先の冬シーズンに例年以上の大雪に見舞われたロッキー山脈の山中ではその積雪量も5月後半となっても多く残っていますが、5月18日(日)からは異常な高温の気象となり、日中の最高気温が華氏85度(摂氏29度)を示す日が継続しています。

お陰でロッキー山脈中の各貯水ダムはいずれも満水で今年の夏の水不足の心配は無さそうですが、異常高温が続いたため雪溶け水が一気に増加して特にコロラドの北西の各郡ではFlooding Warning(洪水警報)が出されています。

一方、州の南部の地域では日差しが強くなって来て乾燥状態が続いたため、森林火災や草原火災発生の危険性が高まって来てやはり警報が出されている最近です。

何とも激しいコロラドの気象状況ですが、我が家の庭の芝生もその伸びがとみに早くなってきて既に今年3回目の芝刈りを行いました。

水が豊富に有って、強い日差しの日が続くと言う事で、今度の夏は芝刈りに汗を流す日が例年以上に多くなりそうな様子です。

5月22日(木)の午前10時頃にはデンバー地区での天候がまさに「一天にわかにかき曇り」と言う状態で、突然天候が急変し雲に覆われて強い風が吹き出しました。

そうこうしているうちにTVの昼のニュースが伝えられている時に突然竜巻が昼の12時わずか過ぎに発生し、デンバーの50マイル(80km)ほど北のGreeleyの町の西端で始まって、その近くのWindsorの町ではもろに竜巻が通過したので住宅や家畜を飼育している大きな建物などが多く倒壊したり屋根がはぎ取られたりしているとの緊急放送に切り替わりました。

TVニュースから目が離せなくなって見ていると、その被害状況はこの地域では記録的な強大な竜巻だと言う事で、刻々と被害にあった現場の様子が入って来ました。

翌日になって、新聞やTVがその状況を詳細に報道していますが、丁度Windsorの町で竜巻の下部が地表にタッチダウンして、幅0.5マイル(800m)で長さ35マイル(56km)北北西に向かって帯状にわたって大被害をもたらしたとしています。

しかしながら、この竜巻による死亡者は男性1名だけで、キヤンピングカー用のキャンプ場で駐車して休んでいましたが、この竜巻の影響でそのキャンピングカーが転倒してしまって大破した事から亡くなってしまいました。

最も圧巻だったのは、Windsorの町外れにあるDay Care Center(託児所)には約130名の子供達が居ましたが、全員その建物内のトイレやキッチン等に全員逃げ込み、竜巻が通り過ぎるのを待ったのでした。幸いな事に託児所の建物の屋根の数カ所がはがれてしまったのですが、全員無事であったと報告されています。その後その託児所ではガスの漏れが発生した様で、緊急に子供達全員は近くの銀行の建物に誘導避難されました。

まさに130名の子供達の命運は託児所の建物が丈夫であった事が幸いしています。

その後の新聞やTVニュースでは続々と今回の竜巻の被害を示す写真が伝えられていますが、竜巻の強大なパワーを示すものばかりで、自然の力の大きさに改めて脅威を感じさせられました。

コロラドでは州の南東の隅のオクラホマ州との州境近くや、東側のカンサス州境での発生が頻繁で「竜巻銀座」という感じで毎年大型の竜巻が発生していますが、殆どが平坦なプレーリー地帯で牧草地や畑、となっているので、住居の在る場所を運悪く竜巻が通過すると大被害となりますが、今回の様にGreeleyの町や更に北のFortCollinsの町の様に多くの人口密集部を避けて竜巻が通過したのは不幸中の幸いでした。竜巻の通過に伴ってWindsorの町周辺では野球のボール程のサイズの雹が沢山降って自動車の窓ガラスを破壊した被害も多く出ています。

48番目の各州記念コイン発行

デンバー造幣所
デンバー市庁舎の裏側に道路を挟んでデンバー造幣所が在ります。コインの製造を専門としている造幣所で、金貨、銀貨をはじめ日常的に使われている25セント、10セント、5セント、1セントなどアメリカでの通貨のうちのほとんどの硬貨を製造しています。

