オーディオの業界ではビデオより以前からデジタル化され、記録や処理など非圧縮が当たり前の状況だ。すでにCDクオリティを超えた記録も一般的になり、同時記録チャンネル数も4chや8chを超える製品も出始めている。スペック的には頂点を極めた感があるが、様々な現場に応じた使い勝手の良い機材や小型軽量化、コストダウンなどニーズに応じたレコーダーやデジタルミキシングコンソールなどの新製品が今年も各社から出展される。

また、10月からテレビ放送における音声レベル運用基準であるTO32の導入が開始され、VUメーターだけでなく、ラウドネスメーターによる平均ラウドネス値による測定が必要になった。すでに放送局などには導入されているが、様々な現場に適した製品が各メーカーから発売されている。最近の新しい方向性としてはワイヤレスリモート管理する製品が登場し始めたことであろう。Wi-FiなどでiPodやAndroid端末と通信することで、各種設定やコントロールをこうした端末で行えるというものだ。

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1 ティアック (ブース#4301)
動画撮影可能なリニアPCM/HDビデオレコーダー「DR-V1HD」
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GoProライクな超小型ビデオカメラはソニーやJVCケンウッドから発売になっているが、「DR-V1HD」はこうしたカメラでは捉え切れない音質で収録可能だ。従来からマイクがビルトインされたステレオデジタルレコーダーはあったがそれにHDクオリティのカメラを内情したような格好だ。また、SD/SDHCカードやUSBメモリー対応の業務用CDプレーヤーCD-200SBなど業務用の機器も複合化されたものが出展される。
2 オーディオテクニカ (ブース#4206)
ワイヤレスシステム9000シリーズ
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2ピーストランスミッターATW-T930A24/ATW-T930BやハンドヘルドマイクロホンATW-T940B/ATW-T980B、ダイバーシティシンセサイザー2chレシーバーATW-R920などで構成されたワイヤレスシステム9000シリーズのほか11月に発売されるマルチチャンネルデジタルワイヤレスシステム「システム10」などが新製品として出展される。システム10はマルチチャンネルデジタルギターワイヤレスシステムATW-1101/GとマルチチャンネルデジタルハンドヘルドワイヤレスシステムATW-1102の2タイプがある。
3 フォービット (ブース#4303)
ラウドネスメーターユニットLM-860/ LM-06
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HD/SD-SDI マルチフォーマット対応ラウドネスメーターユニットLM-860やARIB TR-B32準拠のラウドネスメーターユニットLM-06のほか2つの音声信号(デジタル/アナログ混在)を比較し、不一致を検知&ログ記録できるデジタル/アナログ音声信号比較ユニットAC-748、16ch×16chのデジタルオーディオプロセッサーユニットDX-750、各種VUメーターユニットなど。LM-860はARIB TR-B32 および ITU-R BS.1770-2準拠のほか既存VU計でのモーメンタリー/ショートターム表示、RS-422によるラウドネスデーター出力に対応している。
4 東陽テクニカ (ブース# 4305)
RTWのTouchMonitorシリーズTM7/9
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新製品としてITU-R BS.1770準拠のラウドネスメーターを搭載したRTWのTouchMonitorシリーズTM7/TM9やオーディオ信号レベルや位相状態などをネットワーク経由で遠隔監視するシステムQualis AudioのSENTINEL、ITU-R BS.1770-1、EBU TECH3341,3342に準拠したラウドネス解析ソフトウェアKanonのほかPixel InstrumentsのリップシンクアナライザーLipTracker、ルビジウム内蔵周波数校正器/アナライザーSpectracomのCNT-91Rなど。
5 コンチネンタルファーイースト (ブース#4214)
ブロードキャストラウドネスメーターLM100
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ドルビーのブロードキャストラウドネスメーターLM100やサウンドトラックラウドネスメーターModel737のほか、CharterOakのディスクリートコンプレッサー・リミッターSCL-1、コンデンサーマイクM900、アダムオーディオのNew AX、SXシリーズスピーカー、イクエーターオーディオ同軸モニタースピーカーQシリーズなど。LM100はDolby E ビットストリーム中のdialnorm値の表示や信号クリップ、オーバーモジュレーション、ハイまたはローシグナルレベル、無音ダイアログレベルなどの表示が可能。
