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[Report Now!]NHK技研公開2015 後編:次世代のテレビはどうなるのか?8Kそしてその周辺

2015-06-01 掲載

8Kを巡る展示が多数!

8Kは来年から2年間の試験放送を経て2018年に実用放送、東京オリンピックが開催される2020年には本格普及を目指すとしている。そろそろ次世代テレビはどうなるのか気になるところだが、技研では2030年頃に空間像再生型立体テレビを目指している。立体テレビというと数年前の3Dブームが思いおこされるが、現在までのところあまり普及していない。その理由の一つとしてメガネの使用がある。技研ではすでに眼鏡なしの立体映像技術などを研究発表しているが、2030年のものは身体への負担の少ないより自然な立体像ということで、当然メガネなどの装具なしで空間に浮かび上がるような立体映像だ。現在のところ具体的な研究発表はなされていないが、8Kがある程度落ち着く頃には形のあるものとして発表されるだろう。

さて、今年の技研公開では、こうした先のテレビの世界だけでなく、現行の放送をより良くしていく技術や番組制作に関わる技術なども多数出展されていた。今年は1階が8K関連で占められており、技術発表は地下のフロアーに集められているが、8Kにも共通して使える技術もあり、こうした展示も含めると半数以上が8K関連の出展となる。

すでにハイブリッドキャストのサービスが開始されているが、インターネットを活用した新たな放送技術としてインターネット動画視聴プレーヤーとコンテンツ配信技術や放送とネットコンテンツ同期技術などが発表されたほか、人にやさしい放送技術として気象電文を用いた手話CG自動生成システム、高度番組制作技術として多視点ロボットカメラや素材バンクなども発表された。

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NHK技研の3カ年計画の重点項目の一つとして立体テレビが挙げられている。パネルにはインテグラル立体映像の多視点カメラやレンズアレーによる表示デバイスのほかホログラフィーによる将来の立体表示や立体撮影用の撮像デバイスの研究開発のロードマップが描かれている。

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インテグラル立体テレビ。昨年も出展されていたが、今年は撮影カメラの台数を増やした他、レンズアレーの微小レンズの数も増やし、より鮮明な映像を得られるようになった。

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立体表示のためのスピン注入型空間光変調器。ホログラム立体映像を再生する方法の一つに干渉縞が記録されたフィルムなどのプレートに光を当てて立体像を再現する方法があるが、干渉縞を表示可能な表示装置を開発することで、立体動画像を再生できる表示装置を実現することができる。そのためには非常に微細な表示を可能とするデバイスが必要となるが、アクティブマトリクス駆動方式に対応した、低電流で動作する狭画素ピッチのスピン注入型空間光変調器が開発された。実用的な立体映像を表示するためには更に微細な表示を可能にする必要があるが、実用化に向けて毎年進んでいる。

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8Kハイブリッドキャスト。高精細・大画面のディスプレイ環境を活用した次世代のインタラクティブサービスで、大画面を生かした新しい視聴レイアウトやスマホやタブレットなどの連携端末を活用することで、より簡単に直感的にサービスを利用することができるというもの。

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MPEG DASH視聴プレーヤーとコンテンツ配信技術。ハイブリッドキャスト受信機をはじめ、パソコンやモバイル端末のWebブラウザーで共通に使えるマルチデバイス対応動画配信サービスや携帯端末との連携サービス、字幕サービスなどネット上のストリーミング画像や放送の画像などを連携して様々なサービスを提供可能。

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NHKオンデマンドのサービスイメージと便利な新機能。新しいVOD規格に対応したハイブリッドキャストで個人の嗜好に合わせた動画の差し替え、携帯端末との連携、多彩な表現が可能な字幕サービスなどが実現可能。

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放送映像とアプリのデータ表示の同期技術。テレビ放送の画像のほかネット上の画像や各種データなどを同期して表示。スポーツ中継などで放送とは別カメラの映像や試合進行に応じた各種データをネットで提供し、ユーザーサイドで表示などのカスタマイズもできるハイブリッドキャストの進化系ともいえる技術。

