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[THE ROAD TO VR]Vol.03 VRの最先端を体験!コンテンツ東京2017のVR・ARワールドをレポート

2017-08-04 掲載

txt:和田学 構成:編集部

2017年6月28日から30日まで東京ビッグサイトで7つの専門見本市から構成される「コンテンツ東京2017」が開催された。その中の1つの展示会「先端デジタルテクノロジー展」で最新のVR機器やVRのコンテンツを展示する「VR・ARワールド」が行われた。会場で注目を浴びていたブースを紹介しよう。

AOI Pro.、世界や日本の素晴らしい場所を散策できるVRコンテンツ「VR Private TourTM」を公開

AOI Pro.は、クリエイティブスタジオのPROTOTYPEと合同ブースで出展。AOI Pro.は、リアルなプロ野球体験を可能にする「VR Dream MatchTM – Baseball」と旅行体験「VR Private TourTM」、PROTOTYPEはコーナリングをVR上でリアルに再現した「GODSPEED VR airborne」を展示。

案内役の人物に手を引かれながら世界や日本の観光地の散策体験ができるAOI Pro.のVRコンテンツ「VR Private TourTM こちらもAOI Pro.のVRコンテンツで、プロ野球選手の165km/hの投球を体験できる「VR Dream MatchTM – Baseball」 スーパースポーツからオフロードマシンまでのライディングの感覚をリアルタイムに体験できるPROTOTYPEのコンテンツ「GODSPEED VR airborne」

その中でも特に注目は日本初の歩行装置を含めた総合VR体験ができる「VR Private TourTM」で、世界や日本各地のさまざまなスポットを歩行装置を使って体を動かしながら気分転換ができるという展示に注目が集まっていた。コンテンツは、ガイド役に導かれて歩いていくうちに風景の中に入り込み、その場所に実際に行ってみたいという感情を刺激する内容となっている。体験できるスポットは地元の人だけが知っているとっておきの場所であったり、誘導者の手を握って歩行するのもユニークだ。

「VR Private TourTM」は手を引いてくれるハンドデバイスも特徴だ

「VR Private TourTM」の開発を担当したAOI Pro.の体験設計部 部長 クリエイティブ・ディレクターの吉澤貴幸氏に話を聞くことができた。まずはコンテンツの内容や用途について聞いてみた。

吉澤氏:今回のコンテンツで散策をしているのは、千葉県です。コンテンツの舞台となる地域は、ガイドブックに載っていない地元の人しか知らないとっておきの場所を紹介することを考えています。

訪日外国人では、今、多くの中国の方が来日していますが、日本国内の有名観光地は同じ国からの訪問者が多くて避けたいという人も多いです。そういう人は知る人ぞ知るところを求めています。そこで、各自治体は外国人観光客のためにこういったVRコンテンツを世界に向けて配信をすることで集客が見込めるようになるでしょう。テクノロジーをかけ合わせているので、地方創生予算がつくといったことも考えられます。

「VR Private TourTM」は、VR体験者の感情をモニターにビジュアライズしているのがユニークだ。なぜ体験者の脳波をビジュアライズするのだろうか。

吉澤氏:「VR Private TourTM」には「FOVE 0」という視線追跡型のヘッドマウントディスプレイや脳波センサー、心電計を体験者に取り付けて、全周囲に囲まれた映像の体験をしながらどの場面で何を観て、何を感じたかというのをわかるようにしています。観光にフィードバックするのであれば、景色の中でもどこにフィーチャーすればいいよというようなことがわかりますし、映画であればどのシーンで緊張したのかなというのもわかります。それがデータベースとして溜まっていけば、人気の映画というのはどう作るべきなのか?といったことを統計として出すこともできます。我々AOI Pro.は映像制作会社なんですけれども、そういった感情の数値化みたいなものができて、そのデータが溜まっていけばクリエイティビティにもフィードバックができるのではないかと考えています。

用意されているモニターに感情を解析してその様子が表示されるようになっている

最後に、なぜ日本を代表する映像制作のプロダクションがVRコンテンツを手がけるのかを聞いてみた。

吉澤氏:VR/AR業界に本格的に参入したのは1年半ぐらい前です。業界では、最初は観ているだけの簡易的な360°視聴に始まり、その後ゲーム領域でブームが来ました。とはいえ、VRは映像とテクノロジーの掛け合わせだと考えています。そのときに、プロレベルの映像会社が参入してできることがまだまだあると考えています。そこを狙っていこうということで参入しました。

やっぱりCMを作っても、ドラマを作っても、映画を作っても、目的は映像を作ることではありません。見た人がワクワクしたり、ドキドキしたりすることじゃないですか?それをVRでも実現しようとしています。たとえば、技術の検証のために作られる360°VRビデオは、360°にわたってVRビデオの視聴を促すコンテンツになりがちです。 僕らは360°VRを体験した人の気持ちをゴールとしているので、視聴者が後ろを見たくないのにわざわざ観させるようなものを考えることはありません。

