4Kへの進化、カメラとその周辺に動きあり!

カメラの4K化が進めば当然それ以降の機材も4K対応になるのは必然といえる。ただ、カメラの場合は極端な話、4Kのセンサー開発と現実的な記録コーデックがあればプロダクトとして成立するが、編集ソフトをはじめとした後処理系や伝送などは決められた規格がないと製品化が難しい。

単に解像度という側面だけをとらえれば編集システムとしてコーデックに対応すれば4K編集は可能だ。そこにRAWや色空間といった要素が加わるととたんに面倒になってくる。RAWはカメラメーカーが主に固有のものをもっており、各社への対応が必要だし、色空間もDCIやSMPTEなど未だ細部まで仕様が決まっていないものもある。それでもソフトウェアベースのものはバージョンアップで対応という手段もあるが、ハードに関わる製品は、部品交換か最悪製品そのものを取り替えなくてはならないからだ。

今年はこうした規格もかなり煮詰まってきたことと、見切り発車的に独自仕様で迎え撃つメーカーも出てきたことから、いよいよ本格的に4Kの時代が到来したといえるだろう。これは、日本を含め数年先に放送を控えた国があり、おのずとそれ以前からコンテンツの制作などで4K需要を見込んだものといえるだろう。また、放送以外でもイベントなど大画面ライブ映像などでも利用が始まりつつあり、対応製品が必要とされているという背景もある。

現状の4KはSDIを4本という方法と光ケーブルを採用する方法に概ね2分されている。SDI4本と言うのは4KはHDの4画面分という由来。光ケーブルは汎用のケーブルを利用でき、ケーブル1本で伝送できるメリットから来たものといえる。

他にもDVI4本とか、HDMI 1本といったPC系あるいは民生機系由来のものもある。そうしたなかで注目したいのは、Blackmagicdesignだ。昨年6G-SDI対応の製品を多数発表したが、今年は1本のケーブルで4K伝送が可能な12Gが登場した。もちろん、ソニーやパナソニックといった大手も4Kのソリューションを展開しているほか、本格的な運用に向けて各社の4Kへの入れ込みは加速している。

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ソニー2ME 4KスイッチャーMVX-8000X。SD/HDスイッチャーとして発売されていたものだが、4Kにも対応

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4Kワークフロー向けに開発されたグラフィックボードMatrox Mojito 4K。4K60pの映像を10bitカラープレシジョンを保ったままフル解像度で出力可能

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4K60fpsまでのハイフレームレートをサポートするKONA 4。10bitリアルタイム アップ、ダウン、クロスコンバージョン機能をもちFlame Premium 2015に対応している

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3G-SDIのクワッドリンクまたはデュアルリンクによる4K映像フォーマット(4096×2160、3840×2160)に対応するマルチ波形モニターリーダーLV5490


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