EDIUSの新バージョンに注目!

小寺信良(ポスプロ関連担当)

新バージョンEDIUS 6.5

現地時間4月14日~15日は、ホテルの各所でプレスカンファレンスが行なわれている。筆者もいくつか参加したが、明日の開会を前に、GrassValleyのプレスカンファレンスにて、EDIUSの新バージョンのお披露目が行なわれていた。

新バージョンの6.5では、昨年のInterBEEで発表されていた3D編集機能が標準搭載となった。さらに映像制作系にもう少し食い込んでいきたいということで、RED RAWや各種DSLRのRAWフォーマットにネイティブ対応する。またアルファチャンネルの扱いも強化され、シーケンス自体にアルファチャンネルが持てるようになる。シーケンスをネストした際にもアルファチャンネルが使えるので、合成の仕込みを小分けにして作業するなどの使い方もできそうだ。

報道系の機能としては、音声のレベルメーターとしてラウドネスメーターを標準装備した。先日NHKが今後の音声レベル管理にラウドネスメーターを採用すると発表したばかりだが、さすがに元カノープス時代にNHKといろいろ共同開発してきただけあって、サポートが早い。またP2やXDCAMでのワークフローも強化され、任意のディレクトリに保持されている素材を他のEDIUSとシェアできるようになった。

また大きなニュースとしては、Grass Valley HQ/HQX Codecを、ライセンスフリーで公開するという。従来デコーダはフリーだったが、今回はエンコーダもフリーになるわけだ。これで外部レコーダ製品などでもGrass Valleyのコーデックをネイティブサポートするようなものも出てくるかもしれない。

期待を裏切らないCanonの戦略

石川幸宏(デジタルシネマ&DSLR関連担当)

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プレスデーにラスベガス市内の4Kシアターを貸し切って行われた、NAB時期で初開催となるキヤノンのスペシャルイベント。NABに合わせて同社が、映像系の新製品発表の大々的なイベントを行うのはおそらくこれが初めてだが、昨年11月のCINEMA EOS登場に引き続き、今回は早くも一つ上のステージに舞台を移したようだ。EOS C300の上位機種で、4K RAW収録/120fps、10/12bitのCanon Logにも対応したEOS C500と、スチルカメラの最上位機EOS 1DX にCanon Log搭載、4K(24pのみ)収録機能を追加したDSLRタイプのEOS 1DCの発表。ともに4K/2Kを意識したキヤノンのフラッグシップマシンの登場となった。

さらにこれまでの半分の重量の小型シネズームレンズ2種(各々EF/PL)と4Kモニターの発表と、相変わらずの勢いを見せている。NAB会場での一般公開に先立って、Palms Hotelにてインビテーションオンリーの4Kデモ映像公開が行われ、それぞれの4K作品と、その撮影監督が紹介された。

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EOS 1DCの作品は、米DSLRムービー界で有名なShane Hurlbut(シェーン・ハルバット)氏。5D MarkⅡでの様々な作品をユニークな機材を自作して撮影、最近ではそのガジェット類のレンタル業も開始し、昨年のCineGearExpoでもブース出展をしていた。C500での撮影を通じてハルバット氏曰く、「これまでのどのデジタルカメラよりも、フィルム作品のような仕上がりになった!」との談。

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そしてさらに驚いたのは、EOS C500の撮影監督だ。なんと!今をときめくJeff Cronenweth (ジェフ・クローネンウェス )氏。そう、「ソーシャルネットワーク」「ドラゴンタトゥーの女」で2年連続でアカデミー撮影賞にノミネートされた大物である。どちらもREDで撮影された作品だが、そこを起用してきたキヤノンのチャレンジ魂もまた際立つ。(ちなみにジェフ氏の父親は「ブレードランナー」「アルタードステーツ」を撮ったDP,故ジョーダン・クローネンウェス氏)そしてその作品は、4Kシアター上映で様々な意味でも完璧なモノとなっていた。それにしても、キヤノン恐るべし。C500、1DCともに秋の発売だが、まずは2012 NABSHOWで大きな話題を呼ぶことは間違いない。

今年のAutodeskは、何かが違う?

猪蔵(モンドガジェット関連担当)

下段ぶち抜きでSMOKEのバナーこれは何かあるな!と思わせる

レジストのために訪問した会場でまず目にするのがサウスホールに掲げられた各社のバナーだ。毎年この大きさでどの企業が好調なのか推し量れる指標でもある(と自分の中で)。一際大きくスペースを取っていたのがAutodesk。何やら大きくプロダクトが変わるらしい。ぜひこの目で確認したいということでAutodesk社のプレス発表に足を運んだ。日曜日は、展示会前にプレス発表が行われる日だ。今回は、珍しくかち合う時間に開催されたAutodesk社。

迷わずAutodeskに進路を取った。プレス発表は、コンベンション会場から離れたDream Vision Studiosで開催された。かつては多くの企業がコンベンションセンターから離れた場所で開催するだけあって、ショーアップされている会場は、否が応でも期待が高まる。