「VR Private TourTM」は4分間の体験で、「どこまでコンテンツの場所に行った気持ちになれるか?」、あるいは「そこにもう一回行きたくなるのか?」というのを狙って作っています。そこが他社との違いになると思います。

アスク、NOKIAのプロフェッショナル用360°VRカメラ 「OZO CAMERA」を展示

アスクは、NOKIAのプロフェッショナル360°VRカメラ 「OZO CAMERA」を展示。価格は約600万円。コンテンツの制作や配信をしたいという方向けの製品で、放送機器に近い形の製品といっていいだろう。

8つのカメラセンサーに加えて8つのマイクでフル3Dのサラウンドサウンドをキャプチャ可能。収録したデータはノキア製のアプリケーションで編集して、プレビューをヘッドマウントディスプレイで確認できる。OZO Liveと呼ばれるプラットフォームでYouTubeへの配信に対応しており、野球場、サッカー場などイベント会場などのライブ配信の現場で使われるのではないかとのことだ。

OZOは8つのカメラセンサーを搭載しており、それらのカメラの映像をリアルタイムにスティッチングできるのが特徴 専用のソフトウェア「OZO Remote」を使い、絞りや色温度などカメラの設定が可能 撮影データは付属のデジタルカートリッジに記録される

JVCケンウッド、スティッチングのない全周360°撮影が可能な4K60p対応の一眼カメラシステムを国内初公開

JVCケンウッドは、スティッチングの必要ないシームレスな全周360°撮影が可能な4K60p対応の一眼カメラシステムを国内で初公開した。カメラモジュールはJVCケンウッドで、光学部分は米国RTI社(realtime immersion)による共同プロダクト。通常の360°カメラは複数のレンズを使ってスティッチングによって360°の映像を実現するのが一般的だが、JVCケンウッドの一眼カメラシステムはスティッチングのないシームレスな全周360°撮影が可能。

スティッチングがあるとライブ配信に向かないと言われているが、JVCケンウッドのカメラはスティッチングがいらないのでスポーツ系のライブ配信などに威力を発揮するのではないかとのこと。米国ではFOX SPORTSやNFLでテストをしている最中だという。ブースでは、NASCARの車中にカメラを設置して収録された360°VRビデオを公開していた。

米国Realtime Immersion社とのコラボレーションによって実現した360°撮影カメラ。つなぎ目のないスムーズな映像をリアルタイムに送出できる 専用アプリケーションの様子。カメラのライブの状態がそのまま表示されている。これをソフトで360°や180°、四分割にすることが可能

パナソニック、360°映像を非圧縮4K/30pで出力可能な360°ライブカメラ「AW-360C10」を展示

パナソニックは、360°映像を非圧縮4K/30pで出力可能なライブカメラ「AW-360C10」と360°ライブカメラベースユニット「AW-360B10」を展示。

通常の360°カメラは、収録してエッジを合わせていく作業を必要とするが、パナソニックの360°ライブカメラはリアルタイム動的スティッチング機能を搭載しており、継ぎ目がわからない自然な映像の生成を特徴としている。そのままライブで配信が可能で、例えばコンサート会場にこちらのライブカメラを配置してネット環境へ配信をすれば、視聴者は家にいながらヘッドマウントディスプレイを使うことによってコンサート会場の臨場感を味わうことが可能になるという。

360°映像を非圧縮4K/30pで出力可能なライブカメラ「AW-360C10」 外部モニターで確認が可能。ブースではリアルタイムにスティッチングされた正距円筒図法形式をATOMOS社のSHOGUNで確認できるようになっていた

インタニヤ、250°の魚眼レンズ「Entaniya Fisheye 250」シリーズを展示

インタニヤは、250°の魚眼レンズ「Entaniya Fisheye 250」シリーズを展示。通常のVRのカメラだと複数のレンズを使って360°VRビデオを実現するので、どうしてもスティッチラインがでてしまう。「Entaniya Fisheye 250」シリーズは、250°の画角があるため1台のカメラで250°VRコンテンツの制作が可能。Eマウントやマイクロフォーサーズマウントがリリースされていて、今後はEFマウントをリリース予定。

ちなみに「Entaniya Fisheye 250」シリーズの購入者は、米国のハリウッドの映像制作会社やヨーロッパなど9割が海外からの注文だという。最近ではREDユーザーからの問い合わせが多いとのことだ。

マイクロフォーサーズマウントマウントのモデルを使ってBlackmagic Designのカメラに搭載 Eマウントモデルもリリースされており、ソニーのミラーレスカメラに搭載した状態で展示されていた

ヤマハ、Dante対応64chワンポイントマイク「ViReal Mic」を展示

ヤマハは、Dante対応64chワンポイントマイク「ViReal Mic」の試作品を参考出品。10cmの球の中に64個のマイクが入っていて、全周360°から入ってくる音を録音可能。Danteというネットワークオーディオのインターフェイスを採用しており、LANケーブル1本で手軽に録音できるようになっている。