5月16日(金)にはアリゾナ州の女性知事のTanet Napolitanoさんがデンバーを訪れてデンバー市庁舎の裏側に在るDenver Mint(デンバー造幣局)でアリゾナ州の記念コイン(25セント硬貨:Quarters)の最初の1枚を製造する為に来ています。

このアメリカ各州の記念コインシリーズは連邦財務局がアメリカの州となった順番にその州を代表する景色やシンボルをコインの裏側に付したものを順々に発行して来ており、既に今迄47州迄進んでいますが、今回アリゾナ州が48番目の州として製造発行する事になったものです。

今回のコインの裏側にはアリゾナ州を象徴する背の高いサグワロサボテンと観光地としてもポピュラーなグランドキャニオンとが描かれており、

ARIZONA
1912
GRAND CANYON STATE
2008
E PLURIBUS UNUM

と刻印されています。

アリゾナ州は1912年2月14日にアメリカ48番目の州として成立しており、一番下の言葉はラテン語で、英語で言えば「In God we trust」と言う意味です。

デンバー造幣所の見学者通用門
案内者付きで内部を見学する事が出来ます。土曜日だったので門は開いていませんでしたが、ウイークデーにはこの門を通って見学者達は中へ入ります。内部はコインの製造現場の他にアメリカでの硬貨の歴史やこのデンバーミントの歴史等が展示紹介されていて歴史博物館的な構成となっています。

デンバー造幣所はコロラドのゴルドラッシュのあった1850年代以降の昔からコインを専門に製造して来ており、1904年に現在の建物は新築されたのですが、100万個以上のレンガと6万立方フィートの御影石、そして1000トンの鉄材とを使用して建てられており、外からはとても破られそうにない4.5フィート(1m37センチ)の厚さの壁とで出来ています。

また、デンバーミントの通用門側には道路を挟んでデンバー市警察の分署となっていますので、特に安全と言えます。

今年に入ってからこれが3番目の発行コインで後残すところアラスカ州とハワイ州のコインのみとなっています。

ここのところ、Rare Earth Metal(稀金属)類の価格が高騰している事は皆さんご承知の事と思いますが、こうした原材料の高騰によりコインの造幣局でその製造にかかる生産コストの方がそのコインの額面金額より上回る様になって来てしまっています。

特に1セント硬貨(Penny)と5セント硬貨(Nickel)とに付いて見てみますと、下記の様になっています。

Penny(1セント硬貨) Nickel(5セント硬貨)
構成金属 銅 2.5% / 亜鉛 97.5% ニッケル 25% / 銅 75%
材料費を含む製造コスト 0.97セント(2005年) 4.8セント(2005年)
1.26セント(2008年) 7.7セント(2008年)
2007年に製造発行された総数 74億個 12億個

と言う事ですから、これらの製造赤字は国の財政で負担していますのでとてもこのまま継続しておれません。

過去、第2次世界大戦中には銅、亜鉛、ニッケル等の金属は兵器の製造に欠かせないものでしたので、鉄を多く混ぜたコインが製造されましたが、今回もコインの表示金額と製造コストのバランスをとるためには同様な事をすることが出て来ると財務省では検討を始めています。

ところで、PennyとNickel以外の硬貨について見てみますと、それぞれまだ余裕が有って下記の様になっています。

Dime(10セント硬貨) 4セント少し
Quarter(25セント硬貨) 約10セント
Dollar(1ドル硬貨) 約16セント

と、5セント硬貨の方が10セント硬貨よりも製造に高く付くといった逆転現象が起きています

1ドル硬貨は大きくて重いので日常的にはあまり使われず、1ドル紙幣の方がポピュラーですが、DimeとQuarterは特に多く使われるコインですので、こちらで稼いでPennyと Nickelの赤字分を補填する、と言う訳には行かないでしょうか?

