プロオーディオ部門と映像・放送機材関連部門の2ブースで出展していた。注目を集めていたのはHDMI端子での接続が可能なマルチフォーマットスイッチャー「V-40HD」だ。入力は4チャンネルで各チャンネルはHDMI以外にもRGB/コンポーネントやコンポジットの入力端子を備えている。最大で12台の映像機器を接続することが可能だ。出力は、2系統、プレビュー1系統の合計3系統で、HDMI、RGB/コンポーネント、コンポジットの3種類に対応しているのが特徴だ。発売は12月下旬で、価格は38万8,500円。

ユーザー待望のHDMI対応のV-40HD

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HDMI端子に対応するコンパクトなマルチフォーマットスイッチャー「V-40HD」

Mini Converter「VC-1」シリーズ

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左からFS Felayの「VC-1-DL」、HDMI to SDIの「VC-1-HS」、SDI to HDMIの「VC-1-SH」

もう1つ注目を浴びていたのがMini Converter「VC-1」シリーズだ。SDIからHDMIに変換する「VC-1-SH」やHDMIからSDIに変換する「VC-1-HS」、SDIとHDMIの双方向変換のほかにフレームシンクロナイザーとディレイを搭載した「VC-1-DL」の3つが展示されていた。特徴は小型のボディでありながら元の素材のイメージを崩さないように変換できることだ。デジタルのコンバーターというと変換後もあまり変わらないというイメージがあるが、実際のところ他社のコンバーターでは波形の切れたりなどの問題があった。

VC-1はオリジナルと変換後の波形も公開されていて、ほとんどロスがないことをアピールしていた。「VC-1-DL」は、SDIとHDMIの双方向変換のほかにビデオとオーディオを独立で4.5フレームまで遅延できるユニットだ。リップシンクをするために音だけ遅らせたり、カメラ同士の出力のタイミングを合わせるのにビデオディレイをかけることが可能だ。発売は2013年3月上旬。価格はコンバーターが約5万円で、フレームシンクロナイザーとディレイが約10万円。

根強い人気のあるターンキーモデルの「DV-7HD」

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専用コントローラーとPCで構成されるターンキーモデルの「DV-7HD」。価格は59万8,500円

昨年のInter BEEではハイビジョン対応のターンキーモデル「DV-7HD」と映像編集ツール「DV-7G」が初展示されたが、今年はその最新バージョンや次期バージョンが展示されていた。DV-7シリーズといえば、他社のノンリニアソフトでは「難しすぎて使えない」「詳しい人がいないといけない」といった問題を解決した、一般的な編集システムとは入り口やコンセプトが異なるツールだ。企業の広報や学校などがターゲットで、映像の専門でない人でも使えるようにメニューをすべて日本語表記にしたり、アイコン化するなどの配慮が行われているのが特徴。ブースでは先日バージョンアップされたVer.1.2や次期バージョンのVer.1.5が展示されていた。Ver.1.5ではビデオトラックが2トラック以上、タイトルトラックも2トラック以上、デュアルモニタ対応となる予定。バージョンアップは2013年初頭を予定している。

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従来はターンキーでの発売のみ。HD版よりWindows 7用のソフトウェアと専用コントローラーがセットになった「DV-7G」も発売している。価格はオープンプライス。市場実勢価格は4万円前後

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「取り込み」の機能を選択すると、「ケーブルはここに挿す」といった案内を図解でしてくれる。知識がない人でも映像を扱うことができるようになるのがDV-7HDの特徴だ

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DV-7HDの特徴の1つに音声処理技術「R-MIX」がある。音声の視覚化が可能で、ノイズの多い音声からノイズを消すことができるという機能だ