江夏由洋がチョイスする High Resolutionの世界を巡るコースとは?

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いよいよ11月にInter BEEが幕張で開催されます。今年のキーワードはHigh Resolutionです。ラスベガスで4月に行われたNABにおいてもやはり注目は4Kやハイスピードといった次世代の映像表現でした。High ResolutionとはポストHDの行く末としても期待される技術を言うのですが、空間解像度と時間解像度という指標で従来の規格を上回る技術を指します。例えば4Kという言葉はHD映像の約4倍の解像度を持つ新しい規格で、デジタルシネマの世界や今後の映像制作の基準となることは間違いありません。また時間解像度という見方では、1秒間に撮影するフレーム数を上げることでより細かい動きの表現を実現させる技術です。ハイスピード撮影では、人間の目では捉えられない動きをカメラで捉えることが可能になりますね。こういった技術が大判センサーのカメラとして実現し、デジタルシネマの世界がより広がることになるでしょう。

今年のInter BEEでは4Kやハイスピードといった映像を、多くの人が手にできるような技術が発表されるはずです。数々のメーカーから4K映像のソリューションが提案されるでしょうし、新しいカメラの発表などもあるはずです。よりオペレートの簡単なハイスピードカメラなども見られるでしょう。そういった映像の編集ワークフローや、ファイルベースの未来がのぞける今年のInter BEEが非常に楽しみですね!