女性ばかりのハーレーバイクの愛好会

アメリカを代表するモーターバイクと言えばHarley-Davidsonですが、コロラドの南中央端の町Durangoの町をベースとする女性ばかりのハーレーデイビッドソンのバイクのファンチーム「The Hardly Angeles」と言うグループがあって、アメリカ内でのいろいろなイベントに参加してバイクの曲乗り行進を観客に見せています。

既にこのチームの活動は14年間も継続して行われており、ハーレーデイビッドソン社の本拠地のウイスコンシン州のMilwaukeeの町で毎年同社の創立記念日の催しには招待されて、そのバイクによる曲乗り行進を行っています。

日本でも富士山をベースとする車のラリーが毎年行われていますが、そのイベントにも招待されてハーレーのバイクによるパフォーマンスを観客に見せていますが、そのプロモーション会社のBlue Sky Heaven Rallyでは彼女達のチームにハーレーバイクの新車を提供して日本への旅費や滞在費などの費用を全額負担しており、今年のラリーで過去3回目となりますが、会場での演技を見せる為にチームの8人のメンバーが5月13日(火)に日本へ向けて出発しています。

演技は1台のバイクにドライバーと両側に2名のメンバーが片足で立って行進するパフォーマンスや1台のバイクに合計8人が乗って走行すると言う演技、そして3台のバイクが並列走行しながら、それぞれ後部座席に3人が立って、さらに各バイクの間に2人のメンバーが両側のバイクを跨いだままで行進すると言う、合計7人による曲乗りのパフォーマンスなど20分間にわたってラリーの観客に見せると言う演技を行います。

今年はビージーズの「Stayin’ Alive」の曲に合わせて演技を行い、その最終部では「God Bless the USA」の曲にのって演技をしめくくる事になっています。

日本での今迄の2回のラリーの催しでは大変な人気を博したとしていますが、今年の富士山ラリーが何時行われるのか不明で、多分5月17日(土)、18日(日)の週末に行われるのではないかと想像していますが、今回もきっと日本での好演技を見せるものと思われます。

アメリカではハーレーデイビッドソンのバイクの所有者全体の10%強が女性のライダーですが、日本では約7.4%が女性であるとの事で、こうした女性ばかりによる特別演技に日本でのハーレーデイビッドソンの女性顧客の獲得に効果が有るのではないか、と言っています。

コロラド州はアメリカの中でもHarley Davidsonのバイクの愛好者が多くデンバーにあるハーレーの販売店は毎年全米のデイーラーの中でもトップの売り上げ台数をあげています。

HD-DVD無き後のBlu-ray

現行のDVDディスクシステムの次の世代システムとして覇権を賭けたBlu-rayとHD-DVDの競争は今年1月4日のConsumer Electronics Show開幕寸前にそれまで両方のシステムの映画ディスクを市場にリリースしていたワーナーブラザース社が、今後Blue-rayのみでの映画ディスクリリースを行う、という発表があってCES会場でも大きなショックを与えました。

続いて、業界内でのHD-DVDの存続についてのいろいろな出来事がありましたが、2月19日にHD-DVDの盟主の東芝よりHD-DVD事業から正式撤退するという発表があって、Blue-rayディスクシステムの公式な勝利が認められる事となりました。

その後の市場状況に付いて市場調査会社のNPD Groupの5月13日(火)発表のレポートによりますと、HD-DVDが市場から撤退する事となって以降のBlu-rayディスクプレーヤーの売れ行きについては、HD-DVDが競合しなくなったにもかかわらずBlue-rayディスクが演奏出来るソニーのPlaystation 3のゲーム機を除いたBlue-rayディスクプレーヤーに付いてのアメリカ市場での今年1月の売り上げに対して、2月の実績は約40%の低下となっており、更に2月から3月の売り上げ実績は、たったの2%のアップとなっている、としています。

東芝でのHD-DVDプレーヤーの市場での整理期間として3月末迄に終えるとしていましたので、各販売店でのHD-DVDプレーヤーの扱いは事実上3月一杯迄継続しており、BestBuy店やCircuitCity店などの各販売店でのHD-DVDの映画ディスクの展示販売も行われていましたし、新聞の折り込み広告にもHD-DVDプレーヤーや東芝やHP社のパソコンでもHD-DVDドライブ内蔵のモデルが載っていると言う状態でした。

しかしながら、4月に入ってからはさすがにHD-DVDの関連システムやディスクは完全に姿を消したので4月及び5月のNPD Groupの市場でのBlu-ray関連の売り上げ統計がどうなるか大変興味が持たれるところです。

