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[コロラド紀行]Vol.20 番外編: シアトル紀行~その1

2008-08-05 掲載

7月23日(水)から29日(火)の約一週間私はワシントン州のシアトルへ行っていました。私の長女がシアトルの郊外のマイクロソフト社の在る事で知られているRedmondの町に住んでいますが、私は日本へ行った帰りに立ち寄っていますが、家内は電話で時々話すくらいでもう4年も会っていないと言う事で今回は訪問を兼ねてのシアトル観光を行う事にしました。

その他に、日本でも伝わっている事と思いますが、アメリカの経済不況に刺激を与える意味でブッシュ大統領がサインして実行されている「Stimulus」と呼ばれている全米の納税者を対象に一人当たり約600ドルの現金支給還元するシステムの恩恵で我が家にもアメリカ政府から600ドルの小切手が来ましたので、感謝してブッシュ政権の狙い通り消費しようと言う事でシアトル旅行を思い立ったものです。もっとも、私のアメリカ政府への昨年度の納税額が少なかったので家内と二人分で半額の600ドルでしたが、今回の旅行の費用の足しになりました。

Seattleと言えば、アラスカとハワイとを除くアメリカ本土の都市の中でも最も北西に位置していますので、日本からは最も近いアメリカ本土の町という事になります。日本から訪問する観光客も多く、また古くから住む日系人の人達も多いと言う事で、比較的身近な感じがするところとなっています。コロラドは海無し州ですが、シアトルの町は深く入り込んだ入り江に面した港町であり、新鮮な魚介類とうまいお寿司が食べられるという事も魅力の一つとして私も期待していました。

私自身は久し振りの仕事を離れてのフリーな家内との旅行でしたので、ゆったりとした気分で今回のシアトル旅行を満喫しました。今回のレポートから5回に分けて其の時のシアトルでの様子を撮影した写真とともに「シアトル紀行」として週替わりで報告したいと思いますのでお楽しみ頂ければ幸いです。

シアトル紀行 「DAY ONE」

シアトルはデンバーからは飛行機で約2時間15分の距離に在ります。 空港はシアトルとその南のタコマの両市のほぼ中央に在る事からSeattle Tacoma空港、略してSeaTac International Airportと呼ばれています。

現在、空港の内部の道路を改装中でいたるところで工事中という感じで、特にレンタカーの返却場所への通路が見分け難く始めての人が夜になってレンタカーを返そうとすると所定の返却場所へたどり着くのが大変分かりづらい、といった状況となっています。日本でのシアトルの事で良く知られているものと言えば;

  • 野球メジャーリーグのシアトルマリナーズで活躍するイチロー選手、そして城島捕手。
  • 近年日本の各地でもその支店を拡大しているコーヒーのStarbucks。
  • パソコンのWindows OSでお馴染みのMicrosoft。
  • ジャンボジェット旅客機で知られているBoeing。
                             

と言う事ですが、今回はそんなところもカメラに収めようと思っていましたが、以下に順を追ってご紹介致します。

Snoqualmieの滝

シアトルの町からインターステイトハイウエイ90号線を東南東に25マイル程行ったところのExit 27 Snoqualmie Fallsの出口で降りて、Fall Cityの町からSnoqualmie川に沿って少し登ると道端の両側が駐車場となっています。滝の高さは270フィート(82m)で滝壺の深さは65フィート(19.8m)という事で有名なナイアガラ瀑布より100フィートも高いのだ!と記してあります。

日光の華厳の滝がたしか100mちょうどだったと思いますので、それより少し低い滝と言う事になります。 シアトルから車で40分程の近くの比較的平坦なこの様な場所にどのようにしてこの滝が構成されたのか不明ですが写真で滝の左側に在る建物はSalish Lodgeという高級ホテルで、付属するレストランは一流の美味い料理を提供しているとしています。写真の滝の右側の建物は水力発電所の変電の設備で、この滝は観光地としてもポピュラーですが、むしろ古くから水力発電に利用されている事で有名です。

滝の展望台は滝よりも更に高い川底から300フィート(91m)のところに設けられていて、そこから眺める滝の景観はなかなかの眺めです。また、下流に向かって少し進むと川岸へ下りて滝を下から臨む事も出来る様になっています。

説明によると1890年代に土木技師のCharles Bakerと言う人がこの滝を眺めて発電に利用出来ないか、と思いつき1898年から水力発電の工事が始まっています。「民間の技師の発案で開発された歴史的な発電設備」という記念碑が取り付けられています。

最初の発電設備は滝の右側に垂直な導水路を岩盤に掘削してその底部にタービンを5基設けて発電を始めました。その後1910年に別の取水口から導水路をさらに掘削して下流に導いてタービン2基を持つ第2発電所が建設されています。両方の発電所はそのとき以来合計で41,900kWの発電を現在でも継続して行っており平均の家庭の約16000軒分に供給を続けています。

この滝や発電設備は地元の電力会社Puget Sound Energy社が管理しており、公園として運営されていますが、年間150万人以上の見物客が訪れているとしています。 展望台の近くに絵はがきや写真、その他のお土産記念品等を販売している店が開いていて、この滝の四季の変化の様子を大きな写真で展示していますが、冬期には滝全体が氷結する事も有って素晴らしい光景となることや、水量の多い時には滝の幅が絶壁一帯に広がって豪快なシーンとなることを紹介しています。

Redmondの町に在るマイクロソフト社の一大キャンパス

マイクロソフト社でお馴染みのレッドモンドの町はシアトルの中心街からはハイウエー520号線で接続されており、東へ約11マイル(18km)の距離にあって、車で約20分といった場所に在ります。アメリカの各社のキャンパスの中でも最も広大な施設と言われています。

