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Column

Shoot.05 片手で気軽に4K撮影 JVC GY-HMQ10:Vol.1

2012-09-20 掲載

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中原氏:そうですね。やはり作品系ということになりますとラージセンサーが必要でしょうし、DCP(デジタル・シネマ・パッケージ)的には解像度だって我々のカメラが採用した3840×2160ではなく、4096×2160ということになりましょう。そういった部分で我々のカメラというのは、制作用途的に見た時には、レンズであるとかは難しいかもしれません。

raitank:と、言いましたのは、今年のCESでは試作品としてNikon FマウントのGY-HMQ10を出展されていましたよね?ボクはあれを見て、心がときめいてしまったのですが…(笑)。制作用途でないとしたら、あれは一体どういう意図でもって開発されたのでしょう?

中原氏:我々としても4Kの市場や顧客、アプリケーションを模索している状況です。その一つの可能性としてNikon Fマウント搭載機を開発したら、どのようなお客様が興味を示して下さるだろうか?という意味での参考出品でした。

raitank:(自分を指さし)こういうお客様ですね?(笑)
ただ、あれは単純にレンズが交換式になってニコンレンズがつきますよ、というだけであって、レンズに準じてセンサーもAPS-Cサイズになりますとか、そういう話ではないんでしょうか?

中原氏:申し訳ありませんが、ちょっとそこまで詳しくは現時点では申し上げられません。

raitank:そ、それはモッタイナイですねぇ…(笑)。

試用して気になった点、気にいった点

raitank:ボクなんかがPRONEWSさんでインプレッション記事を書かせて頂くとすると、やはり同じ業界筋じゃないですが、クリエイター仲間に勧めるような内容になると思うのですね。その際に気に入った点や気になった点を幾つか述べさせて頂いても良いでしょうか。

最初に気になった点から挙げさせて頂きますと、まずは「絞り羽根」。これは以前使っていたGY-HM100の時から首をかしげていたのですが、業務機であるGY-HM100やHMQ10が、どうして「虹彩絞り」ではなく「菱形絞り」を採用し続けているのか?

また、以前GY-HM100を所有していたからわかるんですが、画調の作り込みパラメータが減ってしまいました。ガンマの設定も+5あるいは-5の二択で、要は下を捨てるか?上を捨てるか?しかありませんし、Kneeに至っては設定自体が見当たりませんでした。

中原氏:そのへんの機能はやはり4KとフルHDでは絵作りの方策自体が違いまして、残念ながらGY-HM100と同じにはできなかった、というのが正直なところです。

raitank_shoot05_09.jpg

ビジネス・ソリューション事業本部メディアシステム統括部企画グループシニアマネジャー 中原雅嗣氏

raitank:また液晶モニターは、なんとしても、もう一踏ん張りして欲しい部分です。現状、ビューファーも液晶モニターも、4Kの解像度を確認するにはかなり無理があります。…もちろん、フィールドでの4Kモニタリングが、まだまだ雲の上の概念でしかないことは重々承知してはいますが。

中原氏:今ご指摘いただいた点は、私たちもすべて把握しておりまして、その辺りのご意見をお客様に伺いながら、次に作るべきものを考えていかねばならないと思っています。

熊谷氏:価格や大きさ、性能、なにが優先事項か?など、製品の開発時にはいろいろな議論があります。GY-HMQ10の場合は、まず「小ささ」と「価格」で勝負!というところが1つの狙いになっています。

初号機ということで、私たちの間でもまずは何ごとも決めつけず、できる限りの機能を実現し、色々な状況でお使いのお客様からなるべく多くのお声を頂戴し、次へと活かしていきたいと思っています。なにぶん皆さんの要望に一度にすべて応えようとすると、結局、「あれ?こんなに大きくて、こんなに価格が高いの?」ということになってしまいますし、その辺りの見極めが常に難しいんですよね。

raitank:ただ、今度は気に入った点を述べさせて頂きますと、先ほど『制作用途には…』というお話もありましたが、ボクはコレ、実は制作用途でもぜんぜんイケると思ってまして、なによりもまず “こんなに目立たない4Kカメラが他にあるか!?” ということです(笑)。

ボクは普段、山の中にある自然学校での子どもたちの活動をドキュメンタリーっぽく撮っていたりするんですが、そんなところへ、例えばREDみたいな大仰なカメラを担いで行ったら、「なにそれー!?」って子どもたちが寄ってきて仕事になりません。その点、一眼ムービーだと… 写真と勘違いされて、ポーズをとって棒立ちになられることはありますが(笑)、威圧感もないし、わざわざ駆け寄ってこられたりもしません。HMQ10も同じで、見かけが “パパが持ってるハンディカム” と大して変わらないので、良い意味で無視してもらえる。現場で “埋没” できるんです。

raitank_shoot05_10.jpg

熊谷氏:ありがとうございます。この一号機の狙いは、お話を頂いた通りなのです。なぜ4Kなのに、あの形で、あのサイズで、あの軽さなの!?全く狙い通りのことをお話し頂いた状況でして、今まで我々を含め世間でイメージされている、大型で、大仰で、高価な4Kカメラのもろもろを、とにかく壊したかった。それがこの1号機です。そういう役目を担わせようと思って開発したカメラだったのです。

raitank:まんまとハマりましたか?(笑)

熊谷氏:狙い通りのお言葉を頂いて嬉しいです(笑)。

raitank:…ですので、ぜひ次はFマウントのレンズ交換式で、やっぱりセンサーサイズも、ちょっぴり大きくして頂いて、そして絶対に絞りは虹彩絞りにして頂いて…(笑)

塚田氏:開発技術の側から見れば、解像度やレンズ交換式か否か?、あるいはセンサーサイズや収録データ形式など、すべてに渡って「完成」ということはあり得ないんですね。常に次の課題、目標があって、開発時点での手持ちの技術と工夫を全て注ぎ込んで、できることを最大限実現していく。これの連続ですから。

同行スタッフ:最後に一つ、いいですか?放送局さんによっては、次は4Kじゃなくて8Kだろ!?っていうところもありますよね?実際、NHK技研さんなんかでは、すでに8Kのデモ機が稼働しているようですし。JVCさんとしては、この先、HMQ10のような小型の8Kカメラなども開発していかれるのでしょうか?

中原氏:ちょっとまだ、あまりにも先の話なので…

同行スタッフ:あれ?すでに8Kカメラ、作っていらっしゃいましたよね?

中原氏:うちじゃないですね。

raitank:先日ニュースになっていた8Kカメラは、たしかNHK技研さんと日立さんが共同で作ったものですよね。

中原氏:8Kカメラはできないでしょうか、という話は聞いたことがあります。
…だから、「ええ、SDカード・スロットを16個に増やせば…」ってお答えしたんですけどね(一同爆笑)。

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WRITER PROFILE

raitank アートディレクター。あまたの海外ソースを読み漁ってHDSLRを独学。国内と海外の情報流通の温度差にモーレツな疑問を感じ、最新の情報を自ら日本語で発信するblogを運営中。


[ Writer : raitank ]
[ DATE : 2012-09-20 ]
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