1 アドビ システムズ (ブース#8517)
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まずInter BEEに来て最初に訪れる場所はここAdobeブースです。昨年同様、ノンストップでセミナーが開かれる予定ですが、今年はCS6のデモを中心に次世代のノンリニア編集の形を聞くことができます。特にPremiere Pro CS6やAfter Effects CS6の新しい機能や、64bitを中心とした4Kやハイスピードの素材をいかに効率的に扱うかといった話は、間違いなくInter BEEを見る上で大切な「ネタ」になるはずです。超効率的な映像編集のカギを握るネイティブ編集や、Illustrator CS6やPhotoshop CS6といった他のAdobeツールとの連携なども興味のあるところですが、何といってもCS6から新しく開発されたSpeed GradeやPreludeといったソフトウエアにも注目です。
2 レッドディジタルジャパン (ブース#8518)
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4K映像の老舗RED Digital Cinema。今年その日本オフィスが東京に開設され、今回はADOBEブースの裏に、初めてレッドディジタルジャパンのブースが出展されます。RED ONE発売から5年目となる今年は、EPICやSCARLETといった4K、5Kのカメラが現場でも使われるようになりました。今年レッドディジタルジャパンがADOBEブースの真裏にブースを構えたのには、おそらくREDの4K、5Kの素材はPremiere Proで扱うのが一番効率的であるため、その密接なワークフローを展開できるからでしょう。またアメリカ本国からもREDの伝道師であるTED氏の来日が期待されます。この際いろんな質問をしてみるのもいいかもです。時代の先端を駆け抜けるハリウッドナンバーワンカメラを是非手にしてみましょう。
3 Canon (ブース#8218)
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そして日本で今一番「シネマ」に力を入れているCanon。話題の4KカメラC500や1D Cといった最新のカメラがいよいよ日本で初お目見えとなります。先月発表になったコンシューマタイプのC100も併せて、おそらくラインナップには来場者の多くが集中するでしょう。そして見どころはおそらく4Kシアターです。今年の4月のNABでは4Kコンテンツが何本か上映されたため、今回のInter BEEでも同様の上映が期待されます。4Kという新しい世界がデジタルシネマの常識を作ることになるでしょう。ナショナルブランドが掲げる4Kの映像はREDを超えることになるのでしょうか?またひょっとしたら新しいカメラの発表なども考えられます。朝早くに行くのが混雑を避ける秘訣だと思います。
4 Panasonic (ブース#7308)
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最近、少し動向が静かなPanasonic。大判センサーのカメラもAF105以来音沙汰がありません。もちろん一時期はハリウッドに最も近いブランドとして注目されていました。ということで、新しい4Kソリューションや大判センサーのカメラといった、Panasonicらしいデジタルシネマのコンセプトが発表されることを期待したいです。そして何よりも注目なのはAVC Ultraという新しいコーデックの実用化です。4Kも含めた視野で、時代を変えるような新コーデックの中身がいよいよ形になるのでは?と今回のInter BEEでは具体的なソリューションを見てみたいものです。
5 Blackmagic Design (ブース#7206)
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必ず行かなければいけないのがBlackmagic Designのブースです。必見は一押しのカメラ、Blackmagic Cinema Cameraです。発売から品薄が続くこのカメラを触る、絶好の機会といえるでしょう。20万円代で購入できる2.5Kシネマカメラということだけでなく、MFT版も発表になり、多くの人が集まることとなるでしょう。またこの秋、さらに多くの商品ラインナップが発表され、さらなる可能性をクリエ―タ―に与えることになりそうです。特にMacBook Proを使ったThunderboltインターフェース機器の数々は注目です。またカラーグレーディングのDaVinci Resolveの最新版など、現在の映像界をリードするBlackmagic Designの勢いを体感しましょう。
6 ケンコープロフェッショナルイメージング (ブース#7302)
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LED照明の代理店を務めるケンコープロフェッショナルイメージング(KPI)では、最新のLED機器を見ることができます。実はこのLEDこそが次世代の照明機器として、いよいよ現場でも支持されるようになりました。つい最近までは安定しない発色などでLEDは避けられがちでしたが、電気容量や寿命、軽量であることなどが後押しして、数々のブランドから実用的なLEDが発売になっています。KPIではCamlightやFLOLIGHTといったLED照明のパイオニアともいえる数々の商品を手に取ってみることができます。DSLRやデジタルシネマでも活用できるものが多くあり、価格もリーズナブル。次世代の照明を一度に見るチャンスです。
7 SONY (ブース#6211)
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そして見逃せないのがSONYです。HALL4・5・6の中でも最初に訪れたいブースです。F65がいよいよ現場で使用され始め、4Kソリューションをいち早く展開しています。今回はCanonと同様4Kシアターの展開が予想されます。おそらく新しい4Kコンテンツが上映されることになるでしょう。シアターに入るにはひょっとしたら行列ができるかもしれませんので要注意です。話題のハイスピード大判センサーカメラNEX-FS700を始め、新型のカメラ発表なども考えられますので、楽しみですね。またセミナーなどもありますので、あらかじめ予定をチェックして参加したいものを決めておきましょう。
8 銀一 (ブース#6208)
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今年もステディカムを「触って、体験」できることになる銀一。あらゆるラインアップのステディカムを一気に試着できるのはこのタイミングだけです。Inter BEEに行ったら必ず見てほしいブースでもあります。もちろん行くタイミングはいつでもOKなのですが、常に人だかりの山なので、ステディカムを背負えるチャンスを伺いましょう。銀一のスタッフはみんないい人なので、カメラをスタビライズさせるコツをいろいろと教えてくれます。制作で導入すると、一気にそのクオリティが上がるステディカムが、なぜハリウッドで「常識」になっているかを知るいい機会です!また新型TANGOの発表もあるかもしれません。
9 Libec(平和精機工業) (ブース#6501)
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今年爆発的な人気商品となっているJIBクレーン、SWIFT JIB50と大注目のリモートヘッドREMO30。DSLRやハンドヘルドのカメラで併用すると映像表現に大きな幅を持たせることが可能になります。こういった特機はなかなか試用する場所がありません。実際に手に取ってみることでその「実力」を体感できます。価格もかなりリーズナブルに抑えられているLibecの商品はどれも導入しやすいと思います。またRSシリーズといった使用感抜群の三脚ラインナップも一度に見ることができるので、是非ブースには立ち寄ってみましょう。ヨーロッパの三脚が日本では多く使われていますが、メイドインジャパンのクオリティの良さを実感すること間違いなしです。
10 Roland (ブース#4613/#4710)
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やはりUstream放送を中心とした機材が注目のRoland。昨年はVR-3をInter BEEで発表し、大旋風を巻き起こしました。今年も新たなる商品が出るのでは?と強く期待されます。音楽機材ブランドとして生まれたRolandですが、今年も音と映像という2つのジャンルをまたいで、時代に即した製品をラインアップすることになりそうです。現場に最も近い立場で商品を作り続けるRolandのプロダクトは、価格という面でも性能という面でも頼りになること間違いなしです。WEB放送というジャンルで新しくその価値を広げるRolandの動向は要チェックです。

Eコース [Inter BEE 2012の歩き方] Avidコース