InterBEEで情報をつかむには、くまなく歩くことだ。歩くことによって映像のトレンドが、浮かび上がってくる。本日初日は、各社が出展しているカメラから浮かび上がるカメラの未来像を探って、本日の総括としたい。

19日の来場者数:12029人(国内:11687人 海外:342人)

フラッシュメディア記録カメラレコーダーを各社が推進

Inter BEE 2008における各社のカメラレコーダーの環境は、各社ともテープレス環境が中心だ。テープベースのHDVカメラについても、オプションやサードパーティ製品を使用してファイルベースの収録が可能になってきていることから、事実上テープ収録はバックアップ用となっていきそうだ。

そもそもテープレスカメラ化の口火を切ったのは、パナソニックだ。2004年に、SDカード技術を使用したP2カードに記録するDVCPRO P2を投入して驚かせた。あれから4年。今年はついに可変フレームレートカメラVaricamもP2HD化を果たし、720からフルHD1080への解像度向上も果たしている。AVC-Intraコーデックを採用した放送・プロダクション用途に提供してきたP2HDカメラレコーダーに加え、今年はAVCHDコーデックを採用した業務用カメラレコーダーのAVCCAMシリーズを追加。MPEG-4 AVC/H.264ベースのコーデックを採用するカメラレコーダーで製品ラインアップを網羅している。

ソニーのテープレス化は、用途に応じて4種類のメディアが混在している状況だ。ハンディ型カムコーダーXDCAM EXシリーズのフラッシュメモリ型SxSカード、HDVカムコーダのフラッシュメモリ記録ユニットに使われるコンパクトフラッシュカード、業務用ショルダー型カムコーダーXDCAMシリーズに採用されているProfessionalディスクの3つと、今回、新たに登場した「まめカム」HDのメモリースティックだ。カムコーダーの想定する市場と価格面を考慮して、メディアを使い分けていると言える。ブースでは、発売直前のHDVカムコーダーHVR-Z5Jや、今年発売したショルダー型XDCAM EXカムコーダーPMW-EX3もじっくり触ることができる。ソニーは、全世界展開を始めたデジタルシネマカメラF35も出展しており、ハイエンド制作系においてはまだまだRGB4:4:4にも対応したHDCAM SRテープ収録が必要だと考えていることがうかがえる。

池上通信機は、夏に発売となったGFcamシリーズを提案している。昨年のNAB 2007でコンセプトを発表して以来、1年以上をかけて熟成を重ねてきた。東芝と共同開発したフラッシュメモリパックのGFPAKを使用して収録する。今年は技術参考出展として、Bluetooth通信を使用したカメラコントロールをデモしている。

キヤノンは、自社製オプションによるテープレス化はまだの状況だ。ブースでは、マイナーチェンジを行って機能を強化したHDVカメラXL H1SとXH G1Sを出展した。XLH1Sのバッテリー部にローランド製ディスクレコーダーF-1を取り付けることで、テープレス収録への対応とと、オーディオ収録の強化が行えることを示している。

日本ビクターは、久しぶりにカメラレコーダーを出展した。HDV規格がまとまるきっかけを作った日本ビクターであったが、ここ数年は海外市場でJVCブランドによるProHDとして販売していた。今回、ソニーからXDCAM EXファイル形式のライセンスを結び、GY-HD200UB/GY-HD250UシリーズのオプションとしてSxSメモリーレコーダーを参考出展し、日本販売に向けた取り組みを加速させた。

各社とも既存のテープカメラの延長線上でテープレス化を実現してきているが、最後にこうした既存の枠にはまらない取り組みをしているのが、西華産業に出展しているREDであろう。RAWファイルベースの高解像度データを使うということから投入されたデジタルシネマカメラRED ONEだが、イメージセンサーの生画像から自分の好みの色に仕上げる過程が必要だ。デジタルスチルカメラの現像処理と似た思想をもちこんだことで、その可能性は徐々に理解されつつあるが、まだまだこれからという印象もある。ブースでは、次世代REDカメラのコンセプトも発表になり、EPICカメラでは、28K映像を55,000ドルで実現することも明かされた。

各社のカメラ収録環境がファイルベースへの移行を図った今年。バリエーション豊かなカメララインアップが揃ったが、編集環境が追いついていない印象も受ける。次世代環境における一番の問題点ともいえよう。

11月19日の押さえどころ


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