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そんなAutodeskが繰り出してきたプロダクトが、「Autodesk Smoke 2013」だ。Smoke 2013は、Mac用の包括的な映像編集、およびビジュアル エフェクトツール。ノードベースのコンポジティング機能 ConnectFXや、全プロジェクトのデータ管理を簡素化する MediaHubや高帯域幅のThunderboltストレージとIOを搭載Apple iMac とMacBook Proシステム上で動作可能により見近なツールになったと言える。またユーザー・インタフェース(UI)などが刷新され新しいソフトウェアに生まれ変わったと行っても良いだろう。プロダクト名から「For Mac」が消えた事も印象的だ。新価格の535,500円(税込)で提供される予定。

街のビデオ屋さんが思うどうなるNABSHOW2012

岡英史(ファイルベース関連担当)

今年も映像業界の祭典が始まった。昨年は初めてのNABだったので解らずじまいで終わってしまった部分も多々在るが今年はそうはいかない。しっかりと事前に情報を掴み下調べをしてタイムスケジュール通りに動く…。そんな訳は無い。子供の頃から夏休みの宿題は9/1にやりこの原稿も締め切り時間を過ぎてから書く。まぁ毎度の事なので編集長も生暖かい目で見てるはず…。

(編集部註:そんな事ないです!)

Panasonic
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今年は事前NAB説明会がなかった事から色んな憶測を生んでいた。何も事前に出さないという事は、よっぽど凄い機材をNAB当日に「どーだ!」と出してくるのか、否か?色々な憶測をしつつカンファレンス会場へ。約1時間のプレゼンは、事例集と2台のカメラ(モック)である。1台は完全にリリース内にも出ていない大型撮像素子を持つカメラ。

センサー自体はスーパー35mm以上の大きさを積む予定と非公式?、ライカ35mmの大きさになるのか?コンセプト的なカメラの発表の様だが、その中身は撮像部に後ろを用途に合わせてドッカブル方式。コントロールはスマートホンにも対応出来る様な雰囲気。各種I/Oポートと収録部分でココにはマイクロP2HDを4発取り付けることが出来る。筆者は思い描く、「理想のカメラ」のコンセプトと同じ様な気がする。発売時期は今の所全く未定。

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もう一台はENGタイプのHPX-600。筐体は最近のHPXの流れをくむハイトが低く前後にやや長い感じのボディ。小型軽量ボディの為にレンズ部分が重く前加重になってしまうのでは?。型番から見るとENG中級機の様な印象を受け、PMW-500のガチ対抗とも思えるが、ENGにこだわらずにマルチパーパスなカメラを目指しているとのこと。つまり、泥臭いロケ収録から、しっかりとした制作物まで、基盤やアタッチメント/アクセサリーを変更することで各々のスタイルに作り上げれると言うのがコンセプトらしい。

SONY
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ココが無ければ始まらないだろうと言う位自分の中では大切なメーカーだ。今年は既に小型機3種類を事前発表。となると更に度肝を抜くような隠れキャラがいるに違いない…。F3の上位版か?はリニューアルしたNX5J?そんな期待を胸にカンファレンスに飛び込むも出てきたのはNEXFS700。ちょっと腰砕けけ感を感じつつSONYを後にした。

今回2大メーカーが事前カンファレンスでチョット期待外れの部分がありつつも、明日以降でブース又は隣接会場にて突然の発表があるかも知れない。それを期待しつつ今日はこの位にして、動画でも仕上げることにしよう…。

まずは、REDでHigh Resolutionを体感!

江夏由洋(High Resolution担当)

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15日の夜にラスベガスに到着。そしてNABの前夜祭にあたるこの日、ラスベガスのホテルでREDユーザーのパーティがありました。ここでは主に4Kの作品の上映と作品の表彰式などが行われました。定員を超える登録者数で、キャンセル待ちが出るほどにぎわっていました。一番目を惹いたのがプールサイドに置かれた4Kモニターでした。やはり従来のHDや2Kといったモニターでは表現できない「描写」は新しい映像の世界を予想させるもだったと思います。

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今回のNABの大きなテーマ「High Resolution」です。日本の各メーカも今回は3Dというテーマを差し置いて、大きく4Kの文字を意識した展示に挑戦するようです。いよいよ明日から始まりますが、とても楽しみですね。もちろんCanonが事前に発表した史上初の4K DSLRや、C500といった4Kによる大判センサーカメラが一番の目玉だとは思いますが、SONYやPanasonicといったブースでも4Kの文字を避けては通れないでしょう。また4KのパイオニアであるREDも4Kを超えたHigh Resolutionを提案してるのは間違いありません。もちろん画面の大きさである「空間解像度」だけでなく、ハイスピードを視野に入れた「時間解像度」も大きな話題となっています。SONYのFS700をはじめとする、OVER 30P という世界も今年のNABでは注目ですね。このあたりをメインに皆様には情報をお伝えできればと思っております!

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PRONEWSの現地特派員5名+αが、各分野を分担、担当し、テキスト、映像、画像を駆使してレポート。今年のNAB showはこの5人+αが盛り上げます!会期中の更新をお楽しみに!

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