ソニーPMW-350

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機能・特徴

PMW-350は、先に発売されたPMW-EX1RやEX3の流れを汲むExmor CMOSを採用したカメラだが、撮像素子のサイズが1/2型から2/3型にサイズアップしている。また、記録フォーマットは、PMW-EX3やEX30がサポートしていないHQモードでの1440×1080(59.94i/29.97p/23.98p)やDVCAMフォーマット(オプション)が追加されている。

これは、XDCAM HDシリーズの35Mbps記録モード記録画素数が 1440×1080(EXは1920×1080のみ)、今回のフォーマット追加により付属ソフトウェア「Clip Browser」を使用してXDCAM EX→XDCAM HDファイル変換を行う際にビットレートと記録画素数が同じになることでラッピング変換のみでトランスコードが不要になる。そのためファイル変換に必要な時間が従来の約1/6となる(PC等のスペックにより異なる)。これによってXDCAM EXとXDCAM HDを混在運用する際の利便性向上を狙っているとのことである。

EX1RはPMW-350と同じフォーマットで記録できるようになっているのだが、レコーダーであるPMW-EX30がカメラフォーマットを網羅していないのは、現場で混乱しそうだ。今回の新しい記録モードには既に多くのNLEソフトウェアが対応しており、カメラでの再生によるキャプチャーではなく、従来どおりファイルでの取り込みが可能だ(1R&350/USBリーダーライター/ExpressCard I/Fのいずれかを使用してPCに取り込み)。 ただし、ノンリニア編集での取り込みや他のフォーマットなどへSDIを使ったダビングを行う場合は、HQモードの1440×1080(59.94i/29.97p/23.98p)やDVCAMフォーマットで撮影した場合はカメラで再生するということになる。

pmw350cho.jpg ▴EXシリーズの記録フォーマット

レンズマウントは2/3型のソニーマウントで、キヤノンやフジノンの2/3型B4マウントのレンズを装着することができるが、PMW-350Kに付属する16倍ズームレンズ(PMW-350Lはレンズなしモデル)にはオートフォーカス機能が搭載されている。

PMW-EX1が発売されたとき、感度の良さとSNの良さに感心したが、撮像素子のサイズがアップしたことにより、感度がF10からF12に、SNは54dBから59dBに向上している。さらに64フレーム蓄積での最低被写体照度は0.14lxから0.003lxとなり、ほとんど光のないところでも撮影可能だ。これほどの感度とSNの向上は、撮像素子のサイズが変わっただけでなく、DSPや回路の改良もされていることと思われる。

PMW-350には、ちょっと面白い機能としてフリーズミックス機能が搭載されている。この機能はメモリーに記録されている収録画像を再生させながら収録することができる機能で、合成用の映像収録や同じカットを時間を隔てて収録する際に便利な機能だ。今までは、再生用にプレーヤーを使ったり、プリントアウトを作って撮影位置などの確認を行う必要があったが、この機能を使えばカメラ1台でこうした作業を実現できる。VF内に同時に表示されるので、正確に合わせることが可能だろう。

MP4ファイルは、撮影時のカメラのデータは自動的に記録されるようになっているものが多いが、シーンナンバーやカットの内容のほか、撮影中現場でコメントしたい情報を記録することは難しい。結局は現場でメモを取って後で収録した画像を確認しながらメタデーターを書き込むという2度手間になりかねない。

現場にもよるが、収録後必ずプレビューで内容確認するのであれば、その段階でメタデーターを書き込むことができかもしれないが、必ずしもそうしたワークフローを取れるとは限らないし、カメラで再生チェックするだけということも多いだろう。やはり撮影中や撮影直後にデータを書き込める方が便利であることは言うまでもない。こうした要望に応えられるオプションとしてWiFiアダプターが用意されるというから期待したい。

外観・操作性

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VFはルーペ部分を跳ね上げて直視することもできる

VF周辺の設定スイッチ。画面の反転スイッチが左下にある

一見したところ肩乗せ式のENGカメラだが、VFに3.5型のLCDを採用しているので、この部分の大きさが特徴的だ。実際に担いだ印象は見た目より軽い。レンズやバッテリーなど撮影できる状態で約6.3kgという重量だ。VFはEX3と同様なもので、小型LCDモニターにルーペを付けた感じだが、途中にミラーがあるところが異なる点だ。このクラスのカメラは筐体が大きいということもあり、VFとは別にLCDモニターを装備しているのが、一般的だがPMW-350は兼用しているといった印象だ。

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▴左はVF内の情報表示の例。右はメニュー画面

このVFはルーペ部分を跳ね上げて直視することもできるが、ミラー部分も一緒に跳ね上げ、カメラの側面と同一平面で見ることもできる。この場合画像が反転するが、VF正面のスイッチで正像にすることができる。できれば自動で切り替わってほしいところだ。なお、このVFは従来型のVFと交換することが可能で、 PDW-F330用の2型白黒16:9ビューファインダーDXF-20Wを装着することができる。

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オーディオ設定スイッチ、メニュー操作ボタン

カメラ後部のLCD表示部分

LCDステータスがカメラ後部に装備されており、表示の内容は、TCやバッテリー残量、オーディオレベル、メモリー残量となっており、テープベースのカメラと同様な情報表示が行われる。その下にはメニュー操作系とオーディオアサインのスイッチなどがあるが、これらは、別々の蓋になっており、メニュー操作時にオーディオレベルやスイッチの誤作動防止用に配慮されている。またオーディオは、XDCAM EXシリーズでこの機種のみHD記録時4ch記録が可能だ。

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メモリースロットにはSxSメモリーを2基差し込み可能

よく使うスイッチ類が配置。ボタンに任意の機能を設定することが可能

メモリースロットは、こうした操作部分とは反対側にSxSメモリーを2基差し込める。この配置はテープ式のカメラと同様で、慣れ親しんだテープからこのカメラに乗り換えてもまごつかないようになっている。ワンマンオペレート時メディアの交換が生じたときカメラを担いだままアシスタントにメディア交換をしてもらうにはいいのだが、自分で交換しようとするとカメラをいったん肩から下ろさなくてはならない。

このクラスのカメラではNDや色温度変換フィルターは光学式のものが一般的だが、PMW-350では、色温度変換フィルターは電子式になっている。撮像素子のダイナミックレンジが充分あれば、光学式でも電子式でもどちらでもよいことだが、PMW-350が電子式を採用したということは撮像素子に採用しているExmor CMOSにそれだけ自信があるということだろう。運用上はフィルターターレットを回してフィルターを切り替えるより、電子式のほうが便利なのは言うまでもない。

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レンズマウント下にはホワイトバランスやブラックバランスなどのスイッチ群

後部のコネクター部分

レンズはオートフォーカス機能を搭載しているが、EX3のように手振れ補正機能は搭載されていない。小型ビデオカメラと異なり、肩載せ式のカメラは三脚使用が多いからという判断だろうか。オートフォーカスは、EX3と同様な感覚で動作するものの意図しない部分にフォーカスがくるということもあったのでこの辺は適宜使い分けたい。