世界初のDante対応64chワンポイントマイク「ViReal Mic」を展示 64チャンネルの入力をiPadでモニタリング可能

サードウェーブ、VR体験施設設置サービスを展示

ドスパラでお馴染みのサードウェーブは、展示会やカンファレンスでなどでVR体験施設の設置を提供する設置サービスを展示。VR施設の設置というのはノウハウが一般的ではなく、設置を委託できる企業もほとんどないのが現状。サードウェーブはドスパラの店舗で展開したVR体験専用フロア「ドスパラ VRパラダイス」の運営経験があり、そのノウハウを活かして設置サービスをスタートしたという。

サービスの特徴は来場者の安全性を第一に考えていること。VRの体験施設の現場でよくあるのはヘッドマウントディスプレイから伸びているケーブルの散乱で、これが原因で来場者が転倒して事故を起こしかねない。そこで、サードウェーブのサービスでは、ブース上部に「天井ケーブルレールシステム」を設定してケーブルが床を這わないように安全性を確保している。他人が不用意にプレイエリアに侵入しないようにグリーンカラーの床面シートで侵入禁止であることがひと目で分かるように工夫されている。

また、ヘッドマウントディスプレイは実際に体験している人しか何が起きているのかわからないという問題がある。そこで、壁には緑色クロマキーを設置して、体験者がヘッドセットで楽しんでいるVRの世界を外部モニターに映し出すためのクロマキーウォールシートを設置。プレイ中のVRの画面と体験している人を挟んだ映像を実現して、周りにいる人が共有できるように工夫が行われている。

外部の人が体験エリアに不用意に侵入しないように区別する床面シート ケーブルが原因の転倒事故を防ぐための天井ケーブルレールシステム 体験者の見ている映像と体験者自身を合成してモニターに表示 壁はクロマキーを兼ねた壁シート。体験者はクロマキーの床の上でプレイする

クレッセント、体験型モーションベース飛行VRコンテンツ「Gliding to the Moon」を展示

クレッセントは、VR専用に作られた安全ベルト付きのモーションベースを展示。Unityと連動して動くようになっており、両手にコントローラーを持ってドラゴンを操るコンテンツ「Gliding to the Moon」と組み合わせて展示していた。

両手に持ったコントローラーをまっすぐ広げるとまっすぐ飛び、左に行きたいときは左に傾ける。いくつも用意されてている枠をくぐりながら進むとゴールを迎える。モーションベースを馬やバイクに変えて、コンテンツにバリエーションを出せるようになっている。

コントローラーを両手に持って、コントローラーの向きでドラゴンを操る ゲームは高いタワーから一気に急降下し、その後ドラゴンを操って輪っかをくぐるという内容 空気圧縮型VR専用のモーションベースが特徴。揺れる角度は大きいので高い没入感が得られる

3Glassesを装着して「4D View」で3D CG化したアイドルを楽しむことができるコンテンツも公開していた。ステージで踊っていているアイドルを自由な位置から楽しむことが可能で、しゃがんで下から見上げたり、触れるぐらい近づくことも可能。アイドルは、360°グリーンバックスタジオに48台のカメラで同時に動画撮影することができる「4D View」と呼ばれるシステムでスキャンして実現したもので、4D Viewを使えばあらゆる角度から演技者の動きを楽しむことが可能なコンテンツを制作できるという。

ヘッドマウントディスプレイの映像。アイドルの周りを回って自由な視点でライブを楽しむことができる。また、VIVEコントローラーを使ってバーチャル握手会もできるようになっていた 握手会の際にはコントローラーを使って、握手をする

FunLife、AR技術を用いたスポーツトレーニングシステム「ARC Mirror」を展示

FunLifeは、AR技術とモーションセンシング技術を用いたスポーツトレーニングシステム「ARC Mirror」を展示。ミラーにお手本となるアスリートやインストラクターの動きが表示され、ユーザーはその動きを真似することで正しいフォームを得ることができるというシステム。

さらに、ミラーの中にセンサーを仕込んでユーザーの動きをセンシングしてくれる機能を搭載。センシングしたユーザーの動きとアスリートやインストラクターの動きをマッチさせて、「どこがどう違うのか?」を教えてくれる。デモでは、筋トレのコンテンツを実演していたが、ダンスやヨガ、ゴルフなどのフォームのトレーニングも可能だという。

写真は中央にいる人が実演しているところ。ミラーにお手本となるインストラクターが浮かび上がり、ユーザーはインストラクターと同じポーズになるように動けばよい。センサーがユーザーの人の骨格データを撮影しており、ポーズが正しいかを判断する機能も搭載している txt:和田学 構成:編集部
◀︎Vol.02 [THE ROAD TO VR] Vol.04

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[ DATE : 2017-08-04 ]
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