[DSMC/DSLR 2010 #2]Vol.01 DSLRが映し出した未来
2010-08-29 掲載
デジタル一眼カメラがもたらすものとは?
一昨年からビデオ/映画など、動画のプロ業界でも話題を集めているDSLR(Digital Single Lens Reflex=デジタル一眼カメラ)。このデジタル一眼レフという、これまで静止画を撮るためのカメラに、ムービー撮影機能が付いた事で、この2年でプロ映像の世界も大きく変貌した。いまやDSLRムービーは完全に1つのマーケット、1ジャンルを確立したと言える。
現に短い尺で画像のルックに重点を置くようなCMやMV、PVの世界では、もはやスタンダードなカメラとしてDSLRが使用されている。またこれまでのフィルムカメラや大型HDカメラに対抗するものとしても、画質的にも完全にその地位を確立したようだ。実際にそうした関心は、その後も多くの他ジャンルにも向けられ、今年3月DSMC/DSLRの特集でも、多くのプロユーザーの皆様にご拝読頂き、様々なご意見を頂戴した。
一方で、デジタルカメラの販売市場に目を向けると、ビデオ製品を含むデジタルカメラ全体の売り上げは、2007年度をピークに下降してきたが、その後はコンパクト一眼などの新機種投入もあって、この2010年度からは販売台数が伸びて回復している。注目なのはその中でもデジタル一眼レフの需要は、そうした傾向にほとんど左右されず横ばいの出荷台数をキープしていることだ。
本体だけではなく、目的に応じてレンズ交換やその周辺機器も自ら組み合わせる部分も魅力
この不況期でも、販売実数が落ちない要因として、やはりムービー撮影としての用途拡大が、その一翼を担っているとも言えるのではないだろうか?いずれにせよ、デジタル一眼レフという市場は、ビデオ機器全体を大きく超えた市場であるのは当然で、そのユーザーたちが動画撮影への興味を持てた事の功績は大きいだろう。
DSLRよ!どこへ行く!
しかし、まだ生まれて間もないDSLRムービー市場では、特にプロの現場でその使われ方に少々疑問が残る点もある。1つは、現行の機種が、メーカーの意図として特に動画撮影に対応して作られたマシンではないことから、スチル用カメラとして生まれてきているがゆえの、扱いにくさや困難さは当然ながら、ある。火付け役のキヤノン EOS 5D markⅡは、半期ごとにソフトバージョンアップを繰り返して、そのニーズに徐々に応えているが、大きなメカニカル的な変更は次期バージョンアップでの対応となるだろう。
また後発の各メーカーの機種も、所詮スチルカメラであるという前提においては、ムービー撮影、とくにビデオ撮影としての「カルチャー」を機能的、スタイル的にあえて取り込んでいないところも多い。所詮「オマケ機能」としての動画が、DSLRにどのように同化していくのか?これらは果たして意図的なところなのだろうか?DSLRのプロ市場を占うには、まだ色々と壁があるようだ。
もう1つは、安くて良い画像が得られるという予算的妥協案としての使われ方だ。映像業界における相次ぐ制作費等の予算削減現象は、いまだに留まるところを知らない。その中でDSLRの機材は「安い」「キレイ」「カンタン」という謳い文句を看板に、お手軽な機材という使われ方をしてきている。もちろん「それが正しい」とも言えるが、実際の現場では、本当に好まれて使われているのか?また作品の質がそれによって失われているといった事実はないのだろうか?
各現場での活躍を探求する
そんなポイントを深堀すべく今回の特集では、現場感覚におけるDSLRの現状の捉えられ方を取材してみた。実際に現場ではどのように使われていて、使っているカメラマン本人、クリエイター、アーティストが、それぞれどこに魅力を感じ、機材の良さをどう理解して使っているのかを、様々なジャンルで活躍されている方の視点を通じて掘り下げてみたい。
ところで今この時期にこの特集を掲載する理由だが、そろそろ第二波の予感が押し寄せていることは読者の方も見当がついているところであろう。第一次のDSLRムービーブームが沸き上がってから、かれこれ2年の月日が経つところで、各メーカーとも本腰を入れてこのDSLRムービーマーケットを狙い、拡販にくる新商品を控えているという現実もある。今回の特集ラインナップは以下の通り。各分野で活躍している諸氏から話を聞いた。そんな最新情報も織り交ぜつつ、いまのDSLR事情と、DSLRが彼らに映し出した"ちょっと先の未来"を見ていこう。
取材:石川幸宏(DVJ BUZZ TV) 構成:編集部
[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2010-08-29 ]
[ TAG : DSLR DSMC/DSLR 2010 #2 ]
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