Sonyプレスカンファレンス動画

360°全天球動画

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Sonyブース動画

Sonyブースレポート

ソニーは、今年もBeyond Definitionをテーマに4K映像やハイダイナミックレンジ(HDR)、IPライブ伝送などに対応した新製品やソリューションを出展した。同社はすでにメイン製品であるカメラやスイッチャーなどの機器を発表しており、今年はこうしたメイン製品の間を埋める製品や、すでに運用が開始されている4K映像制作に必要なシステムや運用に必要なソリューションを中心に展示を行なっていた。

取材や映像制作に必要なカメラやモニターなどの機器のほか、スタジオカメラやスイッチャーを実際に運用する場合、4Kとなると今までとは異なったアプローチが必要になってくる。特に伝送路に関してはSDIからIPへとかわっていく中で、IP Live Production Systemを同社はここ数年来積極的に推進している。IP伝送は映像のほか音声やメタデーター、制御、同期などが1本化でき、映像に関しては帯域が許す範囲でHD、4K/8K、非圧縮でも柔軟に対応でき、音声も同様にチャンネル数なども柔軟な対応が可能だ。特に、こうしたシステムでは規格が重要だが、細部にわたる規格化も進み、複数あった規格もだい落ち着いてきたようだ。もちろん今までとは異なった管理手段も必要で、ソニーではIP Live System Managerで簡単に管理可能な手段として提供している。

IP化やネットの利用は取材システムも同様で、XDCAM Airはネットを介して映像信号などをサーバーに送信し、受信したデータを元に即座にオンエアーしたり編集作業に回すことができるので、北米を中心にこうした仕組みは必須となっており、昨年参考出展されていたものが本格運用へ向けて対応カメラや周辺機器の充実やソフトウェアが披露された。個々の機材としての新製品は少ないように思われるが、すでに発売された機材のアップデートやそうした機材をIPやHDRのくくりで運用していくためのシステムをどう展開していくのか、今年のソニーはそうしたソリューションに重点を置いた出展といえるだろう。

高感度業務用4K対応ビデオカメラUMC-S3CA。12.2Mの35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載しており、最大でISO409600、標準でISO102400の高感度を実現。4K/29.97P/25P撮影が可能で、記録はSDカードメモリーにXAVC Sフォーマットで最大100Mbpsでの記録が可能なほかDタイプのHDMI端子を備えている。XAVC Sでの記録は4K(3810×2160)およびHD収録に対応。レンズマウントはEマウントで、最大8倍の電子ズーム機能を搭載。カメラを複数台使用する360°収録などに対応したカメラでディスプレイなど表示機能は装備されていないが、ゲンロックを装備している。

4K HDRとHD SDRのシステムを統合して同時制作を行うことも可能なSR Live for HDRシステム。HDRプロダクションコンバーターHDRC-4000によりOETF/EOTF変換、色域変換、HDR/SDR変換、解像度変換などを行うことが可能で、既存のHDコンテンツやS-Log3以外の信号をソニーが推奨するフォーマット4K-HDR S-Log3/BT.2020に統一的に変換し、放送をはじめとして様々な用途で統一的なHDR制作・配信に対応。

有機ELマスターモニターBVM-E171。従来のBVM-Eシリーズと同等の機能を踏襲しているほか、フリッカーフリー機能やITU-R BT.2020に対応したHD有機ELマスターモニター。

AXSメモリーカードリーダーAXS-AR1。Thunderbolt 2インターフェースを採用することでAXS-CR1と比較時約4倍のデータ転送が可能。SxSメモリーカードとのコンパチブルスロットによりSxSメモリーカードにも使用可能なので、大容量の映像ファイルを短時間でインジェスト可能。10月発売予定。

スーパースローモーションカメラシステムHDC-4800。4K映像(3840×2160)で最大8倍速、フルHD(1920×1080)画質で最大16倍速スローモーション映像を実現しているほか、ネットワークメディアインターフェース採用により、4K映像などのライブ制作インフラのIP化に対応。

スーパースローモーションカメラシステムHDC-4800のコントローラーデスク。ベースバンドプロセッサユニットBPU-4800に搭載された大容量ストレージ機能により、4K映像を8倍速で、最大4時間の連続記録できる。スローモーション映像制作時、外部ストレージにデータ転送せずに本体内で編集できるため、制作フロー効率化や運用オペレーターの工数簡素化を実現。

ワイヤレスクラウドサービスXDCAM Air対応カメラやレコーダー。PXW-X200/PXW-X400などのほか、スマホアプリXDCAM Pocketの利用も可能。USBワイヤレスLANモジュールIFU-WLM3対応機種PXW-X320やPXW-X180、PXW-Z400またはPMW-400、PMW-RX50のような機種でもCBK-WA-101やCBK-WA100にて対応可能。

PWS-110RX1によるXDCAM Airシステム。映像や音声、メタデーターの伝送のほか、アイリス、ズーム、ゲインなどのリモートも可能。

IP Live Production Systemに対応した各種機器はIP Liveアライアンスに対応した製品ならば他メーカーのものでも同様に接続可能。会場ではリーダー電子の測定器や、ヤマハのミキサーなどが接続されていた。

IP Live Production Systemでは、IP Live System Managerにより各種設定や接続機器の状態などを確認できる。写真でUnknownと表示されているものは接続されていても機種などのステータスが確認できないもの。機種名は表示されていても!マークで黄色く表示されているものは何らかの異常があるもので、写真ではSDI 2の入力にエラーが出ている。

2.5インチのProfessional SSDメディアSV-GSシリーズSV-GS96/GS48。5月発売の新製品で写真のようにATOMOSのレコーダーで実際に動作させていた。転送レートは書込み550MB/s、読み込み500MB/sの高速転送が可能なほか、独自のECC技術により週5回の頻度で全領域を書換えた場合でも約10年間の使用に耐える。