八月があっという間に過ぎてしまい朝晩に肌寒いと感じるようになった。秋である。時間のたつのは早い!より良い物を提供しようと、そして何とかアイデアを反映できないかと日々試行錯誤中である。まさか、また全ブース取材?と思うと…。一度やったことはやるのは野暮である。そう企画やクリエイティブの部分に時間を使いたいのだ。できるだけ煩雑な作業部分には時間を使いたくないのだ。そう快適に物事が進めば良いのだ…。それには企画にあった機材やソフトを検証していく必要があるのだ。前回前置きが長くなってしまったVegasPro9だが今回はさらに深くこのソフトで何ができるのか考えてみたい。今回は、日常でもVegasProを使い倒しているふるいちやすしさんに力をお借りした。

非破壊編集の強みとは?

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Vegas Pro9の強みはその柔軟性だ。早速その辺を紹介していこう。まずはファイルの互換性なのだが、基本的には特別な編集用コーデックを必要としないタイプで、生の撮影素材をダイレクトに(もちろん非破壊)編集できる。この「変換」というステップ軽減は非常にありがたい。メディアレコーダーやVegas Pro9で録画した物ならその場で即編集に取り掛かれるのだ。特にXDCAMとの連携は完璧でAVCHDやREDのデータもネイティブで編集できるというソフトは今現在Vegas Pro9しか存在しない。もちろん一つのタイムラインにそれらを混在させても難無く作業できる。

また、編集用のコーデックを使用しない事で当然ストレージスペースも大幅に節約できるはずだ。HD時代になってからのハードディスク消費量はハンパじゃないことは言うまでもない…。特にAVCHDが業務機やデジタル一眼でも採用されるようになって、AVCHD素材が持ち込まれるケースが増えてきているが、これをまずProRes変換という事になると時間もディスクも結構消費してしまう。そしてもう一つの特筆すべき点は、その動作の軽快さだ。これはFinal Cut Proの速度に慣れてしまっている人には異次元の物に感じるはずだ。基本的な処理設計の時点ですでに違いはあるのだろう。

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コマ落ちしない再生機能にびっくり!

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目に見える大きな特徴としてリアルタイムフレームコントロール(正式名称ではない)がある。これは素材の重さ、付加したエフェクトやトランジション、そしてPCの能力に合わせて瞬時に再生するフレームレートをコントロールしてリアルタイムでの再生を維持するものだ。その時々で再生時のフレーム数が表示され、リアルタイムを死守しながらとにかく再生を続ける。もちろんPCの能力にも依るのだが、ちょっとやそっとのエフェクトではフレームレートが落ちる事はない。しかもループで繰り返し再生しているとだんだんフレームレートが上がってスムーズに再生できるようになる。おそらくプレビュー用のTempファイルをバックグラウンドで書き出しているのだろう。いずれにしても編集中にレンダリング待ちという事はない。

一日中編集しているとFinal Cut Proと比べて数時間の余裕が生まれる。このようにVegas Pro9の大きなこだわりはリアルタイムと省時間だ。別売ではあるが、Production Assistant というVegas Pro9専用のプラグインをインストールすると、その特徴は更にパワーアップする。これにはスライドショー制作や複数のフォーマットを一括書き出しといった作業をバッチ処理する機能等が付いているが、特にすごいのは空の素材を組み合わせてスーパーインポーズ、エフェクトやトランジション等の効果も含めてテンプレートを作っておけば、後は素材を選ぶだけで一瞬にして番組ができてしまう。もちろんそれはVegas Pro9 のタイムライン上にデータとして完成するので、細かい微調整などは後からやればいい。この機能は番組やブライダル等の定型作品を幾つも作るといった仕事にはもってこいだと思う。

音楽畑の人も薦める音声編集の秀逸さ

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はずして行けないのは音声編集のやりやすさだ。他のソフトが別の専門ソフトとのリンクという形で実現している機能をVegas Pro9はその本体の中に持っている。中でもミキシングコンソールの使いやすさは、専門ソフトを上回る物もある。この辺りは、次回に触れよう。いずれにしてもとかく一人のクリエーターが小さなシステムでほとんど全てをやらなきゃいけない仕事が増えてきている今の時代にはピッタリ合っているソフトだ。Vegas Pro9は強力な武器になるに違いない。

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