出て来ます。通常のアナログミキサーではPAやモニターと中継用音声をしっかり分けるということが難しいので、ライブミキサーの方が扱いやすい。M-300なら出力に8バンドのパラメトリックイコライザーも入っていますし、入出力にそれぞれ搭載しているコンプ/リミッターでレベルが暴れないように調整できます。現場で回避したいことには対応できるという点でお勧めです」(飯田氏)
| REACによりマルチチャンネルの伝送をLANケーブル1本で行うDigital Snake。写真はステージユニットS-1608 |
M-300は、ファンタム電源供給可能なXLR入力4系統、TRS標準プラグ入力4系統、RCAピンプラグ入力4系統、XLR出力4系統、TRS標準プラグ出力4系統、デジタル出力に対応している。パネル上では8AUXのコントロールが可能だが、4マトリクスに対応しているので最大32chを取り扱える。LANケーブルを使用したデジタル音声伝送REACも2系統搭載しており、各40chの入出力に対応する。入出力ユニットDigital Snakeを活用してステージ用、スタジオトーク用といったように分けて設定することで、ケーブルを変更することなく使い分けられる。パーソナル・オーディオ・ミキサーM-48を使えば、ステージ上やスタジオ内といったM-300とは離れた場所でのモニタ環境も構築できる。
ライブ中継は、映像がコマ落ちして見辛くなることよりも、音声のレベルが低かったり途切れたりする方が不快感が高まる。映像品質が高いことに越したことはないが、スライドショー的なコマ撮り映像であったとしても、聞きとりやすい音声が流れるだけで番組の印象がガラリと変化する。USTREAM中継機材を段階的に拡張したいならオーディオ部分から手を付けたい。
[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2010-07-25 ]
[ TAG : USTREAM USTREAM最終案内 ]
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