私は以前に業界の会合で3回程ここの建物の一つの会議室で過ごした事が有り、また別件で訪れた時にプログラミング技術者達の作業環境を見せてもらった事が2回程有ります。大変良好な環境で設備やいろいろな施設も完備していますので、優れたソフトウエア開発が出来るのに相応しい作業現場だと思いました。

少し前にマイクロソフト社よりの公表で創業以来同社のトップを務めて来たBill Gatesさんが今回現役からは引退する事となって、同社のCEOを務めているSteve Ballmerさんに経営の実権が握られる事となります。

マイクロソフト帝国もこれで新たな時代の一歩を踏み出す事となると受け取られていますが、今迄、 同社で最も重要な位置付けのそのWindowsのビジネス部門とオンラインビジネス部門を掌握していた長年同社に勤めて取締役をしているKevin Johnsonさんが今回退社してネットワーク装置のメーカーであるJuniper Networks社へ移籍する事となったと発表され業界に少なからずショックを与えています。

先にマイクロソフト社がYahoo!の買収に乗り出そうとしましたが、買収交渉が不調に終わって、その責任をとらされたとの観測がなされていますが、一旦、Steve Ballmer氏に実権を集中させ、後ほど各部門の新任責任者を決める事になりそうです。

シアトルからハイウエー520号線を東にとって、520号線の終点から2つ手前のNE 40th StreetのExitで下りると156th Avenueとの交差点が写真等で良く紹介されるマイクロソフト社のキャンパスの北西の角に在るマイクロソフトの看板です。 この角から南東の方へ広大な敷地に多くの建物が広がっています。

少し南に下がった36th Streetにあるマイクロソフトの看板です。この通りは同社のキャンパスの中をL字型に横切っており、きれいに手入れされた並木道となっています。正門に守衛室と言った構成では全くなく、キャンパス内の道路は誰でも通れますが、各建物はその入り口に施錠されたドアーがあって従業員のIDカードで開いて入る、といった仕組みです。また、時々キャンパス内の道路をセキュリテイの車に乗った警備の人たちが巡回しています。

マイクロソフト社からホテルへの帰り道に道端にこんな看板を見つけました。牧場で乳牛を飼育している農家が経営している乳加工品の即売場で牛乳を始めいろいろなチーズやアイスクリームなどを道端を通る人達を対象として販売しています。

「グルメアイスクリーム」という看板に引かれて車を停めてそのアイスクリームを家内と食べてみました。コーンにどっさりと入ったアイスクリームで味は甘さ控えめと言った感じですが濃厚な自然さが感じられてなかなかの味で、特に暑い夏にはもってこいの経験でした。

あとがき

夏は乾燥した空気で日中の日差しが強く暑さは厳しいのですが、夜には蒸し暑くて良く眠れないという事が無いコロラドです。ここのところ日中の最高気温が華氏90度(摂氏32度)を越える日が続いています。

8月4日(月)の夜のTVの天気予報番組では華氏90度を越えた日が23日間継続しており、過去記録をとり始めて以来の新記録だと伝えています。地球温暖化の影響が少しずつ現れ始めて来たかと気になる此の頃ですが、先の冬シーズンにはロッキー山中での降雪量が多かったので山中の樹林帯では木々が水分を豊富に含んでいますが、東山麓の平野部ではこの暑さの日の連続で乾燥状態がひどくなっています。

そうした折から8月4日(月)の午後1時頃デンバーの西のこれからロッキー山脈への登りにかかるという場所にHayden Green Mountain Parkという広大な草原地帯が在りますが、そこへ落雷があって草原の枯れ草に引火して瞬く間に草原火災(Glass Fire)として燃え広がり、隣接する住宅地域へ迫るという事態が発生しました。

幸か不幸か風はほとんど無く燃え広がる速度が抑えられていましたが、煙が周囲に漂ってしまい人体に危険となって来た事からこの住宅地域一帯に緊急避難の指示が発せられ、また近くを走っているハイウエー6号線は消防車などの緊急車両のスムースな移動を助ける為に一時的に閉鎖となりました。

日中だった事もあって、TVの緊急ニュースでは現場からの中継やヘリコプターを使っての実況中継となって報道され注目されました。消防士達は主として住宅への類焼するのを防ぐことに主力を置いて活動し、小型飛行機の放水タンカーによる空からの放水も住宅に迫る火を対象に消化活動していました。

幸いな事に途中で風向きが変わって住宅地域への延焼は防ぐ事が出来ましたが、間もなく天の恵みで少量ながら雨が降り始めて午後6時頃にはほぼ鎮火する事が出来ました。

その後のレポートによると、怪我人や住宅への被害は無く、約900エーカーの草原が一面焼けたとしています。大都市に隣接した場所にこうした広大な広さの草原があるのも驚きですが、この夏にはコロラドでは今回の火災が大規模火災としては始めてで、日本にも伝わっている事と思いますが西海岸のカリフォルニア州では既に沢山の大規模天然火災が発生しており多くの損失を生じています。

森林火災と違って今回の草原火災は消防チームにとっては手慣れた消火活動といった感がする活躍で収める事が出来ましたが、奈良の若草山の山焼きやブラジルのアマゾン川流域やインドネシアなどでポピュラーな焼き畑農業ではありませんが、こうたびたび半端でない大規模な天然火災がアメリカ各地で毎年繰り返されると、その地球温室効果ガスの発生量としてはどのくらいになるのだろうか?  などと心配になります。


WRITER PROFILE

萩原正喜 米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。


[ Writer : 萩原正喜 ]
[ DATE : 2008-08-05 ]
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