パワーズ氏が語るLightwaveとCGの進化

10月14日~16日の3日間、東京・お台場の日本科学未来館で「3DCG CAMP 2010」が行われた。3DCGの総合コンテスト「3DCG AWARDS 2010」の受賞作品発表や海外著名クリエータによる3DCGメーキングセミナー、3DCG関連製品・技術の展示と活用事例のセミナーなどが行われ、展示会場やセミナー会場は来場者で賑わっていた。

このイベントのセミナーやコンテストの審査のためにロブ・パワーズ氏が来日。パワーズ氏は、映画『アバター』のアニメーションテクニカルディレクターやバーチャルアート部門スーパーバイザー、映画『Aliens of the Deep』のCG スーパーバイザーとして長年多くの映画制作のVFXのクリエータやディレクターとして3DCG業界に従事してきた著名なアーティストであり、現在はNewTekの3D開発チーム副社長でもある。今回の来日に合わせて話を聞くことができた。

Lightwaveとの奇妙な出会い

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インタビューに応じてくれたロブ・パワーズ氏

-映画『アバター』ではどのような作業で関わられたのでしょうか、また一番苦労されたことはどのようなことでしょうか?

2005年にジェームス・キャメロンがアバターのアイデアを自分の家で構築し始めたときに、コンセプト画に基づいて私がデザインしたものをジェームスに提案しました。こういったものを迅速にチェックできる素材を実現することが私の役目でした。アニメーションテクニカルディレクターとして5人が担当しましたが、その中の4人は2Dのデザイナーで、私だけが3Dのデザイナーでした。パンドラの世界を構築して、ジェームス・キャメロンの撮影のための環境を揃えること自体がとてもチャレンジなことでした。何千ものアセットの数が必要となりました。また、バーチャルセットやバーチャルカメラのための環境を作るのも大変苦労しました。

-このようなデザインを実現するセンスはどのような経験から習得されたのでしょうか

遺伝ですね(笑)。ただ、自然界に興味があったのも影響しているかもしれません。小さな頃から水槽で魚を飼育していたり、サイエンスが好きでした。自然に囲まれた環境があるところで育ったので、それも常に自分に影響を与えていたと思います。ジョージ・ルーカスも輩出したユニバーシティ・オブ・サザン・カリフォルニアでシネマプロダクションのコースを習得して1993年に卒業しました。私の在学中はまだ3DやCGアニメーションのクラスはありませんでした。

-LightWaveとはどんな出会いのきっかけだったのでしょうか。また選ばれた理由は?

最初の出会いはLightWaveではなく、Video Toasterでした。大学に在学中に雑誌の広告でVideo Toasterのことを知り、お金を貯めて買いました。Amigaも含めて全部環境を揃えるのに4,000ドルぐらい。これほどの大金を使ったことがないので、ハラハラしました(笑)。購入して、すぐに3Dアニメーションを自分で習得しました。LightWaveとVideo Toasterのユーザーグループがあったのですがそれに加わり、そのグループから学んだことが多かったです。多くの場合はLightWaveでしたが、Mayaやほかのパッケージを使った仕事もありました。他のツールよりもLightWaveのほうが迅速にできる場合もが多く、持ち込んで使ったこともありました。

自分のバックグラウンドはフィルム撮影です。そしてLightWaveの特徴の1つはカメラを中心としたワークフローが挙げられます。カメラを持って撮影をしているような感覚で、制作を進めることができるところが気に入っています。もう1つの長所はモデリングからレンダリングまで、テクスチャリング、アニメーション、エフェクトなどすべて1本のソフトでまかなうということが挙げられます。あと小さなことですが、オブジェクトをLightWave内に持ち込んだとき、すぐにオブジェクトを見ることができます。なぜかといえばLightWaveはスタジオのコンセプトなので、すでにライトソースがあるからです。Mayaは最近になるまでライトソースは自分でもってきて配置する必要がありました。

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