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[Report Now!]NHK第44回番組技術展〜NHK支局の創意工夫が一堂に集合

#Report NOW! #NHK番組技術展

2015-02-10 掲載

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今年もNHK第44回番組技術展が開催

2月9日から11日の3日間、東京・渋谷のNHK放送センターにおいて放送の現場で活躍する最新の技術を紹介するNHK第44回番組技術展が開催されている。当初は全国にあるNHK支局の創意工夫を披露する場として関係者のみに公開されていたもので、いわば社内文化祭のような形でスタートしたが、視聴から受信料を徴収して成り立っている国内唯一の放送局であるため、一般の視聴者に制作現場を披露することでより親近感をもってもらうと同時に透明性を確保するという狙いもあるようだ。

NHKでは5月にNHK技研公開を開催しているが、4Kや8K、放送インフラを中心にしたものが多く、現在から将来にわたる技術やデバイスなどを紹介する技研公開に対し、番組技術展はすでに現場で活用実績のあるものが中心となっている。

したがって、その効果や有用性は放送された番組で確認できるというメリットがある。最近国内外での災害が多かったことを反映してか、今年は緊急放送や災害地の撮影システムなどの出展が増えてきたのが印象的だったが、災害対策基本法の指定公共報道機関として唯一NHKが定められていると同時に巷のアンケートなどでも災害や大きな事件などが発生した場合NHKを見るという一般の人も多く、そうした要望に答えたものでもあると思う。籾井会長の発言や渋谷のNHK移転計画など、スーパーハイビジョン以外にも様々な話題として取り上げられているNHKだが、現場からの創意工夫はそうしたものとは別次元として捉えて行きたいと思う。

災害時の撮影手段

災害時の重要な情報源として迅速的かつ正確な報道を目指して様々な取り組みがなされているほか、火山など人が近づけない場所での撮影手段、視聴者へどのように届けるかなど、制作現場から視聴者まで一貫した取り組みがなされている。

■GPS制御を使った「無人飛行撮影システム」
150210_NHK_2840 気象観測データを収集するための機体をベースにした無人飛行撮影システム

マルチコプターなどドローンによる撮影が話題になっているが、こうした撮影をGPSによる自動飛行により無人撮影を行うシステム。1m以上ある比較的大きな機体で航続時間約4時間、航続距離260kmとかなり長時間長距離の飛行が可能。大気中の成分分析など気象観測データを収集するための機体をベースに作られており、強力なガソリンエンジンを搭載している。見通し距離ではリモコン操作で、それ以降はGPSを元に自動飛行して目的の場所の映像を撮影して帰還するようになっている。小笠原諸島の西ノ島のように立ち入り禁止区域の撮影や火山噴火、災害情報など有人の飛行機やヘリコプターなどが近づけない場所での撮影で利用される(放送技術局 制作技術センター)。

■地震速報を用いた揺れ映像の自動伝送システム
150210_NHK_2900 WEBブラウザーにより、カメラの選択や日時を指定して再生などのコントロールが可能

自動的に地震発生時の情報カメラの映像を伝送するシステム。地震発生時の情報カメラの情報はその地点での状況を伝える貴重な映像情報となるが、カメラの台数が多くなると常時記録している映像から必要箇所を選択する作業が必要となる。このシステムでは、震度の大きい地域の映像を優先して伝送したり、リアルタイムで伝送できない場合はファイル化して伝送することができる。また、遠隔操作により任意の時刻の映像だけを伝送することも可能(松山放送局/放送技術研究所)。

■災害情報のデータ放送・ホームページマルチユースを展開
150210_NHK_2946 L字放送の内容をホームページや各種データ放送などワンソースマルチユースに活用

災害情報者緊急ニュースなどを放送画面の周囲に情報として表示するL字放送の内容は、ホームページや各種データ放送などにも利用されているが、L字情報入力端末からの情報を効率的に各種メディアに展開できるシステムで、すでにNHK全国放送で活躍している。ワンソースマルチユースをオンラインで迅速かつ自動的に運用するシステム(放送技術局/編成局/技術局)。

■河川カメラ放送システム
150210_NHK_2880 国土交通省の河川カメラの映像を放送に活用

河川に設置された国土交通省のWEBカメラを地図上から選択して放送利用するシステム。IPアドレスを指定しなくても簡単に選択することができ、河川の増水状況などを迅速に放送に利用することができる(新潟放送局)。

■地震・津波・気象警報の館内向け自動アナウンス装置
150210_NHK_2883 気象庁の地震・津波・気象警報の館内向け自動アナウンス装置

気象庁が発表した地震や津波、気象警報などの情報を放送会館などに自動アナウンスするシステム。従来の専用情報端末や印字物による情報を自動的に管内放送することで、こうした情報の共有や速報スーパー制作など迅速な対応と間違いのない緊急報道に対応できるようになった(仙台放送局)。

■基幹放送所のアラーム通報機能の改善
150210_NHK_2955 放送設備の障害自動通知システム。障害内容のログをメールで自動送信

放送設備の障害自動通知システムの内容をより詳細にしたもので、従来の電話やメールによる設備障害の通報機能を発展させ、障害ログを解析し詳細な内容をメールで通知することを可能にした。送信所のログファイルを自動解析し、その内容をメール通知するとともに系統図上にその障害箇所を表示するシステム(大津放送局)。

■2TS比較監視~一致/不一致を一目で~
150210_NHK_2964 二重化された放送設備を障害発生時に自動切り替えするシステム

送出設備は24時間確実な放送を確保するため二重化されているが、映像や音声、EPG、データ放送などを項目ごとに監視し、障害発生時には自動的に切り替えるシステム。映像レベルや音声レベルを表示し本番と予備の送出状況を監視するとともにTSの一致・不一致を緑黄赤で表示。設備障害時に迅速なバックアップを支援することが可能(放送技術局 メディア技術センター)。

