毎年6月に行われてきた映画テレビ技術・Digital Production展は、昨年からIMC Tokyoに組み込まれた。

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今年は「デジタルシネマ ワークフローサミット」として共同ブース展開するとともに、国際会議場でカンファレンスが開催された。また、放送局などの取り組みについては、「ブロードキャスターズ イノベーション」として共同ブースが設けられた。

従来の映画テレビ技術・Digital Production展でフィルム撮影愛好家向けに好評だった中古コーナーやワークショップは、IMC Tokyoに融合した昨年からなくなった。昨年は発売となったばかりのRED ONEのプロモーション攻勢もあり、事実上、フィルム撮影からデジタル収録へと大きく舵を切った年となった。あれから1年が過ぎた。昨年のIMC Tokyoでは、RED ONEによる4K収録のプロモーション攻勢や、朝日放送の「4K解像度コンテンツのリアルタイム伝送」といった実証実験もあり、4K解像度が認知され始めた年となった。

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今年は、「ブロードキャスターズ イノベーション」への出展はキー局が中心となった小規模なものとなり、実証実験をするような出展はなかった。「デジタルシネマ ワークフローサミット」のカンファレンスでは、デジタルシネマで4K解像度やステレオスコピック3Dを扱うためのソリューションやワークフローおける現状と課題の整理が行われた。高解像度コンテンツを制作するためのファイルベースワークフローを、どう構築するのかというより実践的な内容になった。

4K解像度の編集・フィニッシングは、ハイスペックなワークステーション環境をもってしてもまだまだ大変な状況であることは確かだ。カンファレンスでは、ソニーPCLやマックレイなどポストプロの取り組みも紹介された。4Kコンテンツ制作ワークフローが、実制作の中で揉まれ始めたことから、問題点の把握がスムースになり、着実に、そしてこれまでよりも速く進化していくことは自明だ。