ついに手持ち実用重量のDSMCが本家REDから登場!!

RED社の新しいカーボン製RED DRAGON EPIC。何と、片手で軽々持てる!!ついに本家から出た本物のDSMCカメラだ!!(Photo by Takahiro KAMIYA)

GH4などのスチルカメラサイドからの進撃に対し、本家DSMCのREDも黙っていなかった。RED社のブースには何と、カーボン製の「RED DRAGON EPIC(EPIC-M RED DRAGON(CARBON FIBER)W/ SIDE SSD MODULE(CARBON FIBER)AND MAGNESIUM LENS MOUNT)」が展示されていたのだ。

同社のカメラはスチルカメラとムービーカメラの融合を目指すと言いつつも、実際には同社最軽量のDSMCモデルでさえも手持ちは到底不可能な重量であって、あくまでも三脚据え置きでの中判カメラライクな撮影が前提となっていた。しかし、このカーボン製の新型RED DRAGON EPICは、なんと、普通に手持ちが出来た!

従来のカメラを、特にモデルチェンジをせずに同じDSMCモデルのままで、材質をカーボンに変えて手持ち可能な重量にしてしまうのは、ちょっと驚いた。さすが大国アメリカ、他国メーカーにはマネできない力業だ。ただしこのカーボン製の筐体は実質特注のため、お値段は、本体だけで693万円とのこと。

あまりに素晴らしいそのフォルムに、取材に引き連れていた我が社スタッフからも欲しいと言う声は上がったが、さすがにEPIC DRAGONが2台近く買えてしまう金額だけに、なかなか踏み切れずにいる。

しかし、RED最大の難点であった重量問題が解決することは大きい。本体が軽量化すれば、RIGも軽量化でき、また、今流行りのジンバル撮影や空撮に使う事も出来るだろう。予算に余裕があれば、是非とも手に入れたい一台だ。しかも、このカーボン筐体は現在待ち時間無しで購入可能、とのこと。世界中のプロダクションやカメラマンがDRAGON EPICの納品待ちをしている状況を考えれば、それだけでも「買い」のカメラだと言えるだろう。

なお、説明するまでも無くRED社のDRAGON EPICは6K解像度で60pのRAW撮影が出来るという正真正銘の化け物カメラであり、その映像展示は、まさに動く写真。他の4Kカメラを画質で圧倒し、来場者たちの度肝を抜いていた。同じ4Kモニタで見るにしても、6Kからの圧縮や切り出しと安価な4Kカメラ撮影のQFHDからの引き延ばしでは、明らかに画質の差があるのだということをこの目で知ることが出来たのは、今回のCP+最大の個人的成果だったかも知れない。

もちろんスチルカメラも大々的に

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「dp2 Quattro」は新しいFoveon X3素子を使ったシグマ社のdpシリーズで、その異様な形で大人気だった。オタク社長的に惜しむらくは動画機能の搭載予定がないこと。買うけど

もちろんCP+はスチルカメラの祭典であるから、新作スチルカメラも数多く展示発表されていた。その中でも目を引いたのが、日本が誇るカメラメーカーSIGMA社の新型「dp Quattro」シリーズだ。

DPシリーズはFoveon素子を使うことによって、複層化された一枚のセンサーでRGBそれぞれを分解して収録する仕組みを持ったカメラで、その機能によって、デジタルカメラの枠を越えたリアルな色味を保持することを可能としていた(デジタルの仕組みで、Foveon素子以外の場合には、3板にセンサーを分けない限り、色は輝度からの推測値になってしまう。デジタル特有ののっぺり感はこれが原因だ)。その後継機種として、ついに登場したのが、dp Quattroシリーズだ。

このカメラは、最新のFoveon X3センサーでさらに画質と速度を向上させただけでは無く、ついに実用レベルの速度のオートフォーカスとライブビューを搭載して話題をさらっていた。Foveon素子はその構造上データ量が膨大で、どうしてもそうした便利機能が後手後手に回ってしまっていたが、dp Quattroシリーズは完全に実用レベルのカメラだと言える。

またdp Quattroは、何よりも、その全く新しい異様な形でも、多くの人の注目を集めていた。カメラとはこうあるべきという従来の概念を取り払ってゼロからカメラというものを見直したその形状は、実際に触ってみると非常に使いやすく、こういうゼロからの探求は絶対に必要なものだと思い知らされる。

ただ、惜しむらくは、従来のDPシリーズに搭載されていたSDサイズの動画ですら現在のスペックシートには書かれていないこと。Foveon素子による動画は、単板で3板センサーの効果を出す画期的な動画カメラの可能性もあるだけに、少々残念だ。

Tokinaのシネマレンズ

Tokinaの新しいシネマレンズ50-135を付けた筆者の1DC。APS-C用のレンズが元なので、スチルにはもちろん使用できないが…(Photo by Shuhei Hashimoto)

ケンコー / Tokinaでは、新しいシネマレンズ「50-135 T3.0 CINEMA LENS」の実機展示が行われていた。スチルレンズである「TOKINA AT-X 535 PRO DX 50-135mm F2.8」ゆずりの高性能な光学システムを持つ同レンズは、焦点距離の幅こそ狭いものの、T3のシネマズームレンズにしては格段に安価になると予想されている。例えばそれが単焦点シネマレンズ2本分程度の価格となればシネマズームレンズとしては格安ということになり、非常に期待が大きい。

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なんと、APS-C用のレンズにもかかわらず、4K撮影では問題なく使用できた!(Photo by Shuhei Hashimoto)

驚いたのは、このTokinaのシネマレンズが筆者が持っていたCanon CINEMA EOS-1DCの4K動画でも使えたことだ。もちろん、スチル写真は4隅が蹴られてしまってだめだったが、若干撮影面積の下がる4K動画では綺麗に使えた。1DCの4K撮像範囲は実質APS-Hにあたるかなり広いものであり、それを考えると、ほとんどのシネマカメラがこの「50-135 T3.0 CINEMA LENS」に対応できるということになるだろう。CP+に展示されていたものは試作品であるから、実際のレンズでも同様に使えるかどうかはわからないが、発売が大変に楽しみなレンズであると言える。

「Zeta Quint」は一眼動画では新しい定番フィルタになるだろう。特にDFD-AFの都合上スチルレンズを使わなければならないGH4では必須になると思われる

また、同ブースでは、スチルレンズ使用の際の定番プロテクター / UVフィルタである「Zeta」シリーズの最新型、「Zeta Quint」シリーズを発表していた。このフィルタはさらにその防護力を強化され、コーティングも改良された結果、より4Kなどの高精細撮影に向く特質となっているという。こうした高精細撮影向きの足回りがしっかりと用意されてきたのが、今回のCP+最大の特徴だと言える。

WRITER PROFILE

手塚一佳

デジタル映像集団アイラ・ラボラトリ代表取締役社長。CGや映像合成と、何故か鍛造刃物、釣具、漆工芸が専門。芸術博士課程。