■緊急警報放送対応リモコン「ピロ太郎」
150210_NHK_2875 緊急警報放送時、自動的にテレビやラジオの電源をONにするリモコン装置

地震や津波などの緊急警報放送時自動的にテレビやラジオの電源をONにするリモコン装置。リモコン自体が緊急警報放送の電波を受信してテレビの電源をONにし、NHK総合放送を選局するようになっており、テレビに流れる電流を検知して電源のON/OFFを判定。動作後のテレビつけっぱなしを防止する自動OFF機能も搭載されている(岡山放送局)。

現場に密着した撮影機器・システム

通常の撮影であれば最近のカメラはほとんどの現場でそのまま使うことが可能だ。ハイスピード撮影に対応したカメラもあり、かなり暗い環境でも撮影可能な製品も出てきている。更に特殊な撮影を行う場合は専用のシステムが必要になってくる。オリンピックなどのスポーツものや自然を対象にしたものなど、その守備範囲は広い。今回もこうした領域でも撮影可能な撮影システムやファイル化が進んだ現状に対応したものなど、現場に密着したシステムを披露していた。

■高速トラッキング撮影システム
150210_NHK_DSC_2921 高速度カメラのレンズ前面に設置された高速トラッキング撮影システム

卓球や野球のボールをカメラで捉えることは非常に難しいが、水平垂直に可動するミラーをカメラレンズ前に配置して制御することで、画面の中央に狙ったボールを撮影することができる。高速度カメラなどに装備することで、ボールの回転や卓球のラリー、バレーボールのアタックなど、その瞬間だけでなくボールの動きも捉えることができる(甲府放送局/放送技術局 報道技術センター)。

150210_NHK_2933 装置内のミラーの動作の説明映像
■小型4Kフォーカスアシスト装置
150210_NHK_2856 4K対応フォーカスアシスト装置

4K撮影となると通常のファインダーではピント合わせが困難となるが、映像信号の高周波成分を抽出することで、フォーカス範囲を表示しピント位置を画面内に表示するもので、Vマウントアダプターで既存のカメラに装着可能となっている。入力はHD-SDI×4、出力はHD-SDIとなっており、一般的なカメラに対応可能(放送技術局 制作技術センター)。

150210_NHK_2863 画像の黄色い部分がピントが合っている箇所
■高機能化ハイブリッドセンサーによるバーチャルスタジオ
150210_NHK_2910 低コストでバーチャルスタジオを構築することが可能なバーチャルスタジオシステム

大がかりになりがちなバーチャルスタジオシステムをハイブリッドセンサーを採用することで、コンパクトかつ機動性のあるシステムとしたもので、すでに「着信御礼!ケータイ大喜利」「ひるとく」「海と生きる」などの番組で運用されている。昨年も出展されていたが、今年は照明センサーを加えることで、自然な照明状態をバーチャルスタジオ内で表現できるようになったほか、全天周映像を利用でき低コストでバーチャルスタジオを構築することが可能(放送技術研究所/(一財)NHKエンジニアリングシステム/(株)NHKアート/長野放送局)。

150210_NHK_2911 照明センサーを加えることで、自然な照明状態をバーチャルスタジオ内で表現できるようになった
■遠赤外線ズームカメラ
150210_NHK_2868 9倍のズーム機能が搭載された遠赤外線ズームカメラシステム

昨年カセグレン式の光学系を採用したものが披露されたが、屈折型を採用することで、小型化するとともに9倍のズーム機能が搭載された。赤外線領域の撮影が可能なので、光源のない夜間でも映像を捉えることが可能なほか、色調モードにより温度差を色として表現することができる(放送技術局 報道技術センター)。

■ウルトラロー雲台
150210_NHK_3002 360°のパンと±40°のティルトが可能なウルトラロー雲台

ローアングルでの撮影ではハイハットや開脚角度の広く取れるベビー三脚などを利用するが、それでもヘッドの高さより高い位置での撮影になってしまう。地上高すれすれの低い位置からの撮影を可能とする雲台によりこうした問題を解決している。クレーンなどを使ってローアングル撮影は可能だが、設置の容易性や機動性など運用性を重視したシステムとなっている(大阪放送局)。

■山岳中継用超小型軽量スイッチャー
150210_NHK_2865 山岳中継用に開発された超小型軽量スイッチャー

小型軽量が求められる山岳中継用の3ch小型スイッチャー。質量約1.4kgで、フェード機能や音声モニターなども搭載されている(報道局)。

■スマートクローズアップシステム
150210_NHK_2884 お天気カメラと同様な操作で使うことが可能

取材先から提供される写真や印刷物などの静止画をパン/ティルト/ズーム/ロールといったカメラワークを付加して動画データとして活用するための装置。お天気カメラの操作と同様な運用性により、簡単な操作で容易に動画として取り込むことができ、取り込んだ画像に影やモザイクなどを付加することも可能(放送技術局 制作技術センター/新潟放送局)。

■収録内容確認アプリ「BMビューア」
150210_NHK_2953 番組内容やメディアの残容量などを簡単に確認できるシステムで、動画再生にも対応

ファイルベースでの運用に移行し、各種番組は放送サーバーから送出されているが、番組制作においても従来のVTRメディアからハードディスクなど、いわゆるブリッジメディア(BM)を使用しており、こうしたメディアの管理のために開発されたシステム。BM内に保存されている番組内容やメディアの残容量などを簡単に確認できるシステムで、動画再生機能なども備えている。BMとタブレット型端末を接続するだけで簡単に操作できるようになっている(放送技術局 メディア技術センター)。

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[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2015-02-10 ]
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