6 ヒビノ (ブース#4308)
DK TechnologiesコンパクトオーディオメーターDK Meter
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6月にラウドネス規格対応ソフトウェアにアップデートされたDK Technologies のMSD100CとMSD600M++のほかラウドネス測定用コンパクトオーディオメーターDK Meter、1月に発売となるDPAのボーカルマイクd:facto、多チャンネルデジタルワイヤレスシステムShure ULX-Dなどが出展される。DK Meterは標準的なメータースケールに加え、ITU、EBU、ATSC、ARIB規格のラウドネス測定が可能で、ステレオ対応のDK1と5.1chサラウンド対応のDK2の2モデルがラインアップされている。
7 ヤマハ (ブース#4410)
デジタルミキシングコンソールCLシリーズ
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4月から7月にかけて発売されたデジタルミキシングコンソールCLシリーズのほか、デジタルミキシングコンソールM7CL/LS9のワイヤレスコントロールを可能にした iPadアプリケーションM7CL StageMixやMGPシリーズのDSPパラメーターを緻密にコントロールすることができるMGP Editor、アナログとデジタルを高次元で融合したミキシングコンソールMGP16X、MGP12Xなどを出展。CLシリーズはCL1/CL3/CL5の3機種がラインアップされており、オーディオネットワークDanteにより複数台のI/Oラックを組み合わせることが可能。
8 アストロデザイン (ブース#5410)
ラウドネスメーター対応オーディオモニターAM-3805/AM-3803/AM-3800-D
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既発売のラウドネスメーター対応オーディオモニタAM-3800-Dのほか、PCとLAN接続することにより、Javaアプレットに対応したWebブラウザでの高度なオペレーションやラウドネス値の確認、ログの出力などが可能なAM-3805/AM-3803。いずれも3G/HD/SD-SDIエンベデットオーディオ対応で5.1chサラウンドの2chモニターやスピーカーなどを搭載している。AM-3800-Dはドルビー対応モデル、AM-3803はウーハー搭載モデルとなっている。また、編集ソフトEDIUS上で動作するラウドネス値計測ソフトウエアSP-3800などを出展。
9 オタリテック (ブース#4409)
Jünger AudioラウドネスコントロールプロセッサーD*AP LMシリーズ
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日本の現場環境にあわせてカスタマイズされた 2ch ラウドネスコントロールプロセッサーD*AP LM2-JSや制作の現場に最適な 4ch ラウドネスコントロールプロセッサーD*AP LM4のほかLAWOデジタルコンソールシステムmc²56などを出展。Jünger Audioのラウドネスコントロールプロセッサーはラウドネスレベルを計測するだけでなくフィルターやコンプレッサー、エクスパンダー機能を搭載しており、Level Magic IIプロセッサーによりラウドネスのコントロールが可能。
10 ローランド (ブース#4613)
8ch収録&ミキシング対応ポータブルレコーダー「R-88」
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IBCですでに披露された来年発売の「R-88」は、8ch入力+2chミックスのレコーディングが可能なポータブルデジタルレコーダーで、フィードでのマルチトラック収録やサラウンドなどに対応可能。その他新製品としてメジャーバージョンアップにより、作業環境をカスタマイズ可能なユーザーインターフェースを備えたSONAR X2 Seriesや48トラックのスタンドアローン HDDレコーダーR-1000、USBアウト付AVミキサーVR-3、ローランドのライブミキシングコンソールM-480をリモートコントロールするアプリケーションM-480 Remoteなどを出展。
11 ヤマキ電気 (ブース#4509)
ラウドネスメーターYLM-M2022
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高精細202ポイントLEDバーメーター搭載のYLM-M2022のほか、ITU-R BS.1770に対応した2chラウドネスメーターYLM-D102H、8chラウドネスメーターYLM-M208、小型ながらインテグレーテッドラウドネス表示やサンプルピークインジケータ表示が可能なLLM-mini II、AES4系統対応のYLM-2ESシリーズ、VUとラウドネスメーターを搭載したYLM-ND01Tなど各種メーターなど。

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