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気象電文を用いた手話CG自動生成システム。常に定型表現をそのまま使用するのではなく、データの解析により使用する単語やフレーズを適切に自動変更し自然な手話表現にすることを目指しており、CGのキャラクターも季節や台風情報などで男性女性など変更も可能。

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多視点ロボットカメラ。多数のカメラを協調制御することで、動く被写体をさまざまな視点(方向)から撮影し、各カメラの映像を順繰りに表示することで被写体を回りこむように表示したり、選手の応じてよりわかりやすい視点の映像を生成することが可能。今年はカメラの台数が増え広範囲な多視点映像の撮影が可能になったほか、カメラの小型化、ケーブル本数の削減、処理映像の高品質化、映像処理速度の向上を実現した。

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効率的な番組制作を実現する素材バンク。素材映像を解析して画像特徴や対象物の名称などのメタデータを自動付与することにより、映像検索を簡単に実現することが可能なほか、カメラの姿勢や照明情報など映像加工に必要なメタデータを映像解析やセンサー技術により自動的に生成・付与することが可能。

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ハイブリッドセンサーを用いた全天周実写バーチャルスタジオシステム。魚眼レンズを搭載した2台のカメラによる全天周の実写映像をカメラの動きに合わせた背景として手軽に合成でき、スタジオの出演者があたかも取材現場にいるかのような映像制作が可能。遠隔地の風景とスタジオの映像をリアルタイムに合成することで、CGによるシステムよりリアルなバーチャルスタジオシステムとすることが可能だ。

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魚眼レンズを搭載した2台のカメラユニット。このカメラで撮影した画像を背景にしてブルーバックなどで撮影した人物などを合成。カメラの動きに合わせて背景を自由に動かせる。

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双方向FPU。受信信号の品質を計測して送信側に送り返し、送信側ではその結果をもとに伝搬路の品質に適した変調方式を自動選択することが可能。これにより設営時間の短縮や良好な伝搬路品質での大容量伝送による伝送時間の短縮が可能。

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基礎技術や展示物にし難い研究などがまとめられたパネル展示コーナー。展示内容は以下の通り。

  • 現行方式に影響を与えずに円滑に移行するためのスクランブル方式の更新方法
  • 収録済の読み上げ音声に感情表現を付与する技術
  • 物体の形状と硬さを伝える触覚提示技術
  • 表示解像度と立体感の関係
  • 可動部分のない高速磁気記録デバイスの実現
  • 大画面シート型ディスプレーの実現
  • 超高感度ハイビジョンカメラ用冷陰極HARP撮像素子
  • 高感度8Kカメラ用固体撮像デバイス、立体カメラ用画素並列信号処理3次元構造撮像デバイス
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体験型展示を触ってみよう。触れるテレビの実現を目指した研究の一環で、映像や音声では伝えきれない物体の硬さや手触り感などの情報を伝えられるというもの。

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8Kの番組素材伝送。イーサネット網を介した番組素材伝送システムで、8K非圧縮信号の100ギガビットイーサネットによる光ファイバー伝送装置。伝送時に発生するデータ誤りを受信側で復元する技術を用いることで、大容量の8K非圧縮信号をイーサネット網で安定して伝送できる。

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高密度ホログラムメモリーシステム。番組の長期保存技術として開発しているもので、従来は多重方式として、媒体への光の入射角度を変えながらデータを多重記録する「角度多重」を用いていたが、今回記録媒体の配置自体を多重軸に加えた「二次元角度多重」を開発し、角度多重のみの場合より多重数が4倍に向上した。

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8K圧縮映像信号が記録されたホログラムメモリー(写真左)とBlu-ray Disc(写真右)。

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8K 120Hz圧縮記録装置。120Hzの8K信号を記録できるメモリーパックを開発し、メモリーパックへ書き込む並列処理数を従来の2倍にした。さらにデータ書き込みの待ち時間を短縮するなどして書き込み効率を向上させ、記録速度を従来の2倍に高速化を達成。

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8Kスーパーハイビジョンの医療利用。すでに榊原記念病院や順天堂大学病院、東京大学医学部付属病院、京都大学医学部附属病院などで心臓手術の様子や顕微鏡下での脳外科手術などの収録を行い実績をあげているという。


前編 [NHK技研公開2015]

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[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2015-06-01 ]
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