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[Camera Preview 2020]Vol.04 パナソニック、S1H Ver.2.0メジャーアップデートを提供開始

2020-07-09 掲載

txt・構成:編集部

動画RAWデータ出力機能は急遽延期

パナソニックは5月25日、S1H初のメジャーアップデートなるファームウェア2.0を無償で提供開始した。しかし、予告されていた目玉のRAWデータ出力機能が延期になってしまい、がっかりしている人も多いと思う。アップデーターの説明書にはRAWデータ解説ページがそのまま残っているのを見ると、延期決定は相当急であったことがうかがえる。ただ、技術的な問題が解決されれば次期ファームウェアアップデートで対応が期待できそうだ。

本稿では、これまでのRAWデータ出力機能の発表内容を振り返るとともに、ファームウェア2.0の特徴を紹介しよう。

DC-S1H ファームウェア Ver.2.0

S1H発表からRAWデータ出力機能詳細まで

2019年8月29日、パナソニックはS1H発売を発表。S1Hは形はミラーレスカメラだが、同社の5.7Kコンパクトシネマカメラ「EVA1」の後継機的な存在にも見える。フルフレームまたはスーパー35mmでDCIまたはUHD 4K記録に対応。ミラーレスカメラで35mm 3:2のフルエリア6K撮影や、14+ストップV-Logによるラティテュードの広さなど、50万円台の価格でありながらシネマカメラクラスの仕様が話題になった。

2週間後の2019年9月13日、IBC2019開催に合わせてRAWデータを出力するファームウェア開発、2020年春を目途に提供開始と発表。ATOMOSと協業してミラーレスカメラで5.9K ProRes RAW記録が可能になる。S1HからRAW動画を出力して、レコーダーのNINJA側で最大5.9Kの解像度、12ビットのRAW映像を受けられるようになるという。IBC2019会場では、ファームウェア参考展示が注目を浴びていた。

2019年11月のInterBEEパナソニックブースにて、国内初となるファームウェアを参考展示。パナソニックによると、実は2020年2月CP+ではより開発精度が上がったファームウェアを参考展示予定だったという。

InterBEE 2019のパナソニックブースでも国内としては初めて開発中のファームを参考展示

2020年4月21日、S1HのファームウェアVer.2.0で「動画RAWデータ出力に対応」アップデートの仕様や2020年5月25日公開を発表。RAW動画出力フォーマットは、「フルサイズ/5.9K/16:9」「スーパー35mm/4K/17:9」「スーパー35mm/アナモ/4:3」の3モード対応と発表された。

■フルサイズエリアを使った5.9K/16:9

フルサイズエリアの5.9K/16:9のモード。フレームレートは30P、24P、PALの25Pに対応。

■スーパー35mmエリアを使った4K/17:9

スーパー35mmのエリアの4K/17:9のモード。DCI 4Kの解像度は4096×2160と規格されているが、こちらの17:9/4Kモードは4128×2176と少しだけ画素に余裕をもっているのが特徴だ。フレームレートは国内でよく使われる60P、30P、24Pに対応。

■スーパー35mmを使ったアナモ/3.5K/4:3

3つ目は昨年の開発発表では触れていなかった、初公開のスーパー35mmのアナモフィック(4:3)動画のモード。フレームレートは30P、24P、PALの50Pや25Pに対応。

各モード共通でビット深度は12ビット。ちなみに、ニコンのZ 6/Z 7とNINJA VとHDMI経由のRAW記録ではEVFが対応しなくなるが、S1Hでは有効のまま使用可能と発表されている。

Ver2.0で改善された注目の機能

■6K撮影時のHDMIダウンコンバート出力に対応

Ver2.0では、動画RAWデータ出力機能搭載が延期となってしまったが、それ以外の動画機能の向上や性能改善は予定通りだ。その中でも特に嬉しいのは、6K撮影時のHDMIダウンコンバート出力だ。これまでのS1Hは、4Kを超える解像度の動画記録は、HDMI出力できない制約があった。S1Hは、6K動画や5.9K動画、5.4K動画といった4Kを超えるフォーマットに対応していたが、カメラ内記録のみでHDMIから出力できなかった。

しかし、Ver2.0では、カメラ内で6Kを記録しながらダウンコンバート処理を行い、HDMIには4KまたはFHD解像度の映像を出力できるようになった。6Kや5.9Kといったフォーマットを使いながら、外部モニターでの確認や外部モニターでバックアップをとることも可能になる。

