カンヌ国際広告祭を一気見!

毎年この時期になると、カンヌ国際広告祭にて日本の作品が受賞したというニュースを耳にします、家で。日頃より素晴らしい映像作品を心を込めて制作している制作者たちへの国際的な評価に喜びの涙を流す一方、いいよなあ、カンヌ、行きたいなあ、カンヌ、連れて行ってくれたら良い記事書くのになあ、銀行残高300円だから自費で行けないしなあ、いいよなあ、と、現地に行っている記者陣への嫉妬と羨望で心が凶暴になって、鬼の形相で受賞のニュースをいち早く報道するネットを睨みつけておりました。

さて、数年前からこの広告祭は「Cannes Lions International Festival Of Creativity」という名称が掲げられ、先駆的なクリエイティブ表現と広告という機能ががっつり握手し、相乗効果を高め合う作品を評価の対象としています。部門は、フィルム、ラジオ、プレス、アウトドア、メディア、サイバー、ダイレクト、プロモ、チタニウム&インテグレーテッド、デザイン、PR、フィルム・クラフト。詳細はこちら。このコラムでは、見事受賞を果たした日本の映像作品をいくつかご紹介します。

docomo TOUCH WOOD 「森の木琴」

■フィルム・クラフト部門 ゴールド/サイバー部門 ゴールド

ゴールドダブル受賞おめでとう! 日本の細密な職人芸と自然の美しさは繊細かつ雄大。日本特有のダイナミズムを感じる力作。

JR九州新幹線CM

■アウトドア部門 ゴールド/メディア部門 シルバー

九州の新幹線の広告が、大震災の影響下にある日本国民に元気を与え、世界中の人々をも笑顔にしました。ダブル受賞おめでとう!

TABIO SLIDE SHOW

■サイバー部門 ブロンズ

靴下屋さんのWEBCM。映像作品としても楽しめますが、サイトではユーザー自らがスライドできるカタログとしても機能します。

SOUR「MIRROR」MV

■サイバー部門 ブロンズ/デザイン部門 ゴールド

こちらも参加型MV。公式サイトにアクセスして体験してみましょう。こちらの映像はnon connected version。

いずれも、いわずとしれた昨年~本年度前半を代表する映像作品であり、このコラムでも何度も取り上げていますので、詳細説明は省きますが、総論として、人や物のぬくもりやコミュニケーションとしての機能といった「感触」が現代の映像には欠かせないと、改めて考えさせられました。一方的な虚構から双方向的なつながりを構築することが、発信者とユーザーを有機的にコネクトする広告の役割であるという至極当然の解釈に帰結した感がありますね。

サイバー部門でゴールドを獲得したUNIQLOのWEBキャンペーン「LUCKY LINE」など、ネットワーク媒体の特性とユーザーの参加意欲を上手く利用した広告も豊作。サイバー部門でグランプリを獲得した「Play with a tweet」(お代はつぶやきで)を筆頭に、SNSがらみの作品が猛威を振るっております。

「Pay with a tweet」

■サイバー部門 グランプリ

Pay with a Tweet – An overview from Leif on Vimeo.

同じくサイバー部門のグランプリを獲得した「The Wilderness Downtown」も大きな話題となりましたね。

Google 「The Wilderness Downtown」

■サイバー部門 グランプリ

ストリートビューとGoogle ChromeによるインタラクティブMV。こちらも参加型ですので、是非、遊んでみて下さい。他にも、iPhoneアプリを活用した作品が世界中から多数エントリされました。映像は「見る」から「体感する」というフェイズに突入し、さて、今後はどんな新展開を見せるのか。ますます目が離せません。

ああ、来年こそは現地からレポートしたい!誰か!ナガコをカンヌに連れてって!

WRITER PROFILE

林永子

映像ライター、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。「スナック永子」やMV監督のストリーミングサイト等にて映像カルチャーを支援。