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Column

Vol.04 バスク Avidで築く「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」

2010-07-09 掲載

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全テレビクルーによる撮影

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田口拓也 氏(左) 本広克行 監督(中央) 村上公一氏(右)

今回の撮影スタッフには、映画専門のスタッフを採用せず、これまでも本広監督作品の劇場映画作品『サマータイムマシンブルース』、『曲がれスプーン』や、TVドラマ『SP』などでも撮影を担当した川越一成氏が撮影を担当、撮影クルーと編集スタッフは、すべてバスクのテレビ系スタッフで構成された。しかし彼らもすでに前出の映画作品などで、映画制作の現場を経験しており、TV/映画というスタッフ編成の垣根を越えた、制作チームの編成であることも興味深い。

「今回撮影スタッフについても、バスクさんにお任せしました。彼らはすでに「SP」で監督にも信頼されていましたし、映画的な表現も評価されていました。また例えば、画のデータのやりとりなども、撮影からポストプロダクションまで同じ会社で出来たので、その連携も非常にスムーズでしたね」。(村上)
「スタッフを刷新するにあたっては、当初多少の不安を感じるという意見もありましたが、僕らはいつも新しいことにチャレンジして、それを良い方向へ昇華して成功させてきた実績を理解して頂き、今回は全く新たなスタッフで制作することが出来たのです。それが結果的には非常に良かったと思います。平均年齢も若返り、中には小学生のときに『踊る大捜査線 THE MOVIE』を観たというスタッフまで参加していますよ(笑)」。(本広)
「僕はすでに『踊る〜』シリーズを含めて、映画作品を30本以上手がけてきましたから、特に『踊る〜』だからということで変わった編集をしているつもりはありません。この作品は特に皆熱くなる作品なので、僕ぐらいは冷静でいないと!(笑)もちろん技術も手法も進歩しているし、僕らも年齢を重ねて変わっていますから、それなりの進化はしていますね。また『交渉人 真下正義』のような、膨大な素材群と日々格闘したような、大変な作品も経験したことで、今回もある程度は余裕を持って編集できました」。(田口)
「(田口さんが冷静であることは、)実はこれはとても大事なことで、『踊る』の現場は本当にたくさんの見学者が来るのですが、田口さんはまず現場に来ないんです(笑)。だからこそ、数多くのカットから本当に必要なカットだけを選び出して、現場の物理的な大変さなどに惑わされず、変な感情移入なく思い切って切れるのです。そして僕らが現場では気づかないようなカットを入れられる冷静な判断があることで、そのシーンの観客側の感情移入の度合いも大きく変わってくる。編集は作品の価値が決まる重要なポイントです。僕は元々編集マン志望だったので、編集が好きで田口さんと「踊る〜」でそういうことを積み重ねてきました。でも実は、田口さんは元々は監督志望だったんですよ、立場は逆になっていますが(笑)」(本広)
「僕はVTRからノンリニアへ移った最初の世代なので、納得のいくまでトライ&エラーができることがノンリニアの最大の恩恵だと思っています。フィルムでは2回ぐらいの変更しか出来なかったところが、Avidを使って何度でも変更可能です。今回も多いところでは6稿、7稿までやり直しました。TVドラマではそれほど時間もないのですが、映画作品では多少編集時間がある分、何度でもやり直したい箇所が出てきます。ダメなら最初に戻れば良いわけで、まず試してみることができます。Avidなら、アンドゥ機能で人間の方が覚えていないところまででも戻れますからね(笑)」。(田口)

“精神安定剤”としての現場編集システム

(C)2010 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

“現場編集”というノンリニアシステムへの本広監督のこだわりは、やはり撮影における『精神安定剤』的な要素が強いという。

「まず前作で、必要な部分のみ田口さんに編集車で現場に来てもらうことをやってみて、次に『サマータイムマシンブルース』で撮影後にデータを東京の編集室へ転送して、編集後すぐにその結果を送り返してもらって確認する、ということを実践し、とても便利で面白いと思いました。それと同時に、僕にとっての”精神安定剤”というか、これまで頭の中だけで考えていた場面のつながりを、すぐに実画で確認することができたのが、非常に精神的にも落ち着けて、撮影を心地良く進めることが出来ました。今回は大作で、しかも撮影時間も限られているし、撮りこぼしも出来ない作品なので、もう、こうなったら現場にずっと編集ユニットが欲しい!と思ってバスクさんにお願いしました。『踊る大捜査線』という作品は、僕にとっても特別な作品で、求められる及第点も高く失敗することのできない、非常にプレッシャーのかかる作品です。ですので、リテイクの細かい部分の判断にしても、とても気を使う現場が毎日のように続きます。そんなときに、この様々な不安要素を解消してくれたのが、このAvidの現場編集ユニットなのです。とにかくその場で判断してどんどん演出を進めて行けるので、もう僕の現場にとっては、無くてはならない存在ですね。」(本広)
「実は、本広組にはスクリプターという人がいません。その分編集マンに課せられる重責はあるのですが、現場編集ユニットが撮影現場にあれば、すぐに撮影結果や場面のつながりを確認できますし、編集室ではトライ&エラーでさらに追い込みができます。この積み重ねが結果的に良い作品になっていくので、そうした部分でもAvidを使っている恩恵は大きいと思いますね」。(田口)
「やはり田口さんが編集したものと、他の人が編集したものでは出来ももちろん違います。おそらくその編集マンの”自信”の違いなのだと思いますが、現場の演出も自信があると無駄なものは撮らなくなります。現場で無駄なものを撮っていると芝居も枯れてくる。演出は生モノですからね。どの分野でも自信のない人は無駄なものが多いのです。だからそういう無駄をなくして研ぎすまされてくると、今度はスタッフや役者たちの人間関係も強くなって、いっしょにモノを作っているという一体感も生まれてくる。今回、亀山(千広)さんも普段はTV局の役員なのに、いつになく現場のプロデューサーをされていました(笑)。そういう意味で『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』は、今まででも一番無駄のない研ぎすまされた作品です。脚本はもちろん、撮影から編集のワークフロー、プロデューサーからスタッフまで人間関係も一体となった、良い作品に仕上がったと思っています」。(本広)
「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」は、7月3日より全国ロードショー中だ。

[On Avid]Vol.01 ● [On Avid]Vol.03

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編集部 PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。


[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2010-07-09 ]
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