PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [RAW side LOG side 〜Log撮影ビギナーズ]01:ダイナミックレンジを生かすLogの基礎知識

News

[RAW side LOG side 〜Log撮影ビギナーズ]01:ダイナミックレンジを生かすLogの基礎知識

2012-03-21 掲載

1 2

RED CODE RAW記録をするRED ONEが2007年に登場した時、ハイエンド制作ではなくても映像の色味を変更し、ルック作りが行えるようになったことに驚いた人も多いだろう。ソニーはS-Log、パナソニックはP-10Logを使い、予算のあるCMなどでフィルムのような映像再現を提案していたが、ポスプロでのハイエンド制作でなければ活用は難しかった。低価格な4KカメラRED ONEの登場で、ルック作りの敷居は大きく下がった。

あれから数年。大予算のCM制作においてビデオ収録するときにはLog収録することが一般化したものの、Log収録に対応したカメラ機材が限られていたこともあって、まだまだ誰もが活用できるほど普及してはこなかった。2011年11月、キヤノンが安価なデジタルシネマカメラCinema EOS C300を発表し、8bitのCanon-Logを採用したことで、一気にLog制作に対する関心は高まってきたようだ。この特集の最初に、Logについてまず整理しておこう。

Logについて考えよう

そもそもLogとは何なのか。Logとは「Logarithm」、すなわち「対数」を意味している。なぜ対数なのかは、光の物理特性によるところが大きい。物理で「光の明るさは、距離の2乗に反比例する」と習ったことを思い出して欲しい。電球から距離1mのところの明るさに比べ、距離が2倍の2mのところの明るさは1/4に、距離が3倍となる3mのところでは1/9になる。距離と明るさが対数の関係になっているわけだ。

illumination.jpg

これはレンズの絞りでも同じで、絞り径を半分にすると明るさは1/4に、さらに半分にすると1/16になる。光を感光材料に蓄積するフィルムで絞りを変えながら同じ明るさに写すには、絞り径を半分にしたら露光時間を4倍に、さらに半分にしたら16倍に延ばす必要があることになる。絞りの開口面積とフィルム面の明るさが指数関係にあることから、その結果、露光時間が対数関係になる。レンズの絞りはF1.0が人間の眼の明るさに相当するが、F2で1/4に、F4で1/16になる。F2とF4の間にはF2.8があるが、これは開口面積が半分になる位置であり、露光時間が2倍になる位置だ。2の階乗である、F2、F4、F8、F16、F32…の間にあるF1.4、F2.8、F5.6、F11、F22…といった中途半端な数字の絞りは、露光時間倍数を元にした対数なのだ。

Iris.jpg

このように見てくると、フィルムの濃度は、絞りと露光時間の組み合わせによる露光量と対数関係にあることが分かる。フィルムで撮影して来た映像業界にとっては、光をコントロールするためには、対数の概念は切っても切れないものだ。ところが、今やスチルカメラも含めてデジタルカメラ全盛時代。フィルムを扱ったことのない人にとっては、Logなんて何のことやら?ということも致し方ないのかもしれない。

ビデオガンマとLogガンマ

フィルムの代わりに光を受けるイメージセンサーは、光を電気的な信号に置き換える役目を担っている。つまり光の量、すなわちイメージセンサーの1素子に飛び込んで来た光子の数に比例した数値を出力していく。全く光子のない状態から、イメージセンサーの1素子で光を受け止め切れなくなるまでの階調を、どれだけ段階的に数値化したかを何ビットと表現している。8bitなら256階調、10bitなら1024階調、12bitなら4096階調という具合だ。これがビデオガンマだ。

一方、フィルムをテレシネしてデジタル化する際に、映画撮影に使用されるネガフィルムの特性に合わせた10bitのLogカーブを使用して記録する方法が考えられた。これが、コダックが考案した10bit Logガンマカーブを持つCineonフォーマットだ。最初のバージョンは1994年にANSI/SMPTE 268M-1994として標準化されている。最初はテレシネ用のファイルとして生み出されたファイルフォーマットだが、その後、Digital Negative標準フォーマットとして、電気信号を用いてリニアなビデオ階調と感光材料で対数的なフィルムの階調の両方を補間する標準ファイルとして活用。2003年にANSI/SMPTE 268M-2003として、DPXファイルが策定された。このファイルフォーマットは、コンポジット作業をする人であればすでにお馴染みのものであろう。中身は10bit Cineon Logで記録されているものなのである。

Video_Log.jpg
1 2

[ Category : ]
[ DATE : 2012-03-21 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[RAW side LOG side 〜Log撮影ビギナーズ]07:古くて新しいLogに次世代の映像制作があるのかもしれない