現状を見ている限りでは、Blu-rayの単独システムの市場展開となったにもかかわらずBlu-rayプレーヤーの販売やBlu-ray映画ディスクの販売についてははっきりとした増加が認められず消費者は現行のDVDプレーヤーでHDにアップコンバートした出力の得られるモデルが購入されている様で目立ったBlu-rayの販売の伸びが認められない状況となっています。

このままではDVDのアップコンバートのプレーヤーでHDTVセットへ接続してその画質に満足して見ているユーザーが増加するのみでBlu-rayがDVDの次世代のシステムとして大きく伸びるというのにはかなりの時間を必要とする事となりそうです。

日本での市場の状況とは少し異なることと思われますが、Blu-rayではそのプレーヤーやPlaystation 3、そして映画ディスクとシステムの市場への全面展開をしているソニー社の一人勝ちで、その商品価格面でも高いままとなっている現状ですので、今年の年末商戦に入る迄の間はソニー社がBlu-ray関係事業では独りエンジョイして行く事になりそうです。

また、Blu-ray一本に絞られた映画ディスクもDVDの方は相変わらず堅実な売り上げを示しているもののBlu-ray新譜ディスクはそれほど伸びることなく推移すると言う事でハリウッド各メジャースタジオもあてが外れた事となる今年の販売状況となるのではないかと思われます。

現在市場は夏のアウトドーアシーズンを前にしてMP3プレーヤーやデジカメ、そしてビデオカメラなどに販売の中心を移している時期であり、秋以降の家庭内で映画プログラムなどを楽しむ時期となって来たところでの各社のBlu-rayに対する新モデルの市場投入がどうなるかがその普及や販売実績の鍵を握っている様に感じられます。

フォトギャラリー ~メモリアルデイのパレード~

5月26日(月)はアメリカではMemorial Dayと言って国民の祝日です。戦争で亡くなった兵士や国の為に戦った人達の偉業を讃える日で、全米各地でいろいろな催しが行われますが、デンバーでは2日前の5月24日(土)に町の中心に在るCivic Center Parkを起点としてダウンタウンを一周して再びCivic Center Parkへ戻るコースでいろいろな趣向をこらしたグループの行進が行われました。パレードの規模は他の催しの時と比べて小規模ながら初夏を思わせる好天気のもと盛大に行われています。以下はこのパレードでのスナップショットです。
太平洋戦争で米軍が硫黄島を占領した時の光景を模した飾り付け。 中学生の女生徒チームによる行進。
小学校低学年の女生徒チームによる行進。 モーターバイク同好会チームの行進。
クラッシックカーT型フォード2台による行進。 乗馬チームによる行進。
州兵の兵士達による行進。

あとがき

アメリカで最も長い通りと言われているデンバー地区を東はオローラからデンバーの町を横切り西のLakewoodの町迄東西に一直線に横断しているColfax Avenueを使って開かれる今回で3回目の恒例となった「Colorado Colfax マラソン」が予定通り5月18日(日)の朝6時にスタートで開催されました。

今回は今迄の様にColfax通りをただ一直線に走ると言う変化の無いコースを変更してデンバーのダウンタウンの町中も走り抜ける様にセットされましたが、今迄で最大の総勢5000名以上の参加者があって盛大に催されました。

このマラソンはNew Yorkマラソンの成功例を手本として始められたもので、その参加者数ではとてもまだ及びませんが、年々規模が大きくなって行く事をデンバー市では期待しています。

今回のColfaxマラソンでは32チームのバンドがコースの各所で音楽演奏で盛り上げ、コースに沿って各3市からのボランテイアの人達や合計330名の警官が交通整理などで配置されました。

また、ゴール地点では5000本のバナナが参加ランナーに配られ、途中の水の補給場所では20万カップの飲料水やゲータレイがランナーに渡されています。

一年中でも記録的に最も天候が安定している5月20日前後の週末に毎年開催して行こうと言うマラソンですが、アメリカ内でも特に運動や健康に対する意識が高いと言われているコロラドの催事の一つとして今後も徐々に発展して大きな恒例イベントに発展して行く事となる事をデンバー市では目指しています。

WRITER PROFILE

萩原正喜

米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。