■「シャッター全押し動画記録」の追加

シャッターボタンを使用した記録開始/終了操作を無効にできるようになった。写真撮影のシャッターボタンは、半押しをした時にAFが有効になり、全押しをするとシャッターが切れる。ところが動画撮影の場合、半押しでAFで有効になるが、押し込みすぎてしまって動画の記録を止めてしまうことがあった。

S1H背面にある[AF ON]ボタンでAFコントロールが可能だが、S1Hに慣れていないカメラマンはシャッターボタン半押しでAFをコントロールしてしまいがちだ。そこでファームウェア2.0では、「シャッター全押し動画記録」を[OFF]が追加された。S1Hを初めて使うカメラマンには、シャッターボタンはAFのコントロールのみ、記録開始は「動画記録ボタン」または「サブ動画記録ボタン」で操作するのがお勧めだ。

■「撮影時HDMI出力」に「MFアシスト拡大表示」を追加

マニュアルフォーカスのアシストのHDMI出力の無効化がメニューに追加された。これまでのS1Hは、「撮影時HDMI出力」→「情報表示」でカメラの情報をHDMIから出ないようにすることができた。一方、マニュアルフォーカスアシストというフォーカスポイントを拡大表示する機能が搭載されているが、この機能をオンにするとそのまま外部モニターに出てしまう問題が起きていた。

今回のアップデートで、カメラ内ではフォーカスアシストの拡大表示をしつつ、外に出てる映像自体はそのままの映像が出力されるコントロールができるようになった。マニュアルフォーカスでの使用が多い、S1Hユーザーには有効な機能となりそうだ。

■コントロールパネルから動画画質のマイリストを表示可能に改善

S1Hの「コントロールパネル」は、直接タッチしてISOやフォトスタイルなどの設定変更が可能な便利な機能だ。しかし、マイリストに未登録の状態で動画画質の項目をタッチすると、「動画画質」すべての記録モードがズラッと表示されて変更がめんどうだった。マイリストには、よく使う記録モードを登録しておく機能が搭載されているが、コントロールパネルと連携できていなかった。

新バージョンでは、コントロールパネルからマイリストに登録した普段よく使われるものだけを読み出せるようになった。撮影の合間に設定を簡単に変えることができるようになったわけだ。

S1Hのコントロールパネルの画面

マイリストから選べるようになった

■LUMIXをライブカメラとして使用するソフトウェア登場

テレビ会議の機会が増えており、Webカメラの需要が高まっている。そんな需要に応えるように、キヤノンや富士フイルムからは一眼カメラをWebカメラ化するソフトウェアがリリースされた。そしてパナソニックも2020年6月8日、ライブストリーミング配信用途に配慮したベータ版パソコン用ソフト「LUMIX Tether for streaming(Beta)」を公開した。対象モデルは、マイクロ・フォーサーズのDC-G9、DC-GH5、DC-GH5S、フルフレームのDC-S1R、DC-S1、DC-S1H。

LUMIX Tetherは、元々カメラとPCをUSB接続し、PCの大画面でライブビュー確認しながら撮影に使われるテザー撮影用のカメラ制御PCソフト。そのため、フォーカスエリアマーカーなどがPCモニターに表示される。LUMIX Tether for streamingはLIVE VIEW modeをONにすると、制御パネルやAF枠が非表示となり、カメラのライブビュー映像のみが表示さる。これにより、ユーザーが使用するライブストーリミングソフトウェアと組み合わせることで、パソコンの画面をストリーミング配信に使用できるとしている。

OBSなどのブロードキャストソフトウェアが必要。パナソニックのLUMIX公式アカウント「Panasonic Lumix Video」は、ストリーミング用のカメラとして使用する手順を紹介している。



LUMIX Tether for streamingは原則としてWindows 10のみ互換性がある。macOS版の登場も期待したいところだ。

■動作環境

  • 対応OS:Windows 10(32bit/64bit)
  • CPU:1GHz以上のIntel CPU
  • ディスプレイ:1024×768以上
  • 搭載メモリ:メモリ1GB以上(32bit)/2GB以上(64bit)
  • ハードディスク:インストールに200MB以上の空き容量
  • インターフェース:USB 3.0/3.1

LUMIX Tether for streaming(Beta)

txt・構成:編集部


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[ DATE : 2020-07-09 ]
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