P-10Log(10bit-Log)の開発の背景とトレンドとしてのLogに思う 時代は大判センサーとなり、もはや4Kを標榜する時代となった。この事実は、数年前の事を考えると隔世の感... 続きを読む

[RAW side LOG side 〜Log撮影ビギナーズ]06:HDLinkを使ったLUTワークフロー

活用が進むLogモード撮影 ARRIのALEXAやCanonのC300などで採用されているLogモード撮影。記録された映像はコントラストが低く、そのままでは映像として成立しにくい... 続きを読む

[RAW side LOG side 〜Log撮影ビギナーズ]05:LogによるCG合成とバレ消しの実際

オタク社長の私も、オタク趣味で遊ぶだけで飯が食えるわけでは無い。私の会社であるアイラ・ラボラトリの本業は、小規模ながらも現場部隊を持つ映像制作会社だ。得意ジャンルはCGを中心にした... 続きを読む

[RAW side LOG side 〜Log撮影ビギナーズ]04:RAWとLOGによる撮影

大型イメージセンサーとLog収録機能を組み合わせたカメラが増え、REDのRAW撮影と合わせて、撮影の幅が大きく拡がった。ここでは、RAW制作とLog制作の違いを理解しよう。 RAW... 続きを読む

[RAW side LOG side 〜Log撮影ビギナーズ]03:F65でF65RAWという新方式を追加した理由とは

昨年の2011 NAB SHOWで発表、Inter BEE 2011で披露された4KシネマカメラF65が、2012年1月についに発売となった(ロータリーシャッター、NDフィルター内... 続きを読む

[RAW side LOG side 〜Log撮影ビギナーズ]02:8bit Logの可能性を拓くCinema EOS C300とCanon Log

キヤノンからCinema EOS C300が販売開始されたのは、今年の1月末のこと。それから1ヶ月以上が過ぎレンタルも開始され始めている。すでに実際に使ってみた方も多いだろう。キヤ... 続きを読む

[RAW side LOG side 〜Log撮影ビギナーズ]00:高まるLog収録/制作への関心

よみがえるデジタルシネマ市場 デジタルシネマカメラ市場が活性化してきている。2011年末のRED DIGITAL CINEMA製5KカメラScarlet-Xの登場に引き続き、201... 続きを読む

特集記事

Inter BEE 2016 Inter BEE 2016
千葉幕張メッセにて開催されるInterBEE2016をレポート。
InterBEE2016の歩き方 InterBEE2016の歩き方
目的に合わせたブースをピックアップし、最小限の力で最大の効果が得られる最強の「Inter BEE 2016の歩き方」を紹介。
Photokina2016 Photokina2016
2年に一度催される、世界最大のカメラ関連の展示会“Photokina(フォトキナ)”をレポート。
IBC2016 IBC2016
オランダ・アムステルダムで開催された欧州最大の映像・放送の展示会IBC2016をレポート。
SIGGRAPH2016 SIGGRAPH2016
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の学会・展示会SIGGRAPH2016ををレポート。
QBEE2016 QBEE2016
九州放送機器展(QBEE)をいつもの会場練り歩き方式でレポート。
InfoComm2016 InfoComm2016
イベント系オーディオビジュアル機材+コンテンツ制作関係などの専門総合展示会 InfoComm2016をレポート。
Digital Cinema Bulow III Digital Cinema Bülow V
映画撮影機材の専門展示イベント「Cina Gear Expo 2016」のレポート。デジタルシネマのいまを探っていく。
After Beat NAB SHOW 2016 After Beat NAB SHOW 2016
放送が始まった4Kやそれに伴うHDRなどのトレンドを中心として各メーカーの出展製品をみていく。
NAB2016 NAB2016
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会 2016 NAB Showをレポート。
SXSW2016 SXSW2016
米国テキサス州オースティンで開催された、SXSW(The South by Southwest:サウス・バイ・サウスウエスト)をレポート。
CP+2016 CP+2016
カメラと写真の総合展示会、CP+2016をレポート。
Digital Cinema Bülow IV Digital Cinema Bülow IV
パナソニックの新たなシネマカメラ・ラインナップ「VARICAM LT(AU-V35LT1G)」をレポート。
CES2016 CES2016
世界最大の国際家電見本市、2016 International CESをレポート。
PRONEWS AWARD 2015 PRONEWS AWARD 2015
2015年は映像業界にとってどのような年だったのか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。

トップ > 特集 > [RAW side LOG side 〜Log撮影ビギナーズ]01:ダイナミックレンジを生かすLogの基礎知識