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[岡英史のNewFinder]Vol.09 ミドルレンジ・ガジェット考~UstreamはHD-SDI配信

#岡英史のNewFinder

2011-04-29 掲載

東日本大地震におきましてお亡くなりになられた皆様のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災されました皆様に対しましての心よりお見舞いを申し上げます。また被災地の一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。

「だだ漏れ」を「配信」に引き上げる

NF10_006.jpg

Ustreamも一時期の過熱期、だだ漏れ全盛期を超えて(流行物に飽きたという素人が多いと言うことだろう)幾分酷いチャンネルと言う物が無くなった様に感じている。筆者は昨年の4月に業務レンジの仲間と一緒に「HDだだ漏れ座談会」なるチャンネルをスタートした。第1回はNABで色々なメディアやジャーナリストがいない間を見計らってSONY&Ikegamiの2大メーカー開発者の方を強引に呼び出しガチで本音の所を話してしてもらった。

このイメージがかなり強烈だったのかこれ以降メーカーの方々をゲストで招待すると「岡さんの所行くと虐められるからなぁ」と何故か言われるようになってしまった。そんなに酷いことはした覚えがないのだが、あるメーカーの方に言われた言葉が「だだ漏れと言う響きが怖い」と言うことであった。つまりはルール無用で何でもかんでも引き出して配信するという響きがこの言葉にはあるように思えると言うことだ。確かに言われてみればその当時の”だだ漏れ”と言われている配信は酷い物が多く、この言葉を免罪符の様に振り回している人も確かに存在していたように思える。

そもそもUstreamはiLinkを利用して映像を流し込める為にチョット前のDVカメラが使える事もありSD機材ならキャノン入力を備えた業務機が中古で安く出回っていた。iLinkのもう一つのメリットはアナログ入力をデジタル変換してくれることだ。これにより低価格なアナログスイッチャーを使うことで誰でもマルチカメラ配信が出来るのだがさすがにアナログで取り廻すと映像が汚い。まず筆者の仲間達で行ったことは映像の入力部分つまりカメラ部分をENGカメラを使うことで一気に高画質化し、だだ漏れとは一線を超す配信へと境界線を引いたつもりだった。

フルデジタル

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そんな中で昨年の暮れから面白い現象が起きてきた。パナソニックから出た低価格HD-SDIスイッチャー(50シリーズ)の登場によりデジタルHDアウト(HDMIやHD-SDI等)を持つハンディカムをこのスイッチャーに通し出力をHD-SDI入力のあるHDV機(HVR-1500A)を入れることによりHD-SDI入力をHDV信号のiLinkに変換させてPCにHD画質で取り込むという物だ。HDMIをHD-SDIに変換させるコンバーターも安価な物が出回ったのも拍車を掛けた原因かも知れない。

元々ENGカメラよりレンズ部分が劣るハンディカムでの出力映像など幾らデジタルで取り廻しているとは言えたかが知れてると思っていたのだが、その辺は逆にIT系の配信者は各種パラメーターを駆使することによりこちらの想像以上に画質を引き上げてしまった。こうなるとさすがに映像を生業としている者にとっては更にその差を突き放すごとく努力が必要になり、配信チャンネル「HDだだ漏れ座談会」を「月刊HDusers」に改名したこともあり本格的にHDでの配信を考えるようになり、その終着点はすぐに回答がでた。HD-SDIによる変換コンバートを入れないフルデジタル配信だ。

HD-SDIスイッチャー

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フルデジタルで取り廻すと言ってもさすがにHD-SDIスイッチャーを持っているメンバーはいないので各メーカーにご協力頂き、テストすることが出来た。まずはパナソニックAG-HMX100をテスト導入。このスイッチャーの一番良いところはDVI端子からマルチビューモニター出力が出ていると言うこと。これにより安価なPCモニター1台でスイッチング映像をカバーすることが出来る。次にオーディオ(音声)を同じ系列に置くことが出来る(エンベッド)ので遅延がほぼ無いと言うことだ。SDI入力は4系統だがその分価格もかなり抑えられており、50シリーズでは物足りない人には当にうってつけだろう。難点は初期のセッティングがやや解りにくいと言うことぐらいか?

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パナソニックAG-HMX100

ローランドV-1600HD

次に試したのがローランドのV-1600HDでこのスイッチャーの大きな特徴は本体にモニターを持っていると言うこととSDI入力の多さだ。残念ながらこのモニターにはVR-5の様にマルチビューは出来ないのだが直感的に見るには申し分がない。そしてこの入力の多さは、筆者の様に同じレンジでの仲間と共同で行うには何でも突っ込めるというアドバンテージがある。そしてこれらのHD-SDI信号を取り込むキャプチャーボードは、BlackmagicDesign DeckLink SDIを使用している。このボードは若干癖というかM/Bとの相性が在るようでかなりのじゃじゃ馬なキャプチャーボードだが調教を仕切れればコストパフォーマンスに優れたボードだ。(残念ながらDELL製のPCにはまずNG)

総評

これでENGカメラ~スイッチャー~PCキャプチャーまで全てHD-SDIでの引き回しというフルデジタルでの見本の様な形になった訳だが勿論この状態でのHD配信は当に文句の付けようがないほど綺麗だ。ネットLIVE配信でこれだけ高画質な物がストリーム出せるというのは驚きだ。そもそもHD-SDI出力はチョット前まで1出力で最低20万円のコストが掛かると言われていた位でもある。

更に驚いたのが3月での実験配信時に高画質なHD配信の他にもインフラに負担を掛けないSD配信もSDIの分配機を使用して2台のPCで送出したのだが、そのSD配信がもの凄く綺麗でSDとは思えない程。トラフィックの事を考えればこのSD配信だけでも良いのでは?と言う本末転倒のような結末にさえなりそうだった事だ。しかしこの2ヶ月の実験により方向性は決まったので後はHD-SDIスイッチャーを仕入れればOKと言う事だ。

…んっ、TriCaster TCXD300辺りを使えば全て解決するんじゃ?と思った人、、鋭い!! その質問は正解なのだが、さすがに、あの機材を購入する費用は我々にはない。みなさん是非我々に力を貸してくれないだろうか?

参考映像: 月刊HDUsers http://www.ustream.tv/channel/hdusers

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岡英史 バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン


[ Writer : 岡英史 ]
[ DATE : 2011-04-29 ]
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